ホーム >報道発表・広報活動 >報道発表資料 >最近の報道発表資料(令和8年) >6月 >

(令和8年6月22日)令和7年度公正取引委員会年次報告について

(令和8年6月22日)令和7年度公正取引委員会年次報告について

令和8年6月22日
公正取引委員会

 公正取引委員会は、独占禁止法第44条第1項の規定に基づき、内閣総理大臣を経由して、国会に対し、毎年、独占禁止法等の所管法令の施行の状況を報告しているところ、本日、令和7年度公正取引委員会年次報告書を国会に提出した。その要旨は以下のとおりである。

1  独占禁止法制等の動き

⑴ 下請法の改正等

 近年の急激な労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を受け、発注者・受注者の対等な関係に基づき、事業者間における価格転嫁及び取引の適正化を図るため、下請法において協議に応じない一方的な代金決定の禁止、手形による代金の支払等の禁止、規制の対象となる取引への特定運送委託の追加等の措置を講ずること等を内容とする「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案」が、令和7年3月11日、第217回通常国会に提出された。同法律案は同年4月24日に衆議院において、同年5月16日に参議院においてそれぞれ可決されて成立し、同月23日に公布され(令和7年法律第41号)、令和8年1月1日に施行された。下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律(以下「下請法等改正法」という。)の施行に伴い、「下請代金支払遅延等防止法」から「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に法律の題名が改められた。

  公正取引委員会は、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第四条の明示に関する規則」(令和7年公正取引委員会規則第8号)、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第六条第一項及び第二項の率を定める規則」(令和7年公正取引委員会規則第9号)及び「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律第七条の書類等の作成及び保存に関する規則」(令和7年公正取引委員会規則第10号)を制定する(令和7年10月1日)など下請法等改正法の施行に伴い必要となる関係規則等の整備を行った。 

⑵ スマホソフトウェア競争促進法の施行等

 令和6年6月12日、第213回通常国会において可決・成立し、同月19日に公布されたスマホソフトウェア競争促進法は、令和7年12月18日に全面施行された。

 スマホソフトウェア競争促進法の全面施行に伴い、「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律第三条第一項の事業の規模を定める政令」等について所要の改正が行われた(令和7年政令第279号。令和7年8月1日公布、同年12月18日施行)。

 また、公正取引委員会は、「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律施行規則」及び「公正取引委員会の意見聴取に関する規則」について所要の改正を行った(令和7年公正取引委員会規則第6号及び令和7年公正取引委員会規則第7号。いずれも令和7年8月20日公布、同年12月18日施行)。 

2  厳正・的確な法運用

⑴ 独占禁止法違反行為の積極的排除

 公正取引委員会は、迅速かつ実効性のある事件審査を行うとの基本方針の下、国民生活に影響の大きい価格カルテル、入札談合及び受注調整、中小事業者等に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用及び不当廉売など、社会的ニーズに的確に対応した多様な事件に厳正かつ積極的に対処することとしている。

 独占禁止法違反被疑事件として令和7年度に審査を行った事件は97件である。そのうち同年度内に審査を完了したものは85件であった。

 令和7年度においては、排除措置命令11件及び確約計画の認定4件の計15件の法的措置を行った。これを行為類型別にみると、価格カルテル7件、入札談合2件、不公正な取引方法6件となっている(第1図参照)。また、延べ36名に対し総額95億5373万円の課徴金納付命令を行った(当該総額の算定に当たり、課徴金納付命令後に刑事事件裁判が確定した1名の事業者の課徴金の額については、独占禁止法第63条第1項の規定に基づく変更後の課徴金の額を用いている。表参照)

 なお、令和7年度においては、課徴金減免制度に基づき事業者が自らの違反行為に係る事実の報告等を行った件数は182件であった。

<令和7年度における排除措置命令事件>

価格カルテル

○ ごま油の製造販売業者に対する件(3件)
○ 食品ごまの製造販売業者に対する件
○ 特装車製品の製造販売業者に対する件
○ トレーラの製造販売業者に対する件
○ 長野県石油商業組合北信支部に対する件

入札談合

○ (公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が発注する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関するテストイベント計画立案等業務等の入札参加等業者に対する件
○ 地方公共団体等が発注する東海旅客鉄道㈱が管理する線路の跨線橋点検業務における入札等の参加業者らに対する件

