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令和7年5月28日付け 事務総長定例会見記録

令和7年5月28日付け 事務総長定例会見記録

[配布資料]

独占禁止政策協力委員等から寄せられた主な意見(令和6年度)についてpdfダウンロード(403 KB)

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和7年5月28日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

独占禁止政策協力委員等から寄せられた主な意見(令和6年度)について

 本日、令和6年度に独占禁止政策協力委員等から寄せられた主な意見を公表いたしましたので、概要を御説明いたします。
 独占禁止政策協力委員制度では、全国各地域の有識者150名に、独占禁止政策協力委員をお願いしておりまして、これらの協力委員の方々から、競争政策や公正取引委員会の活動等に関する御意見、御要望を聴取しております。また、地方事務所等の幹部が、各地域の商工会議所などとの懇談会を開催いたしまして同様の聴取を行っております。
 今回の公表は、独占禁止政策協力委員や各地域の商工会議所等から寄せられた意見を取りまとめたものでございます。公表資料は、本文と別紙で構成されておりまして、本文には31件、別紙にはこれら以外の意見も含めて掲載をしております。
 私の方から、そのうちの一部の意見について御紹介をいたします。
 まず、中小企業の取引適正化に関する御意見ということでございまして、皆さんのお手元の資料の2頁の冒頭にございますが、
 ・ かつては発注者に対して、原材料等の価格引き上げ交渉をお願いしても、取引を打ち切るなどと言われたが、今では交渉に応じてくれるようになっており、価格転嫁に係る状況は大きく変わったと思う
 といった御意見をいただいております。
 次に、競争環境の整備に係る調査・提言に係る御意見といたしまして、お手元資料の3頁目の2の項目、「競争政策の整備に係る調査・提言について」という、その2つ目の事項でありますけれども、
 ・ コンテンツ産業について、例えば、電子コミック、アニメーション、脚本家といった幅広い分野の実態調査を行うとともに、非常に変化が激しい業界であることから、過去に行った実態調査のフォローアップ調査をしてほしい
 といった御意見をいただいております。
 そして、公正取引委員会に対する期待に係る御意見といたしまして、資料の5頁の一番下のところにございますが、
 ・ 公正取引委員会には各法律等に関する情報発信の強化について期待しているので、新法が施行される旨及び新法の内容等の情報発信を頑張ってほしい
 といった御意見、あるいは、資料6頁目の下から3つ目の項目ですが、
 ・ 巨大IT企業によるルール無視の商慣行があれば、詳しく調査し、結果によっては厳正な措置を採ってもらいたい
 あるいは、資料の同じく6頁目、その下の項目でありますが、
 ・ 表に出にくい取引実態を調査し、個別事件を公表することにより、中小企業が大手企業との取引や交渉に有利に使えるので、引き続きお願いしたい
 といった御意見をいただいております。
 以上、令和6年度に行いました独占禁止政策協力委員等からの意見聴取における主な意見を御紹介いたしましたが、公正取引委員会としましては、引き続き、独占禁止政策協力委員及び地方有識者からの御意見・御要望を、今後の競争政策の適切な運営に役立ててまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 定例会見のテーマとは関係ないのですが、昨今、米価の高騰に伴って、今、備蓄米、政府備蓄米の放出、売渡しが進められておりますが、その中で、売渡し価格を公表して、さらに小売価格も、「この売り渡し価格なら2000円であろう」とか「5キロ1800円」というふうな形で公言されています。こういうのは、いわゆる再販売価格の拘束とか、その辺を実際、農水省も気にしていらっしゃったのですが、それにひっかかるのか等どうお考えでしょうか。
(事務総長) 農林水産省のほうで、備蓄米の売渡し条件について公表されているということでございますけれども、小売価格につきましては、小売業者が主体的に決定するものであるというふうに承知をしておりまして、本件については、独占禁止法上、問題ではないと考えております。
(問) 特に、売渡し側がこれぐらいというように売渡し価格を示す分には、特に独占禁止法上は問題はないということでしょうか。
(事務総長) そうですね。独占禁止法上の問題の有無につきましては、個別の案件ごとに判断されるということでございますので、一般論として申し上げますが、提示される価格が希望小売価格など、価格を拘束するものではなく、小売業者間での競争が確保されるというものであれば、基本的に独占禁止法上問題のあるものではないと考えています。
(問) これも一般論といえば一般論ですが、農水省さんが、独禁法に引っかからないようにという部分の説明の中で、「文書とかで示すと独禁法に引っかかるかもしれないので、それはしなかった」というふうにおっしゃっていたのですが、文書だから駄目、口頭ならいいとか、そういう話ではなかったと思うのですが、どうなのでしょうか。
(事務総長) そこは、おっしゃるとおりかと思います。提示される価格が希望小売価格なのかどうかといった内容に応じて判断されるということになると思います。
(問) これも定例会見のテーマとは関係ないのですが、今、一部報道で、軽油の取引価格などを巡ってカルテルがあったのではないかということで、神奈川県などで立入検査があったというような情報が出ていますが、その辺りについて事実かどうかを教えてください。また、長野県のほうでも同様の話があって、それに引き続いてということでしたら、今後、全国規模での大規模な市場調査であったり、そういったことをされる可能性はあるのかというようなところをお伺いできればと思います。
(事務総長) 個別の事案でございますので、コメントは差し控えたいと思いますが、近時、エネルギーあるいは食料品といった国民生活に非常に関連のある商品などの価格が高騰している中でございまして、これらの商品・サービスについてのカルテル、あるいは談合といった行為が行われれば、国民生活に広範に悪影響を及ぼすものと考えられます。そういったものにつきましては、公正取引委員会としても監視の目を光らせているところでございますし、違反被疑事実に対しては厳正に対処したいと考えております。
(問) 今日の配布資料の中で、今すぐというか、すぐにでも調査に入らなくてはいけないような独禁法違反の事例はなかったという理解でよいのでしょうか。
(事務総長) そうですね。一般的に御意見をお聞かせいただくということでございますので、何か個別具体的な話が出るというわけではございません。これがそのまま事件に直結するといったものではないと考えています。
(問) 下請法改正が決まったということで、改めて事務総長の方から期待だったり、長年、「下請け」という言葉が染みついているという環境下にあると思いますが、そういった言葉を取り除くというか、変えていく中での課題とかをお伺いしたいと思います。それから、これは以前もそういうお話があったら恐縮ですが、公取の中でも「下請」という名前がつく部門などがあると思うのですが、今後、組織改編というか、その組織の名前自体を変えていく形になるのでしょうか。
(事務総長) まず、下請法の改正でございますけれども、今回のいろいろな方々からお聞かせいただいた意見の中にも、改正をしっかりぜひ取り組んでほしいというような御意見もございました。まさに様々なところで公正取引委員会に期待をかけられているところかなと思いますので、来年の年初の施行に向けて、しっかりと準備を進めていきたいと考えております。
 それから、おっしゃったとおり、「下請け」という言葉につきましては、従前から使われてきた言葉ですので、そういったものにつきましては、法律が変わることによって、ある種、新しい世界が広がるという我々の意識でもって様々な努力をしていきたいと考えております。また、「下請」という言葉が付いているところについて、どういう見直しが必要かということにつきましては、今後、よく検討していきたいと考えています。

以上

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