平成29年9月14日
公正取引委員会
公正取引委員会は,株式会社ニチイ学館(以下「ニチイ学館」という。)に対し調査を行ってきたところ,消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(以下「消費税転嫁対策特別措置法」という。)第3条第1号後段(買いたたき)の規定に違反する行為が認められたので,本日,消費税転嫁対策特別措置法第6条第1項の規定に基づき,同社に対し勧告を行った。
本件は,平成29年8月7日に,中小企業庁長官から消費税転嫁対策特別措置法第5条の規定に基づく措置請求を受けた事案である。
1 違反行為者の概要
法人番号 | 3010001025868 |
名 称 | 株式会社ニチイ学館 |
所在地 | 東京都千代田区神田駿河台二丁目9番地 |
代表者 | 代表取締役 寺田 明彦 |
事業の概要 | 医療事務,介護及び保育関連事業,教育講座の運営等 |
資本金 | 119億3379万円 |
2 違反事実の概要
(1)ア ニチイ学館は,医療事務,介護及び保育に係る事業のほか,教育講座の運営等の事業を営む事業者である。
イ ニチイ学館は,自らが運営する医療事務,介護及び保育に係る教育講座の受講者に対する教育指導業務(以下「教育指導業務」という。)について,個人である事業者(以下「本件委託講師」という。)と業務委託契約を締結し,本件委託講師に継続して委託している。ニチイ学館は,教育指導業務について,業務内容ごとの報酬単価(以下「報酬単価」という。)を消費税を含む額で定め,報酬単価に一定期間の指導時間数等を乗じて算出した額を委託料として本件委託講師に支払っている。
(2) ニチイ学館は,前記(1)イの報酬単価について,平成26年4月1日以後も消費税率引上げ分を上乗せせず,同年3月31日までの報酬単価と同額に定め,前記(1)イの方法で算出した額を教育指導業務の委託料として支払った。
(3) ニチイ学館は,中小企業庁が本件について調査を開始した後,前記(2)の教育指導業務の委託料について,平成29年4月27日までに,消費税率の引上げ分に相当する額を上乗せした額に定め,平成26年4月1日に遡って当該引上げ分相当額を本件委託講師に対して支払った。
3 勧告の概要
(1) ニチイ学館は,今後,消費税の転嫁を拒むことのないよう,自社の役員及び従業員に本勧告の内容について周知徹底するとともに,消費税転嫁対策特別措置法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じること。
(2) ニチイ学館は,前記(1)に基づいて採った措置について,特定供給事業者に通知すること。
(3) ニチイ学館は,前記(1)及び(2)に基づいて採った措置について,速やかに公正取引委員会に報告すること。
関連ファイル
(印刷用)(平成29年9月14日)株式会社ニチイ学館に対する勧告について(PDF:44KB)
(印刷用)(平成29年9月14日)(参考1)本件の概要(PDF:537KB)
(印刷用)(平成29年9月14日)(参考2・3)消費税転嫁対策特別措置法の概要・参照条文(PDF:126KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局取引部消費税転嫁対策調査室
電話 03-3581-3378(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/