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(平成27年11月11日)平成27年度上半期における下請法の運用状況等及び今後の取組

(平成27年11月11日)平成27年度上半期における下請法の運用状況等及び今後の取組

平成27年11月11日
公正取引委員会

第1 下請法の運用状況

1 下請法違反行為に対する勧告等

(1)平成27年度上半期(4月~9月)の勧告件数は2件(前年度上半期は6件)。全て製造委託に係るものであった。
  勧告の対象となった違反行為類型の内訳については,下請代金の減額が2件,返品が1件(注)。
(注) 1つの勧告事件において複数の違反行為類型について勧告を行っているものがあるため,違反行為類型の内訳の合計数と勧告件数とは一致しない。

(2)平成27年度上半期の指導件数は3,363件(前年度上半期は3,225件)。

指導件数の推移

2 下請事業者が被った不利益の原状回復の状況

 平成27年度上半期においては,下請事業者が被った不利益について,下請代金の減額分の返還等,総額11億1523万円分の原状回復が行われた(前年度上半期は4億9266万円分)。

原状回復額の推移

第2 企業間取引の公正化への取組

 公正取引委員会は,企業間取引の公正化を目的として,下請法及び優越的地位の濫用規制(以下「下請法等」という。)に係る違反行為を未然に防止するための各種の施策を実施している。平成27年度上半期の状況は次のとおりである。

1 下請法等に係る講習会

(1) 下請法基礎講習会

 下請法に関する基礎知識を習得することを希望する者を対象とした「下請法基礎講習会」を実施している。平成27年度上半期においては, 45回の講習会を実施した。

(2) 下請法応用講習会

 下請法に関する基礎知識を有する者を対象として,より具体的な事例研究を中心とする「下請法応用講習会」を実施している。平成27年度上半期においては,3回の講習会を実施した。

(3) 業種別講習会

 過去に下請法等に係る違反行為がみられた業種,各種の実態調査で問題がみられた業種等に一層の法令遵守を促すことを目的とする「業種別講習会」を実施している。平成27年度上半期においては,荷主・物流事業者向けに19回,テレビ局等向けに2回の講習会を実施した。

2 下請法等に係る相談

(1) 相談

 地方事務所等を含めた全国の相談窓口において,下請法等に係る相談を受け付けており,平成27年度上半期においては,下請法等に係る相談3,608件に対応した。

(2) 中小事業者のための移動相談会

 下請事業者を始めとする中小事業者からの求めに応じ,公正取引委員会の職員が出向いて,下請法等の内容を分かりやすく説明するとともに相談受付等を行う相談会を実施している。平成27年度上半期においては,34か所で実施した。

3 取引実態調査等

○ テレビ番組制作の取引に関する実態調査

 テレビ番組制作の取引について,テレビ局等(576名)及びテレビ番組制作会社(800名)を対象とする実態調査を実施し,その結果を公表した(平成27年7月29日)。
 調査結果によると,テレビ局等とテレビ番組制作の取引を行っていると回答したテレビ番組制作会社の39.4%において,テレビ局等から「採算確保が困難な取引(買いたたき)」等の不利益を受けたとの回答がみられ,中でも,「採算確保が困難な取引(買いたたき)」が20.2%と他の行為類型に比べ特に高くなっていたほか,「著作権の無償譲渡等」(12.8%)や「二次利用に伴う収益の不配分等」(10.1%)の著作権の取扱いについての行為が比較的高い割合となっていた。
 こうしたテレビ局等による不利益を受け入れたテレビ番組制作会社の全てが,「要請を断った場合に,今後の取引に影響があると自社が判断したため」又は「テレビ局等から今後の取引への影響を示唆されたため」を理由として回答しているように,テレビ番組制作会社は,テレビ局等との取引の継続への影響などを考慮して,やむを得ず不利益を受け入れているものであり,テレビ局等による優越的地位の濫用規制上問題となり得る行為が行われている実態がみられた。

第3 今後の取組

1 下請法違反行為に対する迅速かつ効果的な対処

 下請法違反被疑行為を行っている親事業者に対して積極的に調査を行い,重大な違反行為に対しては勧告を積極的に行うなど,下請法違反行為に対して迅速かつ効果的に対処していく。

2 下請法違反行為の未然防止

(1) 下請取引適正化推進月間の実施

 公正取引委員会は,中小企業庁と共同して,毎年11月を「下請取引適正化推進月間」と定め,下請法の概要等を説明する「下請取引適正化推進講習会」を全国各地で実施するなど,下請法の普及・啓発を図っている。平成27年度においても,一般公募を実施して,「押しつけず 叩かず 決めよう 適正価格」をキャンペーン標語として選定し,47都道府県61会場(うち公正取引委員会主催分26都道府県33会場)において講習会を実施することとしている。
 また,政府の動きや重要施策を動画で紹介する「政府インターネットテレビ」に,下請法の重要性などを紹介する番組「下請事業者の強い味方!知っておきたい『下請法』」を作成し,公開した。
 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg12516.html

(2) 下請法遵守の要請文書の発出

 特に年末にかけての金融繁忙期においては,下請事業者の資金繰り等について厳しさが増すことが懸念されることから,平成27年11月13日に,親事業者及び関係事業者団体に対し,下請法の遵守の徹底等について要請する文書の発出を予定している。

関連ファイル

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局取引部
下請取引調査室 電話03-3581-3374(直通)(第1関係)
企業取引課 電話03-3581-3373(直通)(第2及び第3関係)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/
(下請法に係る相談・申告等 http://www.jftc.go.jp/shitauke/madoguti.html

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