平成20年6月10日
公正取引委員会
1 日時
平成20年5月30日(金曜)10時00分~11時15分
2 場所
公正取引委員会11階大会議室
3 議題
都市ガス事業分野の取引実態調査について(報告書(案))
4 出席者
岩田座長,井手会員,川島会員,岸井会員,松村会員,山内会員,吉野会員
5 議事概要
事務局から,資料について説明が行われた。次いで,討議が行われたところ,その概要は以下のとおり
(○は会員の発言,→は会員の発言に対する事務局回答)
(1) 報告書(案)について
○ 前回資料よりも踏み込んだ形の提言となっている。大口需要家向け事業分野の自由化により生じた競争圧力が,多少なりとも導管網の整備を促している。今後とも,競争圧力を高めることが必要である。
○ 二重導管規制の在り方については,そもそも,規制当局がどのようなガス導管網を目指しているかということと深く関係しており,その意味で,ガス導管網に関する規制当局の姿勢が重要である。規制当局におかれては,ガス導管網の在り方について,将来的な方向性を示してほしい。
○ 一般電気事業者の送配電部門と比較して,ガス事業者の託送供給部門においては,営業利益率が高く,一般的には超過利潤が発生している可能性が高いため,託送料金を引き下げる必要性が高い。他方,託送料金が低下すると,一般ガス事業者の自社託送の料金も低下することとなるため,一般ガス事業者の大口需要家向けガス料金も低下すると考えられ,この点については今後も検討してほしい。
→ ガス事業に関しては,超過利潤の発生状況を検証できるように,情報を開示することがまず重要と考えられる。そのような観点を含めて,ガス事業における制度改革の議論を注視し,必要に応じて意見を述べてまいりたい。
○ 超過利潤については,その発生が直ちに問題となるものではなく,需要想定が,合理的な根拠の下に設定されているのかが問題であると考えている。そのため,情報公開を進めるべきという報告書の方向性は,問題ないと思う。また,超過利潤の還元を直ちに求めることは,ガス事業者のコスト削減インセンティブを阻害しかねない。
○ 諸外国の託送供給部門の営業利益率を調査することはできないか。
→難しいが,そのような点を含め,可能な限り,諸外国の状況の把握に努めていきたい。
○ 報告書(案)においては,託送制度と二重導管規制について問題提起しているが,それ以外の競争阻害要因はないと考えているのか。
→ 既に,適正なガス取引についての指針において,LNG基地の第三者利用の問題等考え得る競争阻害要因を取り上げており,審査部門に公益事業担当を設け,情報収集に努めている。
○ 全面自由化を最終目標に見据えた記述がなされており,報告書(案)については賛成である。
○ この報告書(案)は公正取引委員会の報告書という位置付けであるが,規制研としても,その内容を了承する。
(2) その他
○ これまでの規制研報告書等で取り上げた事項について,フォローアップしていただきたい。
→ 規制研報告書等に基づき,制度所管省庁への働きかけ等を行った結果について,今後とも,フォローアップを行い,規制研会員の方々に対し,適宜報告してまいりたい。
6 今後の予定について
報告書(案)については,事務局において必要な手続を採った上,公正取引委員会の報告書として公表することとされた。
(文責 公正取引委員会事務総局 速報版につき事後修正の可能性あり)
【附属資料】
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局調整課
電話 03-3581-5483(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/