平成30年4月26日
公正取引委員会
公正取引委員会は,マル厨工業株式会社(以下「マル厨工業」という。)に対し調査を行ってきたところ,下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する行為が認められたので,本日,下請法第7条第2項の規定に基づき,同社に対し勧告を行った。
1 違反行為者の概要
法 人 番 号 | 6010501013097 |
名 称 | マル厨工業株式会社 |
本店所在地 | 東京都台東区根岸二丁目19番18号 |
代 表 者 | 代表取締役 渡辺 恵一 |
事業の概要 | 業務用厨房機器の製造業 |
資 本 金 | 6000万円 |
2 違反事実の概要
(1) マル厨工業は,個人又は資本金の額が1000万円以下の法人たる事業者に,株式会社マルゼン(以下「マルゼン」という。)から製造を請け負う業務用厨房機器の部品等の製造を委託している(これらの事業者を以下「下請事業者」という。)。
(2) マル厨工業は,マルゼンが全額出資する同社の子会社であり,下請事業者に対する下請代金をマルゼンを通じて支払っている。
(3) マル厨工業は,次のアからエまでの行為により,下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに,下請代金の額を減じていた。減額した金額は,総額1680万6142円である(下請事業者20名)。
ア 平成28年11月から平成29年12月までの間,「事務手数料及び金利」(注1)を下請代金の額から差し引き又は支払わせていた。
イ 平成28年11月から平成29年12月までの間,「協賛割戻金」(注2)を下請代金の額から差し引いていた。
ウ 前記アの「事務手数料及び金利」をマルゼンの指定する金融機関口座に振り込ませる方法で支払わせた際に,振込手数料を支払わせていた。
エ 平成28年11月から平成30年2月までの間,下請代金を下請事業者の金融機関口座に振り込む際に,下請代金の額からマルゼンが実際に金融機関に支払う振込手数料を超える額を差し引いていた。
(注1)下請代金の支払方法について,手形払から現金払に変更したことに伴い徴収した金銭のこと。
(注2)自社の利益確保のために徴収した金銭のこと。
3 勧告の概要
(1) マル厨工業は,下請事業者に対し,前記2(3)の行為により減額した金額を速やかに支払うこと。
(2) マル厨工業は,次の事項を取締役会の決議により確認すること。
ア 前記2(3)の行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること。
イ 今後,下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに,下請代金の額を減じないこと。
(3) マル厨工業は,今後,下請法第4条第1項第3号の規定に違反する行為を行うことがないよう,自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じること。
(4) マル厨工業は,前記(1)から(3)までに基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
(5) マル厨工業は,前記(1)から(4)までに基づいて採った措置を取引先下請事業者に通知すること。
(6) マル厨工業は,前記(1)から(5)までに基づいて採った措置について,速やかに公正取引委員会に報告すること。
関連ファイル
(印刷用)(平成30年4月26日)マル厨工業株式会社に対する勧告について(PDF:286KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部下請取引調査室
電話 03-3581-3374(直通)
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