優越的地位の濫用

○ ハーレーダビッドソンジャパン㈱に対する件

拘束条件付取引

○ Google LLCに対する件

<令和7年度における確約計画の認定事案>

優越的地位の濫用

○ ㈱ニシムタに対する件
○ ㈱ロピアに対する件

再販売価格の拘束

○ ㈱ダンロップタイヤに対する件

拘束条件付取引

○ ビザ・ワールドワイド・ピーティーイー・リミテッドに対する件

 加えて、令和7年度においては、警告を行った事案が9件、注意・公表を行った事案が4件あった。

<令和7年度における警告事案>
○ トヨタモビリティ東京㈱に対する件
○ ホテルの運営事業者に対する件
○ (一社)日本野球機構に対する件
○ 新明電材㈱に対する件
○ 長野県石油商業組合北信支部の非支部員に対する件
○ 村上商事㈱に対する件
○ ㈱デリシアに対する件
○ ㈱かましんに対する件
○ ㈱ザグザグに対する件   


<令和7年度における注意・公表事案>
○ ライバー事務所を運営する事業者に対する件(4件)


(前記ウ及びエの事案の処理の類型別件数について第2図参照)

第1図 法的措置(注1)件数等の推移

第1図

(注1)法的措置とは、排除措置命令、課徴金納付命令及び確約計画の認定のことである。一つの事件について、排除措置命令と課徴金納付命令が共に行われている場合には、法的措置件数を1件としている。
(注2)私的独占と不公正な取引方法のいずれも関係法条となっている事件は、私的独占に分類している。
(注3)「その他のカルテル」とは、数量、販路、顧客移動禁止、設備制限等のカルテルである。

 

第2図 排除措置命令・確約計画の認定・警告等の件数の推移

第2図

(注4)事案の概要を公表したものに限る。 

表 課徴金額等の推移

表

(注5)課徴金額(総額)については、千万円未満切捨て。令和7年度の課徴金額の算定に当たり、課徴金納付命令後に刑事事件裁判が確定した1名の事業者の課徴金の額については、独占禁止法第63条第1項の規定に基づく変更後の課徴金の額を用いている。

 このほか、違反につながるおそれのある行為に対する注意57件(前記エの注意・公表を行った4件を含み、不当廉売事案について迅速処理による注意を行った159件は 除く。)を行うなど、適切かつ迅速な法運用に努めた。

 公正取引委員会は、違反行為者に対する措置に併せて、競争政策上必要な措置を講ずべきと判断した事項について、発注機関や関連団体等に要請等を行っている。
 令和7年度においては、トヨタ自動車㈱及び一般社団法人日本自動車販売協会連合会、一般社団法人日本ホテル協会及び一般社団法人全日本ホテル連盟並びに長野県石油商業組合に対して要請等を行った。

⑵ 公正な取引慣行の推進

ア 優越的地位の濫用に対する取組

 公正取引委員会は、独占禁止法上の不公正な取引方法に該当する優越的地位の濫用行為が行われないよう監視を行うとともに、独占禁止法に違反する行為には厳正に対処している。また、優越的地位の濫用行為に係る調査を効率的かつ効果的に行い、必要な是正措置を講じていくことを目的とした「優越的地位濫用事件タスクフォース」を設置し、調査を行っている。
 令和7年度においては、優越的地位濫用事件タスクフォースで得た端緒を基に、優越的地位の濫用に係る事件審査を行い、1件の排除措置命令及び課徴金納付命令、2 件の確約計画の認定、4件の警告を行ったほか、27件の注意を行った。

イ 不当廉売に対する取組

 公正取引委員会は、小売業における不当廉売について、迅速に処理を行うとともに、大規模な事業者による不当廉売事案又は繰り返し行われている不当廉売事案であって、周辺の販売業者に対する影響が大きいと考えられるものについて、周辺の販売業者の事業活動への影響等を個別に調査し、問題がみられた事案については、法的措置を採るなど厳正に対処している。
 令和7年度においては、石油製品の小売業に係る不当廉売の事件審査を行い、1件の警告を行ったほか、酒類、石油製品等の小売業に係る不当廉売の迅速処理を行い、 159件(酒類7件、石油製品124件、その他28件)の注意を行った。

