[配布資料]
なし
[発言事項]
事務総長定例会見記録(令和8年5月20日(水曜)13時30分~於1106会議室)
独占禁止政策協力委員との意見聴取会について
本日、私からは2点ございます。
まず1点目は、公正取引委員会が広聴活動として例年5月から6月にかけて実施しております、独占禁止政策協力委員からの御意見を伺う「意見聴取会」について、概要をお話します。
公正取引委員会では、全国各地域の経済実態等に通じた有識者から、独占禁止法等の運用や競争政策の運営に係る意見、要望を頂くことにより、経済実態に即した競争政策の運営に資することを目的として、平成11年度から独占禁止政策協力委員制度を設置しております。
この制度は、全国で約150名の経済関係者、学識経験者、消費者代表、報道機関関係者などに独占禁止政策協力委員を委嘱しまして、公正取引委員会の取組に関連して御意見、御要望を伺っております。本制度では、事務総局職員が各協力委員にお話を伺うことに加えて、例年5月及び6月には、公正取引委員会の委員及び事務総長が、独占禁止政策協力委員の方数名に直接お会いして御意見を伺う「意見聴取会」というものを実施しております。この「意見聴取会」ですが、令和8年度においては、5月25日の週と6月22日の週に北海道から九州まで全国の8か所において開催する予定でおります。
公正取引委員会は、引き続き、独占禁止政策協力委員からの意見聴取の機会を活用するなどして広聴活動を意欲的に行い、公正かつ自由な競争の実現に向けた競争政策に反映してまいりたいと考えております。以上が1点目です。
第25回ICN年次総会について
それから2点目ですけれども、ICNと呼んでおります国際競争ネットワークの年次総会について御紹介いたします。
去る5月6日から5月8日にかけて、第25回ICN年次総会がフィリピンのマニラで開催され、公正取引委員会からは茶谷委員長ほかが出席しました。
ICNの正式名称は、インターナショナル・コンペティション・ネットワークといいますが、競争法執行の手続面及び実体面の収れんを促進することを目的として、2001年に日本を含む14の国・地域の16当局によって設立され、今年の4月末時点で139の国・地域から152の当局が加盟する競争法分野における最大の国際組織となっております。ICNでは、分野ごとに置かれたカルテル、単独行為、企業結合、アドボカシーなどの各作業部会において様々なプロジェクトに取り組んでおりまして、年次総会は、加盟当局のトップなどが参加し、最近の競争法、競争政策上の課題について国際的な共通認識を醸成していくことが期待されている会合です。
今回の年次総会には、競争当局関係者のほか、民間の弁護士など、約70の国・地域から300名以上が現地参加し、茶谷委員長は、企業結合作業部会の全体会合において、スピーカーを務めました。企業結合作業部会の全体会合では、「絶えず変化する経済・政治環境の中での対応:企業結合規制の政策は十分に柔軟か?」というテーマを掲げて、議論が行われました。このほかにも、ICNの発足25周年を記念したセッションや、アドボカシー作業部会の分科会において、公正取引委員会の顧問や事務総局の職員がスピーカー又はモデレーターとして、それぞれ議論に貢献しました。
公正取引委員会としては、執行活動に係る国際標準の形成、競争当局間の協力関係の強化、国際的プレゼンスの向上などの観点から、引き続き、ICNの活動に積極的に貢献していきたいと考えております。
冒頭、私からは以上でございます。
質疑応答
(問) 御説明ありがとうございます。ICNのマニラでの会合について、御退官された青木元委員が、25周年記念のセッションの方に参加されていたかと思います。今回のテーマからすると、これまで10年近くの動きを御存知である青木元委員がお話しするのは自然かなとも思うのですが、一方で、新しく着任された委員の方が出席されなかったのはどうしてでしょうか。
(事務総長) 青木元委員は、現在、公正取引委員会の顧問になっております。青木顧問に25周年のセッション参加をしていただきました背景としては、青木顧問がICNとOECDのコーディネーターを今まさにやっていることもあり、そのような立場で参加をしていただいたという面がございます。もちろん今後、ICNに限らず、現役の委員及び事務総局の職員がそういったマルチの場での活動に積極的に参加していくことは当然考えておりますし、期待をしているところでございます。
(問) マニラには、委員会としては茶谷委員長のみで、他は事務総局の方々が参加されたのでしょうか。
(事務総長) はい、そのとおりです。
