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(平成30年6月14日)平成29年度における近畿地区の消費税転嫁対策の取組について

平成30年6月14日
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所

はじめに

 公正取引委員会は,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から,消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)の未然防止のための取組と,転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組を進めてきたところである。
 近畿中国四国事務所(中国支所及び四国支所を除く。以下「近畿事務所」という。)においても,転嫁拒否行為等に対して迅速かつ厳正に対処することを目的として,「消費税転嫁対策調査室」を設置し,近畿事務所管内(福井県,滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県及び和歌山県)において消費税転嫁対策に係る取組を実施してきたところ,平成29年度における管内の取組状況は以下のとおりである。

第1 転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組

1 措置件数

 管内においては,平成29年度は,転嫁拒否行為に対して,58件の指導を行っている。主な指導の概要は別紙のとおりである。

表1:措置件数 [単位:件]                                   
年 度 平成29年度 平成28年度 累計(注)
全国 近畿地区 全国 近畿地区 全国 近畿地区
措置 指 導 370 58 362 50 2,121 293
《16》 《0》 《20》 《3》 《140》 《17》
勧 告 5 0 6 2 43 5
《1》 《0》 《0》 《0》 《8》 《1》
合 計 375 58 368 52 2,164 298
《17》 《0》 《20》 《3》 《148》 《18》
違反事実なし 149 34 218 54 1,299 193

(注) 累計の数値は,平成25年10月から平成30年3月までの累計。また,全国の件数には,近畿地区の件数を含む(以下同じ。)。
《 》内の件数は,大規模小売事業者に対する勧告又は指導の件数で内数である。

2 措置件数の業種別内訳

 平成29年度の措置件数(勧告又は指導を行った事件の件数をいう。以下同じ。)について措置を採った特定事業者(注1)の業種別で分類すると,管内においては,製造業が16件(27.6%)と最も多く,建設業10件(17.2%)がこれに続いている。
 (注1) 特定事業者とは[1]大規模小売事業者,[2]特定供給事業者(注2)から継続して商品又は役務の供給を受ける法人事業者である。
 (注2) 特定供給事業者とは,[1]大規模小売事業者に継続して商品又は役務を供給する事業者,[2]資本金等の額が3億円以下である事業者,個人事業者等である。
 

表2:措置件数の内訳(業種別) [単位:件(%)]
業種 平成29年度 平成28年度   累計(注1)
全国 近畿地区 全国 近畿地区 全国 近畿地区
建設業 54(14.4) 10(17.2) 56(15.2) 7(13.5) 240(11.1) 27(9.1)
製造業 84(22.4) 16(27.6) 66(17.9) 8(15.4) 554(25.6) 93(31.2)
情報通信業 43(11.5) 4(6.9) 38(10.3) 7(13.5) 198(9.1) 21(7.0)
運輸業 12(3.2) 3(5.2) 15(4.1) 4( 7.7) 131(6.1) 24(8.1)
卸売業 28(7.5) 6(10.3) 20(5.4) 2(3.8) 157(7.3) 26(8.7)
小売業 30(8.0) 0( 0.0) 39(10.6) 3(5.8) 245(11.3) 29(9.7)
不動産業 23(6.1) 6(10.3) 19(5.2) 5(9.6) 92(4.3) 18(6.0)
技術サービス業 15(4.0) 2(3.4) 15(4.1) 2(3.8) 114(5.3) 12(4.0)
学校教育・
教育支援業
10(2.7) 2(3.4) 20(5.4) 0(0.0) 50(2.3) 3(1.0)
その他 76(20.3) 9(15.5) 80(21.7) 14(26.9) 383(17.7) 45(15.1)
合計 375(100) 58(100) 368(100) 52(100) 2,164(100) 298(100)

(注1) 累計の数値は,平成25年10月から平成30年3月までの累計。
(注2) 複数の業種にわたる事業者が勧告又は指導の対象となった場合は,当該事業者の主たる業種により分類している。「その他」は娯楽業,医療福祉,事業サービス業(ビルメンテナンス業・警備業等)等である。
(注3) ( )内の数値は合計値に占める割合であり,小数点以下第2位を四捨五入しているため,合計は必ずしも100とならない。

3 措置件数の行為類型別内訳

 平成29年度の措置件数について行為類型別で分類すると,管内においては,買いたたき(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)が57件(95.0%)と最も多い。
 

表3:措置件数の内訳(行為類型別) [単位:件(%)]
行為類型 平成29年度 平成28年度   累計(注1)
全国 近畿地区 全国 近畿地区 全国 近畿地区
減額 36(9.0) 2(3.3) 19(4.9) 1(1.9) 109(4.9) 7(2.3)
買いたたき 363(90.8) 57(95.0) 362(94.3) 52(98.1) 1,836(81.9) 255(84.2)
役務利用又は 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 49(2.2) 9(3.0)
利益提供の要請
本体価格での 1(0.3) 1(1.7) 3(0.8) 0(0.0) 249(11.1) 32(10.6)
交渉の拒否
合計 400(100) 60(100) 384(100) 53(100) 2,243(100) 303(100)

(注1) 累計の数値は,平成25年10月から平成30年3月までの累計。
(注2) 1件の事件において複数の違反行為類型について勧告又は指導を行っている場合があるため,違反行為の類型別件数の合計と表1及び表2に記載の措置件数とは一致しない。
(注3) ( )の数値は,小数点以下第2位を四捨五入しているため,合計は必ずしも100とならない。