ウ 取適法違反行為の積極的排除等

(ア)公正取引委員会は、中小事業者を取り巻く環境が依然として厳しい状況において、 中小事業者の自主的な事業活動が阻害されることのないよう、取適法の迅速かつ効果的な運用により、取引の適正化及び中小受託事業者の利益の保護に努めている。
 中小受託取引においては、委託事業者の取適法違反行為により中小受託事業者が不利益を受けている場合であっても、その取引の性格から、中小受託事業者からの自発的な情報提供が期待しにくいという実態にあるため、公正取引委員会は、中小企業庁と協力し、委託事業者及びこれらと取引している中小受託事業者を対象として定期的な調査を実施するなど、取適法違反行為の発見に努めている。

 令和7年度においては、委託事業者6万5000名及びその中小受託事業者30万名を対象に定期調査を行った。定期調査の結果や中小企業庁長官からの措置請求等を踏まえ、取適法に基づき39件の勧告を行うとともに、8,261件の指導を行った(第3 図参照)

<令和7年度における勧告事件>

○ ㈱スズキ自販大分に対する件(自動車販売業における不当な経済上の利益提供要請事件)
○ 日精樹脂工業㈱に対する件(射出成形機等の製造販売業における不当な給付内容の変更事件)
○ 不二サッシ㈱に対する件(アルミサッシ等の製造販売業における返品事件)
○ ㈱ヨドバシカメラに対する件(家庭用電気製品等の販売業における減額事件)
○ トヨタ自動車東日本㈱に対する件(自動車等の製造販売業における不当な経済上の利益提供要請事件)
○ ㈱スニックに対する件(自動車用部品等の製造業における買いたたき事件)
○ センコー㈱に対する件(貨物運送業における不当な経済上の利益提供要請事件)
○ 東芝産業機器システム㈱に対する件(電動機、変圧器等の製造販売業における不当な経済上の利益提供要請事件)

第3図 取適法の事件処理件数の推移

第3図①

(注)自発的な申出事案については後記(ウ)参照。

 

第3図②

(イ)令和7年度においては、中小受託事業者が被った不利益について、委託事業者177名から中小受託事業者5,165名に対し、製造委託等代金の減額分の返還等、総額25億5698万円相当の原状回復が行われた(第4図参照)

第4図 原状回復の状況

第4図

(ウ) 公正取引委員会は、委託事業者の自発的な改善措置が中小受託事業者の受けた不利益の早期回復に資することに鑑み、当委員会が調査に着手する前に、違反行為を自発的に申し出、かつ、自発的な改善措置を採っているなどの事由が認められる事案については、委託事業者の法令遵守を促す観点から、中小受託事業者の利益を保護するために必要な措置を採ることを勧告するまでの必要はないものとして取り扱うこととし、この旨を公表している(平成20年12月17日公表)
 令和7年度においては、前記のような委託事業者からの違反行為の自発的な申出は53件であった。また、同年度に処理した自発的な申出は49件であった。

エ 適切な価格転嫁の実現に向けた取組

(ア) 令和7年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査の実施
 公正取引委員会は、令和6年度に実施した「令和6年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」の結果等を踏まえ、令和7年度においては、令和5年11月29日に内閣官房と公正取引委員会の連名で策定・公表した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」に基づく発注者・受注者の行動をフォローアップすることにより、労務費の転嫁円滑化の進捗状況を把握するとともに、当委員会のウェブサイトに掲載している「よくある質問コーナー(独占禁止法)」のQ&Aに該当する行為が疑われる事案に関する実態等を把握するため、12万名を超える事業者に対して「令和7年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」を実施し、令和7年12月15日に結果を取りまとめ、公表した。
(イ) 企業取引研究会等
 公正取引委員会は、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁の環境整備や支払条件の適正化、物流に関する商慣習の問題に対する更なる対応といった課題に対応し、取引環境を整備する観点から、優越的地位の濫用規制の在り方を中心に検討することを目的として、中小企業庁と共催の「企業取引研究会」を令和7年7月30日から再度開催した。

 公正取引委員会は、企業取引研究会における議論を踏まえて、「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」改正案、「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」案、「『製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法』の運用基準」案及び「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」改定案を作成し、令和8年3月12日から意見募集を開始した。

 また、令和7年8月4日からは、企業取引研究会の下で、中小企業庁及び特許庁と共催で知的財産取引適正化ワーキンググループを開催しており、同ワーキンググループにおける議論を取りまとめた「知的財産取引適正化ワーキンググループ報告書」を令和8年3月11日に公表したほか、同ワーキンググループでの議論及び公正取引委員会が実施した知的財産権・ノウハウ・データを対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査の結果を踏まえて、中小企業庁及び特許庁と連名で「知的財産権・ノウハウ・データの適切な取引のための優越的地位の濫用等に関する指針」案等を作成し、令和8年3月30日から意見募集を開始した。

