令和7年11月13日
公正取引委員会
中 小 企 業 庁
公正取引委員会は、株式会社日幸電機製作所(以下「日幸電機製作所」という。)に対して調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する事実が認められたので、本日、下請法第7条第3項の規定に基づき、日幸電機製作所に対して勧告を行った。
本件は、中小企業庁が日幸電機製作所に対して調査を行い、令和7年9月29日に、中小企業庁長官が下請法第6条の規定に基づき公正取引委員会に対して措置請求(注)を行った事案である。
(注)中小企業庁長官が、下請法第4条に違反する事実があるかどうかを調査し、その事実があると認めるときに、公正取引委員会に対し、下請法の規定に従い適当な措置を採るべきことを求めること。
1 違反行為者の概要
| 法 人 番 号 | 2010901009228 |
| 名 称 | 株式会社日幸電機製作所 |
| 本店所在地 | 東京都世田谷区等々力七丁目4番9号 |
| 代 表 者 | 代表取締役 大條 雅也 |
| 事業の概要 | 配線用遮断器等の製造販売 |
| 資 本 金 | 1億円 |
2 違反事実の概要
⑴ 日幸電機製作所は、個人又は資本金の額が1000万円以下の法人たる事業者に対し、自社が販売する配線用遮断器等の部品(以下「本件製品」という。)の製造を委託している(以下この受託事業者を「下請事業者」という。)。
⑵ 日幸電機製作所は、下請事業者に対して自社が所有する金型及び木型(以下「金型等」という。)を貸与していたところ、遅くとも令和5年10月1日から令和7年7月20日までの間、当該金型等を用いて製造する本件製品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者に対し、合計625個の金型等を自己のために無償で保管させることにより、下請事業者の利益を不当に害していた(下請事業者20名)。
⑶ 日幸電機製作所は、令和6年10月28日から令和7年7月20日までの間に、前記625個の金型等を全て回収している(下請事業者20名)。
⑷ 日幸電機製作所は、下請事業者に対し、協議を行った上で、令和7年7月20日までに、無償で金型等を保管させていたことによる費用に相当する額として、総額423万8300円を支払っている。
3 勧告の概要
⑴ 日幸電機製作所は、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
ア 前記2⑵の行為が下請法第4条第2項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反するものであること
イ 今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害さないこと
⑵ 日幸電機製作所は、今後、下請法第4条第2項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する行為を行うことがないよう、自社の発注担当者に対して金型等の適切な管理に特に留意した下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
⑶ 日幸電機製作所は、次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
ア 前記2⑷の対応を採ったこと
イ 前記⑴及び⑵に基づいて採った措置
⑷ 日幸電機製作所は、次の事項を取引先下請事業者に通知すること。
ア 前記2⑷の対応を採ったこと
イ 前記⑴から⑶までに基づいて採った措置
⑸ 日幸電機製作所は、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
関連ファイル
(令和7年11月13日)株式会社日幸電機製作所に対する勧告について
(654 KB)
(令和7年11月13日)公正取引委員会と中小企業庁は、型の無償保管について、監視を強化しています——
(446 KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部下請取引調査室
電話 03-3581-3374(直通)〔勧告について〕
中小企業庁事業環境部取引課
電話 03-3501-1732(直通)〔措置請求について〕
ホームページ https://www.jftc.go.jp/