(問) 一部の報道で、北海道新幹線の延伸工事で談合があり、公正取引委員会が立入検査をしたと報じられているのですが、事実かどうかと今後の対応などについて教えていただければと思います。
(事務総長) 一部報道もありますが、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発注する北海道新幹線の軌道敷設工事において、入札参加業者が談合を行っていた疑いがあるということで、昨日、建設工事業者に立入検査を行ったということは否定をいたしませんけれども、まさに事件審査中ということになりますので、それ以上の詳細についてはお答えを控えたいと思います。
(問) ありがとうございます。重ねてですが、先日、官製談合防止に関する実態調査の報告書も公表されたばかりであり、それに関連した受け止めについても一言お願いいたします。
(事務総長) 本件は調査がスタートしたばかりですので、御指摘のあった報告書のような官製談合との関連について、私から今、コメントすることは控えたいと思います。もちろん、一般論として、あるべき入札の姿として官製談合があってはならないと考えています。
(問) 北海道新幹線の談合の話に関連して、2点伺わせてください。1点目ですが、今回の立入検査は、犯則審査部が担当しているのでしょうか。また、先の話になると思いますが、仮に、現段階の見立てどおりの心証が得られた場合は、犯則調査に移行する可能性が高いのか、今のところの所感や手応えがあれば教えてください。
(事務総長) 本件の調査は行政手続として調査をスタートしております。最終的にどうなるかというお話もありましたが、調査を始めたところという段階でありますので、私から、今後の見通しなどを申し上げることは避けたいと思います。
(問) 北海道新幹線に関連して、昨日立入検査をしたのは何社なのか、差し支えなければ教えてください。
(事務総長) そこについてもお答えは控えたいと思います。
(問) 先日公表されました官製談合防止のための取組に関する実態調査報告書に関する質問ですが、問題になっていながらも、余り対応が進んでいない実態が明らかになったという印象を持ちました。特に、過去に事件に関わった発注機関では対応をとっていることが明らかになりましたが、それでも、同業者との接触禁止や、社内のトレーニングなど、結構、基本的なこともなされていないところが多い印象を持ちました。市民感覚からしたら、何回も何回も官製談合が起こり続けていることに対して、もっと抜本的な対策をとれないのかという思いを持つと思うのですが、そのことに対して、公正取引委員会としてはどうお考えになりますか。
(事務総長) 御指摘のとおり、各発注機関における取組にはかなりばらつきがあります。もちろんしっかり取り組んでいるところもあるわけですけれども、そうでないところもまだ多いと思っております。その背景はいろいろあるのだと思いますが、一つ大きいものとしては、特に小さい自治体になってきますと、官製談合防止、広い意味ではコンプライアンスということですけれども、そういったことに割けるリソースが十分じゃないということもあるのだと思います。平成30年に一度同じような調査を行い、そのときにも、そのようなことを指摘していたと思いますが、そういった傾向は引き続きあるのかなと思っております。
大規模な行政機関と同じことを、小さいところでもできるかというと、なかなか難しいところはあると思いますが、とはいえ、小さいところでも、できる工夫はいろいろあると思います。小さいところに限らず、リソースの制約があるところでも、こういった形ならできるのではないかといったことも報告書の中でいろいろ提案していますので、そういうものもぜひ参考にしていただいて、できるところから対応をとっていただけるといいのかなと思っております。
(問) 新幹線を巡る談合が、リニアと北陸新幹線、今回の北海道新幹線と続いていると思いますが、談合が起こる背景には何があると考えられますか。
(事務総長) まず、今回の北海道新幹線の件は調査をスタートしたばかりということでありますし、我々としては、違反の疑いがあるものについてしっかり調査をして、事実関係及び法令に照らし、必要であると考える場合には措置を採っていくということに尽きるわけでして、そのように措置を採ってきた事案の間でどういう関連があるかということについて、今、私の中で思っているものがあるわけではありません。
特に今回の件に関しては、まだスタートしたばかりですので、しっかり事実関係を把握した上で、まずは事実を解明していくということと思っております。
以上