オ フリーランス・事業者間取引適正化等法に関する取組

 公正取引委員会は、中小企業庁及び厚生労働省と協力し、業務委託事業者を対象として「フリーランスとの取引に関する調査」を実施するなどフリーランス・事業者間取引適正化等法違反行為の発見に努めている。

 調査の結果、違反行為等が認められた業務委託事業者に対しては、迅速かつ適切に対処することとしており、令和7年度においては、フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づき10件の勧告を行うとともに、1,542件の指導を行った。

<令和7年度における主な勧告事件

○ ㈱小学館に対する件(出版業を営む事業者における取引条件の明示義務及び期日における報酬支払義務違反事件)
○ 島村楽器㈱に対する件(音楽教室を運営する事業者における取引条件の明示義務及び期日における報酬支払義務違反並びに不当な経済上の利益の提供要請事件)
○ ㈱ZWEIに対する件(婚活サービスを提供する事業者における取引条件の明示義務違反事件)
○ ㈱京都放送に対する件(テレビジョン放送業等を営む事業者における取引条件の明示義務及び期日における報酬支払義務違反並びに報酬の減額事件)  


⑶ 企業結合審査の充実

 独占禁止法は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる会社の株式取得・所有、合併等を禁止している。公正取引委員会は、我が国における競争的な市場構造が確保されるよう、迅速かつ的確な企業結合審査に努めている。また、個別事案の審査に当たっては、経済分析を積極的に活用している。
 令和7年度においては、独占禁止法第9条から第16条までの規定に基づく企業結合審査に関する業務として、銀行又は保険会社の議決権取得・保有について22件の認可を行い、持株会社等について125件の報告、会社の株式取得・合併・分割・共同株式移転・事業譲受け等について458件の届出をそれぞれ受理し、必要な審査を行った。
 また、公正取引委員会は、令和7年4月30日にイオン㈱及び㈱ツルハホールディングスの経営統合に関する審査結果について、同年5月28日に塩野義製薬㈱による鳥居薬品㈱等の医薬事業の統合に関する審査結果について、同年8月29日にDCMホールディングス㈱による㈱エンチョーの株式取得に関する審査結果について、同年11月18日に今治造船㈱によるジャパンマリンユナイテッド㈱の株式取得に関する審査結果について、令和8年2月26日にトヨタ自動車㈱及びダイムラー・トラック・アーゲーによる日野自動車 ㈱及び三菱ふそうトラック・バス㈱の経営統合に関する審査結果について、それぞれ公表した。

3  競争環境の整備

⑴ 「イノベーションの促進に向けた競争政策の積極的展開」の公表

 公正取引委員会は、令和8年1月28日に、当委員会における競争政策の運営方針を明らかにした「イノベーションの促進に向けた競争政策の積極的展開~変化の時代における公正取引委員会の役割~」と題するステートメントを公表した。このステートメントにおいて、当委員会は、取引適正化による「公正な取引環境の確保」、ステークホルダー等との対話を通じた「市場環境の整備」及び違反行為に対する「厳正な法執行」という三つの柱の下で、特にイノベーションを促進することを目指して競争政策を積極的に展開していくこととしている。

⑵ ガイドラインの策定等

 公正取引委員会は、事業者及び事業者団体による独占禁止法等に違反する行為の未然防止とそれらの適切な活動に役立てるため、事業者及び事業者団体の活動の中でどのような行為が実際に独占禁止法等に違反するのかを具体的に示したガイドラインを策定するなどしている。

令和7年度における主なガイドラインの策定等

○ 「実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針」の策定
○ 「経済安全保障に関連した事業者の取組における独占禁止法上の基本的な考え方」及び「経済安全保障と独占禁止法に関する事例集」の公表
○ 「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の改正

⑶ 実態調査

 公正取引委員会は、様々な実態調査を積極的に行っており、実態調査において把握した事実等に基づき、独占禁止法等の法律上又は競争政策上の問題点や論点を指摘して、事業者や事業者団体による取引慣行の自主的な改善を促すことや、制度所管省庁による規制や制度の見直し等を提言することを通じ、競争環境の整備を図っている。

