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(平成28年9月6日)東日本高速道路株式会社東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札参加業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

(平成28年9月6日)東日本高速道路株式会社東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札参加業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

平成28年9月6日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,東日本高速道路株式会社(以下「NEXCO東日本」という。)東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事(注1)の入札参加業者に対し,本日,独占禁止法の規定に基づき排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。
 本件は,東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札参加業者が,独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたものである。
(注1)「東日本大震災に係る舗装災害復旧工事」とは,NEXCO東日本東北支社が平成23年7月15日及び同年8月10日に入札公告をした,東日本大震災により被災した高速道路の舗装本復旧工事を内容とする舗装工事をいう。

1 違反事業者数,排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者数並びに課徴金額(違反事業者名,各違反事業者の課徴金額等については別表のとおり。)

違反事業者数

排除措置命令
対象事業者数

課徴金納付命令
対象事業者数

課徴金額

20社

20社 11社 14億951万円

2 違反行為の概要(詳細は別添排除措置命令書参照)

 別表記載の20社(以下「20社」という。)は,平成23年7月中旬頃以降(株式会社伊藤組,奥村組土木興業株式会社,大有建設株式会社,株式会社竹中道路,地崎道路株式会社及び東京鋪装工業株式会社にあっては,それぞれ,遅くとも同年8月下旬頃以降),東日本大震災に係る舗装災害復旧工事について,受注価格の低落防止等を図るため
(1)ア 受注すべき者(以下「受注予定者」という。)を決定する
  イ 受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する
旨の合意の下に
(2)ア 調整役(注2)が各社の受注希望を勘案するなどして,それぞれの工事の受注予定者を指定する
  イ 受注予定者として指定されていない工事についても競争参加資格確認申請(注3)を行う
  ウ 競争参加資格確認申請を行った場合は,いずれの工事について当該申請を行ったのかを直接又は常盤工業株式会社を通じて調整役に連絡する
  エ 受注予定者以外の者は,調整役又は受注予定者から連絡を受けた価格で入札する又は入札を辞退する
などにより,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の取引分野における競争を実質的に制限していた。
(注2)東北地区では,かねてから,NEXCO東日本東北支社等が発注する舗装工事について,調整役と呼ばれる舗装工事業者が他の舗装工事業者の受注希望を聴取するなどして受注に関する調整を行っていた。平成23年7月中旬頃から同年9月20日までの間において,調整役を担っていたのは,前田道路株式会社,株式会社NIPPO,日本道路株式会社及び世紀東急工業株式会社である。
(注3)「競争参加資格確認申請」とは,NEXCO東日本東北支社が発注する工事の入札手続に参加するために必要な資格の有無を確認する手続をいう。

3 排除措置命令の概要

(1) 20社は,それぞれ,次の事項を,取締役会において決議しなければならない。
  ア 前記2の行為を行っていないことを確認すること。
  イ 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,NEXCO東日本東北支社が発注する舗装工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと。
(2) 20社は,それぞれ,前記(1)に基づいて採った措置を,自社を除く19社及びNEXCO東日本東北支社に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3) 20社は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,NEXCO東日本東北支社が発注する舗装工事について,受注予定者を決定してはならない。
(4) 20社のうち常盤工業株式会社及び大有建設株式会社は,次のアからエまでの事項を行うために必要な措置を,前田道路株式会社,株式会社NIPPO,株式会社佐藤渡辺及び奥村組土木興業株式会社は,次のア,イ及びウの事項を行うために必要な措置を,株式会社伊藤組は,次のア,イ及びエの事項を行うために必要な措置を,日本道路株式会社,大成ロテック株式会社,大林道路株式会社,株式会社ガイアートT・K,東亜道路工業株式会社,三井住建道路株式会社,北川ヒューテック株式会社,鹿島道路株式会社,世紀東急工業株式会社,株式会社竹中道路,地崎道路株式会社,東京鋪装工業株式会社及び福田道路株式会社は,次のア及びイの事項を行うために必要な措置を,それぞれ,講じなければならない。
  ア 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の自社の従業員に対する周知徹底(株式会社佐藤渡辺,東亜道路工業株式会社,常盤工業株式会社,奥村組土木興業株式会社,大有建設株式会社,地崎道路株式会社及び福田道路株式会社にあっては当該行動指針の作成及び自社の従業員に対する周知徹底)
  イ 官公需の受注に関する独占禁止法の遵守についての,NEXCO東日本東北支社が発注する舗装工事の営業担当者に対する定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査
  ウ 独占禁止法違反行為に関与した従業員に対する処分に関する規程の作成又は改定
  エ 独占禁止法違反行為に係る通報又は調査への協力を行った者に対する適切な取扱いを定める規程の作成又は改定

4 課徴金納付命令の概要

(1) 課徴金納付命令の対象事業者は,平成29年4月7日までに,それぞれ別表の「課徴金額」欄記載の額(総額14億951万円)を支払わなければならない。
(2) 前田道路株式会社,株式会社NIPPO及び日本道路株式会社(以下「3社」という。)は,世紀東急工業株式会社と共同して,他の事業者に対し,取引の相手方及び前記2の違反行為の実行としての事業活動について指定していたものであり,この行為は独占禁止法第7条の2第8項第3号ロに該当するものであって,当該違反行為を容易にすべき重要なものであると認められた。このため,3社は同号に該当する者であることから,同項の規定に基づき,3社に対 して5割加算した算定率を適用している。
(3) 大成ロテック株式会社,株式会社佐藤渡辺,大林道路株式会社,株式会社ガイアートT・K,東亜道路工業株式会社,三井住建道路株式会社,常盤工業株式会社及び北川ヒューテック株式会社(以下「8社」という。)は,調査開始日の1月前の日までに前記2の違反行為をやめており,当該違反行為に係る実行期間が2年未満である。このため, 独占禁止法第7条の2第6項の規定に基づき,8社に対して2割減算した算定率を適用している。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局審査局第二審査
電話 03-3581-3384(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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