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(平成30年2月6日)株式会社山野楽器に対する勧告について

(平成30年2月6日)株式会社山野楽器に対する勧告について

平成30年2月6日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,株式会社山野楽器(以下「山野楽器」という。)に対し調査を行ってきたところ,消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(以下「消費税転嫁対策特別措置法」という。)第3条第1号後段(買いたたき)の規定に違反する行為が認められたので,本日,消費税転嫁対策特別措置法第6条第1項の規定に基づき,同社に対し勧告を行った。
 本件は,平成30年1月19日に,中小企業庁長官から消費税転嫁対策特別措置法第5条の規定に基づく措置請求を受けた事案である。

1 違反行為者の概要

法人番号 7010001059219
名  称 株式会社山野楽器
所在地 東京都中央区銀座四丁目5番6号
代表者 代表取締役 山野 政彦
事業の概要 楽器等の小売及び卸売,音楽教室の運営等
資本金 1億円

2 違反事実の概要

(1)ア 山野楽器は,音楽・映像ソフト,楽器等の小売業を営む事業者であって,前事業年度における売上高が100億円以上の大規模小売事業者である。 
また,山野楽器は,音楽教室の運営等の事業を営む事業者である。
 イ 山野楽器は,自らが企画運営する音楽教室の生徒に対する楽器の演奏等の指導業務(以下「音楽講師業務」という。)を継続して他の事業者(以下「本件委託講師」という。)に委託している。
 山野楽器は,指導内容ごとの報酬単価(以下「報酬単価」という。)を消費税を含む額で定め,報酬単価に一定期間の指導生徒数又は委託回数を乗じて算出した額を,本件委託講師に対し,委託料として支払っている。
 ウ 山野楽器は,自社が販売する楽器を顧客が選定するための助言等を行う業務(以下「楽器紹介販売業務」という。)を継続して他の事業者(以下「本件楽器紹介販売者」という。)に委託している。
山野楽器は,①楽器の販売金額の本体価格に応じて定めた額又は②当該販売金額に一定率を乗じた額を,本件楽器紹介販売者に消費税を含む手数料(以下「選定手数料」という。)として支払っている。
(2)ア 山野楽器は,前記(1)イの報酬単価に平成26年4月1日以後の消費税率引上げ分を上乗せせず,同年3月31日までの報酬単価と同額に定め,前記(1)イの方法で算出した額を音楽講師業務の委託料として支払った。
 イ 山野楽器は,前記(1)ウの選定手数料に平成26年4月1日以後の消費税率引上げ分を上乗せせず,同年3月31日までと同額に定め,楽器紹介販売業務の選定手数料として支払った。
(3) 山野楽器は,中小企業庁が本件について調査を開始した後,平成29年1月10日までに,前記(2)アの音楽講師業務の委託料を消費税率の引上げ分に相当する額を上乗せした額に定めた。
その後,山野楽器は,同年3月15日に,一部の本件委託講師に対して,平成26年4月1日に遡って当該引上げ分相当額を支払った。

3 勧告の概要

(1)ア 山野楽器は,本件委託講師に対して支払う委託料のうち,前記2(3)で支払ったものを除き,消費税率引上げ分を上乗せせずに支払った平成26年4月1日以後に供給を受けた音楽講師業務の委託料を,同日に遡って,速やかに消費税率引上げ分を上乗せした額まで引き上げ,当該引上げ分相当額を本件委託講師に支払うこと。
 イ 山野楽器は,本件楽器紹介販売者に対して支払う選定手数料のうち,消費税率引上げ分を上乗せせずに支払った平成26年4月1日以後に供給を受けた楽器紹介販売業務の選定手数料を,同日に遡って,速やかに消費税率引上げ分を上乗せした額まで引き上げ,当該引上げ分相当額を本件楽器紹介販売者に支払うこと。
(2) 山野楽器は,今後,消費税の転嫁を拒むことのないよう,自社の役員及び従業員に本勧告の内容について周知徹底するとともに,消費税転嫁対策特別措置法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講じること。
(3) 山野楽器は,前記(1)及び(2)に基づいて採った措置について,特定供給事業者に通知すること。
(4) 山野楽器は,前記(1)から(3)に基づいて採った措置について,速やかに公正取引委員会に報告すること。

関連ファイル

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局取引部消費税転嫁対策調査室
電話 03-3581-3378(直通)
ホームページ  http://www.jftc.go.jp/

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