令和7年度における主な実態調査

○ タクシー等配車アプリに関する実態調査
○ 電力分野における実態調査(発電・小売分野)
○ フードサプライチェーンにおける商慣行に関する実態調査
○  生成AIに関する実態調査報告書ver.1.0
○ 学習eポータルの選定(更改)及び学習リソースの選定並びに民間学習eポータル提供事業者と学習リソース提供事業者との取引に関する現時点における独占禁止法・競争政策上の考え方
○ 知的財産権・ノウハウ・データを対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査
○ 映画・アニメの制作現場におけるクリエイターの取引環境に係る実態調査  

⑷ 入札談合の防止への取組

 公正取引委員会は、入札談合の防止を徹底するためには発注者側の取組が極めて重要であるとの観点から、地方公共団体等の調達担当者等に対する独占禁止法や入札談合等関与行為防止法の研修会を開催するとともに、国、地方公共団体等が実施する調達担当者等に対する同様の研修会への講師の派遣及び資料の提供等の協力を行っている。
 令和7年度においては、研修会を全国で36回開催するとともに、国、地方公共団体等に対して256件の講師の派遣を行った。

⑸ 独占禁止法コンプライアンスの向上に向けた取組

 公正取引委員会は、これまで、独占禁止法コンプライアンスに関して様々な実態調査や「実効的な独占禁止法コンプライアンスプログラムの整備・運用のためのガイド」(令和5年12月公表)の周知・啓発に取り組んできた。
 他方で、近年においても、独占禁止法違反行為を行った企業等に対する排除措置命令において、コンプライアンス体制の構築を含む再発防止策の実行が命じられるなど、独占禁止法コンプライアンスが実効的に機能していないことが疑われる事案が引き続き発生している。また、アルゴリズムやAI、労務費等の転嫁、私的独占や不公正な取引方法に係る対応も重要性を増してきている。このような状況を踏まえ、公正取引委員会は、 上場企業を対象として独占禁止法コンプライアンスに関する実態調査を実施し、令和7年6月、その調査結果を取りまとめ公表するとともに、本実態調査の結果を踏まえ、前記ガイドの改訂を実施した。

⑹ 相談対応

 公正取引委員会は、事業者、事業者団体、一般消費者等から寄せられる独占禁止法及び関係法令に関する質問に対して、文書又は口頭により回答している。
 

4 競争政策の運営基盤の強化

⑴ 競争政策に関する理論的・実証的な基盤の整備

 競争政策研究センターは、平成15年6月の発足以降、独占禁止法等の執行並びに競争政策の企画・立案及び評価を行う上での理論的・実証的な基礎を強化するための活動を展開している。
 令和7年度においては、シンポジウムを2回開催したほか、公開セミナーを1回開催した。

⑵ 競争政策・法執行における経済分析の活用

 公正取引委員会は、独占禁止法違反被疑事件審査、企業結合審査、各種実態調査等において、経済分析の活用を図っている。

 令和7年度に結果を公表した独占禁止法違反被疑事件審査、企業結合審査、各種実態調査等のうち、経済分析を活用し、かつ、その内容を公表したものは、次のとおりである。

企業結合審査

○ イオン㈱及び㈱ツルハホールディングスの経営統合に関する審査結果について


<各種実態調査>
○ 企業における独占禁止法コンプライアンスプログラムの整備・運用状況に関する実態調査及び実効的な独占禁止法コンプライアンスプログラムの整備・運用のためのガイドの改訂について

⑶ 国際的な連携の強化

ア 競争当局間における連携強化

 公正取引委員会は、二国間独占禁止協力協定等に基づき、関係国の競争当局に対し、執行活動等に関する通報を行うなど、外国の競争当局との間で緊密な協力を行っている。また、我が国と経済的交流が特に活発な国・地域の競争当局との間で競争政策に関する協議を行っている。

イ 経済連携協定等への取組

 公正取引委員会は、経済連携協定等が市場における競争を一層促進するものとなることが重要であるという観点から、我が国の経済連携協定等の締結に関する取組に参画している。令和7年度においては、日・バングラデシュ経済連携協定、日・GCC経済連携協定及び日・UAE経済連携協定の締結交渉等に参加した。

