平成27年12月22日
公正取引委員会
公正取引委員会は,株式会社アーネストワン(以下「アーネストワン」という。)に対し調査を行ってきたところ,消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(以下「消費税転嫁対策特別措置法」という。)第3条第1号後段(買いたたき)の規定に違反する行為が認められたので,本日,消費税転嫁対策特別措置法第6条第1項の規定に基づき,同社に対し勧告を行った。
1 違反行為者の概要
名 称 | 株式会社アーネストワン |
所 在 地 | 東京都西東京市北原町三丁目2番22号 |
代 表 者 | 代表取締役 松林 重行 |
事業の概要 | 戸建住宅の建設・販売等 |
資 本 金 | 42億6969万円 |
2 違反事実の概要
(1)ア アーネストワンは,戸建住宅の建設・販売等を営む事業者である。
イ アーネストワンは,戸建住宅の建設に伴う大工工事,仮設工事,基礎工事等(以下「建設工事」という。)について,個人又は資本金の額が3億円以下である事業者と請負契約を締結し,継続して建設工事を請け負わせている。
ウ アーネストワンは,建設工事の工事代金について,消費税を含む額として工事内容別の単価(以下「工事単価」という。)を定めている建設業者(以下「本件建設業者」という。)に対し,工事単価に一定期間の発注数量を乗じて建設工事の工事代金を算出し支払っている。
(2)ア アーネストワンは,平成25年10月1日から平成26年3月31日までの間に発注し,平成26年4月1日以後に引渡しを受けた建設工事の工事代金について,平成26年4月1日に引き上げられた消費税率が適用されるところ,本件建設業者のうち,一部のものに対し,消費税率の引上げ分を上乗せせずに支払った。
イ アーネストワンは,平成26年4月1日以後に発注した建設工事の工事代金について,本件建設業者のうち,一部のものに対し,同日以後も工事単価に消費税率の引上げ分を上乗せせず,同年3月31日までの工事単価と同額に定め,前記(1)ウの方法で算出した額を建設工事の工事代金として支払った。
(3) アーネストワンは,公正取引委員会が本件について調査を開始した後,前記(2)の建設工事の工事代金について,平成27年10月2日までに,消費税率の引上げ分に相当する額を上乗せした額まで引き上げることを前記(2)の建設業者との間で合意し,平成26年4月1日に遡って当該引上げ分相当額を前記(2)の建設業者に対して支払った。
3 勧告の概要
(1) アーネストワンは,今後,消費税の転嫁を拒むことのないよう,自社の役員及び従業員に本勧告の内容について周知徹底するとともに,消費税転嫁対策特別措置法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じること。
(2) アーネストワンは,前記(1)に基づいて採った措置について,特定供給事業者に通知すること。
(3) アーネストワンは,前記(1)及び(2)に基づいて採った措置について,速やかに公正取引委員会に報告すること。
関連ファイル
(印刷用)株式会社アーネストワンに対する勧告について(PDF:61KB)
(印刷用)(参考2・3)消費税転嫁対策特別措置法の概要・参照条文(PDF:75KB)
問い合わせ先
問い合わせ先 公正取引委員会事務総局取引部消費税転嫁対策調査室
電話 03-3581-3378(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/