[配布資料]
[発言事項]
事務総長定例会見記録(令和8年7月1日(水曜)13時30分~)
令和8年度取適法定期調査について
本日は、令和8年度の取適法の定期調査についてお話をします。
取適法が対象とする委託取引におきましては、委託事業者の取適法違反行為によって中小受託事業者が不利益を受けている場合であっても、その取引の性格から、中小受託事業者からの自発的な情報提供が期待しにくい実態にあります。そのため、公正取引委員会は中小企業庁と協力し、委託事業者及びこれらと取引している中小受託事業者を対象として定期的な調査を実施しています。
令和8年1月1日に取適法が施行されてから初めての定期調査となります、今年度の委託事業者に対する取適法の定期調査を6月19日に開始いたしました。
今回の調査では、委託事業者75,000社を対象としています。
対象となった事業者には、封書にて調査概要をお知らせする通知文書をお送りしております。調査対象となった事業者におかれましては、7月21日までにウェブ上で御回答をお願いいたします。
自社が取適法の委託事業者に該当するか否かについて御確認いただく場合には、ウェブ上に簡易診断ツールを用意しておりますので、是非、御活用ください。
なお、この定期調査については、中小企業庁でも同様の取組を行っております。
この定期調査は、取適法の違反行為の情報収集のために行うものです。ここで得た情報も踏まえつつ調査を行いまして、違反があった場合には、迅速かつ適切に対処することとしております。
また、このように公正取引委員会と中小企業庁が能動的に情報収集を行う以外にも、取適法に違反すると思われる行為を受けた個人事業者も含む中小受託事業者は、公正取引委員会又は中小企業庁に対して調査をするように求める申告を行うことができます。申告はオンラインでも行うことができます。申告内容及び申告者の情報については、秘密を厳守するとともに、申告者の特定につながる情報が調査対象者に明らかとならないよう適切な措置を講じますので、取適法に違反するのではないかという行為が見られた場合には、当委員会のホームページを御確認いただき、情報提供いただければと思います。
冒頭、私からは以上です。
質疑応答
(問) 今度の定期調査について、対象となる委託事業者75,000社というのは、これまでと比べて多いのでしょうか、それとも、少ないのでしょうか。また、中小受託事業者に対しては、調査を行うのでしょうか。
(事務総長) まず1点目ですけれども、今年度の75,000社というのは、昨年度よりは多いものになります。昨年度は65,000社ですので、10,000社増やしているということになります。ただ、もう少し遡りますと、今年度よりも調査対象数が多い年度もありましたので、過去最高というわけではありません。
それから、中小受託事業者側への調査についてですけれども、今回の調査の対象は委託事業者のみです。中小受託事業者側については、例年秋に調査を実施しております。今年度いつ頃になるかということも含めこれから検討していくところですが、秋ぐらいには行うだろうと考えております。
(問) 中小受託事業者に対する調査は、もっと対象者数が多くなるのでしょうか。
(事務総長) そうですね、数は多くなると思います。
(問) そうすると、この定期調査は、例年、今頃の時期は委託事業者を対象に、秋に中小受託事業者を対象として行われているということですね。
(事務総長) はい。そういう流れになります。
(問) 秋頃に受託側の事業者を対象にした調査を行うということについて、取適法の対象が拡大していると思いますが、現状、その調査数の規模感としては何かお持ちでしょうか。
(事務総長) その点については、これから検討していくということになります。
今回は委託事業者側への調査を行うわけですけれども、その中で、どういったところと取引しているか、つまり、取適法の対象となるような中小受託業者との取引がどれぐらいあるかということも把握することになります。そのような調査結果も踏まえて、規模感ももう少し見えてくるのかなと思います。
(問) 今回、取適法に特定運送委託が加わったことは一つ大きな変化だと思うのですが、物流特殊指定に関する調査のように、この部分だけを抜き出して、何か調査することは考えられますか。
