ホーム >報道発表・広報活動 >報道発表資料 >最近の報道発表資料(令和7年) >12月 >

(令和7年12月25日)株式会社ロピアから申請があった確約計画の認定について

(令和7年12月25日)株式会社ロピアから申請があった確約計画の認定について

令和7年12月25日
公正取引委員会

 公正取引委員会は、株式会社ロピア(以下「ロピア」という。)に対し、独占禁止法の規定に基づき審査を行ってきたところ、ロピアの後記3の行為が同法第19条(同法第2条第9項第5号(優越的地位の濫用))の規定に違反する疑いが認められた。
 公正取引委員会は、当該行為について、確約手続に付すことで、ロピアによって当該行為が排除されたことを確保するために必要な措置が速やかに実施されることにより、競争の早期回復が図られると認め、令和7年12月19日、独占禁止法第48条の6の規定に基づき、ロピアに対し確約手続に係る通知を行った。
 今般、ロピアから、公正取引委員会に対し、独占禁止法第48条の7第1項の規定に基づき、後記3の行為が排除されたことを確保するために必要な措置の実施に関する確約計画の認定を求める申請があった。公正取引委員会は、当該確約計画は当該行為が排除されたことを確保するために十分なものであり、かつ、その内容が確実に実施されると見込まれるものであると認め、本日、同法第48条の7第3項の規定に基づき、当該確約計画を認定した(注1)(注2)
 なお、本認定は、公正取引委員会が、ロピアの後記3の行為が独占禁止法の規定に違反することを認定したものではない。

(注1)確約計画の認定は、確約手続に係る通知を受けた事業者から申請された確約計画を公正取引委員会が認定するという、独占禁止法に基づく行政処分である。

(注2)公正取引委員会は、認定した確約計画に従って確約計画が実施されていないなどの場合には、独占禁止法第48条の9第1項の規定により当該認定を取り消し、確約手続に係る通知を行う前の調査を再開することとなる。

1 申請者の概要

法人番号 1021001004499
名称 株式会社ロピア
所在地 川崎市幸区南幸町二丁目9番地
代表者 代表取締役 髙木 勇輔

2 ロピアと納入業者との取引等

⑴ ロピアは、北関東、南関東、中部、関西及び九州の各地区において「ロピア」及び「新鮮大売ユータカラヤ」と称する食品スーパーマーケットを運営し、食品等を販売している。

⑵ ロピアは、ここ数年、急激に売上高を伸ばしており、全国の食品スーパーマーケット市場において売上高が上位の事業者であった。また、全国の「ロピア」及び「新鮮大売ユータカラヤ」の店舗数は、令和4年8月末時点では69店舗であったが、令和7年6月末時点には121店舗まで増加していた。

⑶ 納入業者(注3)の中には、ロピアに対する取引依存度が大きい者、ロピアの店舗数の多さや新規開店が続いていること、ロピアが急激に売上高を伸ばしていること等から、自社の売上高の増加等が期待できるとしてロピアとの取引継続を強く望んでいると述べる者、他の事業者との取引開始や取引拡大によってはロピアとの取引と同等の売上高を確保することは困難であると述べる者などがいた。

(注3)「納入業者」とは、ロピアが運営する店舗で販売する商品について、ロピアとの間で、直接取引をしている事業者及び当該事業者を通じて取引をしている事業者のうち、ロピアと継続的な取引関係にあるものをいう。

    なお、「納入業者」のうち、直接取引をしている事業者を通じて取引をしている事業者を、以下「間接納入業者」という。

3 違反被疑行為の概要

 ロピアは、遅くとも令和4年9月頃から令和7年6月頃までの間、納入業者に対して、新規開店、改装開店又は棚替えに際し、これらを実施する店舗において、納入業者が納入する商品以外の商品を含む当該店舗の商品の陳列及び品出しの作業を行わせるため、あらかじめ当該納入業者との間でその従業員等の派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を自社が負担することなく、当該納入業者の従業員等を派遣させていた。

4 確約計画の概要

⑴ 次の事項を取締役会で決議すること。

ア 前記3の行為を取りやめていることを確認すること。

イ 前記3の行為と同様の行為を行わないこと。

⑵ 前記⑴に基づいて採った措置を、納入業者(間接納入業者のうち、後記⑶の措置の対象でないものを除く。)に通知し、かつ、自社の従業員に周知徹底すること。

⑶ 前記3の行為に関する納入業者における金銭的価値を回復すること。

⑷ 前記3の行為と同様の行為を行わないこと。

⑸ 次の事項を行うために必要な措置を講じること。

ア 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成並びに役員及び従業員に対する周知徹底

イ 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての役員及び従業員に対する定期的な研修並びに内部監査担当者による定期的な監査

ウ 代表取締役による独占禁止法違反を許容しない旨の明確な社内向けメッセージの発信

⑹ 前記⑴から⑸までの措置の履行についての監視を、第三者(公正取引委員会が承認した者に限る。)に委託すること。

⑺ 前記⑴、⑵、⑶及び⑸の措置の履行状況について、公正取引委員会に対し、前記⑹で委託した第三者に報告させること。

⑻ 前記⑷の措置並びに⑸イの研修及び監査の履行状況について、今後5年間、毎年1回、公正取引委員会に対し、前記⑹で委託した第三者に報告させること。

5 確約計画の認定

 公正取引委員会は、次のとおり、前記4の確約計画が独占禁止法に規定する認定要件のいずれにも適合すると認め、当該確約計画を認定した。
 なお、当該確約計画のうち前記4⑶の措置が実施されることにより回復される金銭的価値は、現時点において、納入業者のうち約400社に対し、総額約4億3300万円と見込まれる。

⑴ 措置内容の十分性

ア 前記4の確約計画に記載の措置の内容は、過去の排除措置命令で独占禁止法第19条(同法第2条第9項第5号(優越的地位の濫用))の規定に違反すると認定された事案における排除措置の内容を全て含んでいる。

イ また、前記4⑶の金銭的価値の回復措置は、納入業者にとっては違反被疑行為により被った不利益に係る被害救済の効果があるものであるとともに、違反被疑行為の再発防止につながるものである。

ウ 以上を踏まえれば、本件においては、前記4の確約計画に記載の措置の内容は、措置内容の十分性を満たすと判断した。

⑵ 措置実施の確実性
 ロピアは、前記4の確約計画において、独占禁止法のコンプライアンス体制の整備を措置に含めていること、措置の履行についての監視を第三者(公正取引委員会が承認した者)に委託し、措置の履行状況に関する公正取引委員会に対する報告を当該第三者に行わせるとしていること、また、措置の内容ごとに実施期限を設けていることから、前記4の確約計画は確実に実施されると判断した。

関連ファイル

(印刷用)(令和7年12月25日)株式会社ロピアから申請があった確約計画の認定についてpdfダウンロード(51KB)

(令和7年12月25日)本件の概要pdfダウンロード(406KB)

(令和7年12月25日)参考1-2(過去の事例及び参照条文)pdfダウンロード(123KB)

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局審査局第三審査上席
電話 03-3581-3398(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

ページトップへ