4 特定供給事業者が被った不利益の原状回復の状況

 管内においては,平成29年度は,転嫁拒否行為によって特定供給事業者が被った不利益について,特定事業者47名から,特定供給事業者1,077 名に対し,総額7352万円の原状回復が行われた。
 

表4:特定供給事業者被った不利益の現状回復の状況
年 度 平成29年度 平成28年度  累計(注1)
全国 近畿地区 全国 近畿地区 全国 近畿地区
原状回復を行った
特定事業者数
357名 47名 293名 42名 1,211名 140名
原状回復を受けた
特定供給事業者数
21,698名 1,077名 36,137名 3,285名 115,988名 9,019名
原状回復額 8億1008万円 7352万円 9億2957万円 2億8842万円 28億2564万円 4億5325万円

(注1) 累計の数値は,平成26年4月から平成30年3月までの累計。
(注2) 各期間の原状回復額は1万円未満を切り捨てている。

5 転嫁拒否行為等に関する相談件数

 転嫁拒否行為等に関する事業者からの相談や情報提供を一元的に受け付けるための相談窓口を設置しており,管内においては,平成29年度は29件の相談に対応した。  
 

表5:転嫁拒否行為等に関する相談件数 [単位:件]
  平成29年度 平成28年度 平成27年度 平成26年度 平成25年度 累計
全国 392 444 548 1,420 3,179 5,983
近畿地区 29 48 53 156 116 402

(注) 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出に関する相談件数並びに情報提供件数を含む。

6 事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査

 様々な業界における転嫁拒否行為に関する情報や取引実態を把握するため,管内においては,平成29年度は25名の事業者及び20の事業者団体に対してヒアリング調査を実施した。
 

表6:事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査の実施件数 [単位:件]
  事業者 事業者団体
全国 近畿地区 全国 近畿地区
平成29年度 1,009 25 346 20
平成28年度 2,385 47 581 2
平成27年度 4,344 62 682 1
平成26年度 8,744 388 1,263 22
平成25年度 1,326 281 401 0
累計 17,808 803 3,273 45

7 移動相談会

 事業者にとって,より一層相談しやすい環境を整備するため,管内においては,平成29年度は移動相談会を1回実施した。   
       

表7:移動相談会の実施回数 [単位:回]
  平成29年度 平成28年度 平成27年度 平成26年度 平成25年度 累計
全国 43 36 52 47 75 253
近畿地区 1 8 8 8 9 34

第2 転嫁拒否行為の未然防止のための取組

1 公正取引委員会主催説明会

 消費税転嫁対策特別措置法の内容を広く周知するため,事業者及び事業者団体を対象として,公正取引委員会主催の説明会を実施しており,管内においては,平成29年度に1回実施した。
 

表8:公正取引委員会主催説明会の実施回数 [単位:回]
  平成29年度 平成28年度 平成27年度 平成26年度 平成25年度 累計
全国 42 36 51 30 40 199
近畿地区 1 8 8 5 4 26

2 講師派遣

 商工会議所,商工会,事業者団体等が開催する説明会等に,公正取引委員会事務総局の職員を講師として派遣しており,管内においては,平成30年3月末までに45回派遣した。
 

表9:講師の派遣回数 [単位:回]
  平成29年度 平成28年度 平成27年度 平成26年度 平成25年度 累計
全国 15 73 27 59 384 558
近畿地区 0 1 3 8 33 45

第3 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出

 消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為(転嫁カルテル)及び消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為(表示カルテル)の届出並びに届出書の記載方法等に関する相談を受け付けているところ,管内においては,平成29年度はいずれもなかった。
なお,平成30年3月末までに,管内において,転嫁カルテル10件,表示カルテル11件の合計21件の届出を受理し,このほか,届出書の記載方法等に関して,38件の相談に対応した。

別紙

 主な指導事例
(平成29年4月~平成30年3月)

1 減額(第3条第1号前段)
 衣料品製造業を営むA社は,衣料品の納入業者(特定供給事業者)に対し,消費税込みの対価について,仕入伝票ごとに本体価格に消費税率を乗じて,1円未満の端数を切り捨てた額を消費税額として支払い,支払ごとに商品の本体価格を合計し,消費税額を計算した場合と比べ支払総額を1円以上減じていた。

2 買いたたき(第3条第1号後段)
 [1] 歯科技工業を営むB社は,歯科技工物の製造を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の委託代金について,消費税率引上げ前の対価に消費税率引上げ分を上乗せした額よりも低い対価を定めていた。

 [2] 運送業を営むC社は,物品の運送業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託金を据え置いていた。

 [3] 病院を経営するD法人は,浄化槽の管理を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

 [4] 生活用品の製造業を営むE社は,販売する製品の製造を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

 [5] 鋼構造物の製造業を営むF社は,自社が使用する駐車場の賃貸人(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの賃料を据え置いていた。

3 本体価格での交渉の拒否(第3条第3号)
  病院等を運営するG法人は,平成26年4月1日以後の医薬品及び医療用材料の納入業者(特定供給事業者)との価格交渉において,税込価格での交渉を余儀なくさせていた。
 

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問い合わせ先

問い合わせ先  公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所
         消費税転嫁対策調査室
         電話 06-6941-2205(直通)
ホームページ  http://www.jftc.go.jp/regional_office/kinki/index.html

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