ウ 多国間会議への参加

 国際競争ネットワーク(ICN)においては、その設立以来、公正取引委員会委員長が、ICNの活動全体を管理する運営委員会のメンバーを務めている。また、公正取引委員会は、令和5年10 月からはアドボカシー作業部会の共同議長代行を務めた後、令和6年5月からは同作業部会の共同議長を務めている。
 令和7年度においては、公正取引委員会が主導する「競争当局と規制当局との相互作用プロジェクト」に係る報告書を作成し、第24回年次総会において紹介するとともに、オンラインセミナーを主催した。
 また、経済協力開発機構(OECD)に設けられている競争委員会の各会合に、公正取引委員会委員が参加した。
 さらに、公正取引委員会委員長は、令和7年10月、カナダ・オタワにおいて、G7の競争当局及び政策立案部局のトップ等が出席するG7競争サミットに出席した。同サミットでは、競争当局によるセッションや、政策立案部局によるセッションがそれぞれ開催されたほか、競争当局及び政策立案部局による合同セッションが開催され、デジタル分野における競争上の問題、特にアルゴリズムによる価格設定について議論が行われた。G7競争サミットの開催に当たり、G7の競争当局は共同で、「デジタル市場における競争を促進するための各当局の取組の要約」(Compendium)を更新し、公表した。
 このほか、公正取引委員会の委員長・委員は、東アジア競争政策トップ会合にも積極的に参加した。

エ 技術支援

 公正取引委員会は、東アジア地域等の開発途上国の競争当局等に対し、当委員会事務総局の職員の派遣や研修の実施等の競争法・政策分野における技術支援活動を行っている。
 令和7年度においては、独立行政法人国際協力機構(JICA)の枠組みを通じて、タイ、フィジー及びスリランカに対して技術支援を行ったほか、競争法制を導入しようとする国や既存の競争法制の強化を図ろうとする国の競争当局の職員等に対し、競争法・政策に関する研修を実施した。

⑷ 競争政策の普及啓発に関する広報・広聴活動

 競争政策に関する意見、要望等を聴取して施策の実施の参考とし、併せて競争政策への理解の促進に資するため、独占禁止政策協力委員から意見聴取を行った。
 また、経済社会の変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため、公正取引委員会が広く各界の有識者と意見を交換し、併せて競争政策の一層の理解を求めることを目的として、独占禁止懇話会を開催しているところ、令和7年度においては、同懇話会を3回開催した。
 さらに、経済団体や消費者団体等との意見交換会、公正取引委員会の委員等と各地の有識者との懇談会(全国8都市)、当委員会の地方事務所長等と各地区の有識者との懇談会(全国各地区)及び弁護士会等との懇談会(全国各地区)をそれぞれ開催した。また、現場の事業者の声に耳を傾ける広聴という観点から、公正取引委員会の委員等が事業者の工場等を訪問し懇談する取組を行った。
 前記以外の活動として、本局及び地方事務所等の所在地以外の都市における独占禁止法等の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため、「一日公正取引委員会」を開催するとともに、一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動を紹介する「消費者セミナー」を開催した。
 加えて、中学校、高等学校及び大学(大学院等を含む。)に職員を講師として派遣し、経済活動における競争の役割等について授業を行う独占禁止法教室(出前授業)の開催など、学校教育等を通じた競争政策の普及啓発に努めた。

<令和7年度における主な取組>(注)

○ 独占禁止政策協力委員に対する意見聴取の実施(146件)
○ 独占禁止懇話会の開催(3回)
○ 経済団体との意見交換会の実施(2回)
○ 消費者団体との意見交換会の実施(10団体)
○ 地方有識者との懇談会の開催(札幌市、山形市、長野市、富山市、福井市、松江市、高松市及び大分市)
○ その他の地方有識者との懇談会の開催(92回)
○ 弁護士会との懇談会の開催(15回)
○ 事業者の工場等への訪問及び懇談会(18回)
○ 一日公正取引委員会の開催(北海道苫小牧市、山形市、長野市、富山市、神戸市、岡山市、松山市及び大分市)
○ 消費者セミナーの開催(84回)
○ 独占禁止法教室の開催(中学生向け42回、高校生向け39回、大学生等向け123回)

(注)対面形式のほか、ウェブ会議等の非対面形式も活用してそれぞれ開催した。

関連ファイル

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。(印刷用)(令和7年6月22日)令和7年度公正取引委員会年次報告についてpdfダウンロード(261 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。令和7年度公正取引委員会年次報告pdfダウンロード(5,853 KB)

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

ページトップへ