(事務総長) 今回の調査では、特定運送委託のカテゴリーに入るところも含めて、調査についての書類を送っているわけですが、特定運送委託に関しても、どういうことをやってはいけない、どういうことをしなければいけないというルールは、他の製造委託などと同じですので、今回の調査でも、特定運送委託に関する特別な建付けがあるわけではありません。
おっしゃるように、運送に係る特別な問題というのは従来からございまして、少し前にこの会見の場でも申し上げたと思いますが、物流特殊指定に関連しての調査は毎年度行っているところもありますので、そういったものも使いながら運送に係る問題を把握していくということにはなりますけれども、今回の定期調査においては、そういったところも含めて、取適法に関する規律について確認していくという作業をカテゴリーを限定せずに行っていくことになると思います。
(問) 今回の取適法の定期調査に限らず調査全般の話で恐縮ですが、トラック運送事業者の声しか分からないので、これが全体の声とは言えないということを前提にお伺いします。調査票を送られる中小事業者側の声として、この調査が、自分たちの日々の取引の価格交渉であったり取引条件の改善につながるという認識が結構希薄な方が多くて、特にトラック事業者だと、公正取引委員会が調査をしているという認識すらない方もいらっしゃいます。そういう認識がある方でも、調査した後にどうつながっていくのか、実際には、注意喚起文書の送付であったり、場合によっては立入調査までつながると思うのですけれども、名称が「調査」となっていることで、何となくイメージ的にアンケート調査に近いような部分があって、受け取る側にとっては、非常に項目も細かいし、毎年、いろいろ送られてきて答えるのが大変だ、みたいな声を伺ったことがございます。
名称は「調査」となってはいますが、注意喚起文書の送付や立入調査にまでつながっていて、まさに中小企業の皆さんの取引環境の改善につながるんだといった部分を全面的に押し出すなど、周知活動を変えていくようなお考えはございますか。
(事務総長) まず一つ目として、今、中小受託事業者の方々の声ということで御紹介いただいた、その方々が調査票に記入していく際に、おっしゃられたような思いがあるのではないかということについて、今回は業務を委託する側への調査ですので、まず段階が違うということは前提としてあるわけですが、その上で、そういった御懸念の声があるということは受け止めなければいけないと思います。
その上で、冒頭のところでも申し上げましたけれども、今回の調査はアンケート調査ではもちろんありません。取適法の違反事件の情報収集のために行う調査ということになります。中小受託事業者の側から、自ら公正取引委員会に申告をすることは、なかなか心理的にハードルが高い場合もあるということも承知しておりますので、こういった大規模かつ定期的な調査を行っているということになります。いずれ中小受託事業者への調査も、今回の定期調査の流れの中で行っていくことになりますので、そこで、ぜひ率直な実際の取引の状況を伝えていただきたいと思っているところです。
周知方法については、全国津々浦々まで行き渡らせる難しさはあるわけですけれども、今まさにいろいろな取適法の周知活動であるとか、それ以外の特殊指定の改正に関する周知活動なども行っているところであります。そういった中で、公正取引委員会の情報収集にも様々な御協力をいただきたいということは、委託する側と受託する側の両方に対して、アピールすることが大事なのかなとは思っているところでございます。
(問) 委託する側の調査と受託する側の調査をそれぞれ行うことはわかったのですが、端的に、委託する側を見る場合の調査項目のポイントと、受託する側を見る場合の調査項目のポイントについて、それぞれ力点が変わってくると思いますが、代表的な事例で構わないので、どんなところに一番差が表れてくるのかといった部分を教えていただければと思います。
(事務総長) 委託事業者の視点に立てば、取適法では、こういうことをしなければいけないという規定や、こういうことをしてはいけないという規定があるわけです。委託事業者側にはそういったことをしていませんかと聞き、受託側にはこういうことをされていませんか、義務規定に関することでいえば、こういうことがちゃんと行われていますかというのを確認するということをやっていくということですから、裏表でありますけれども、基本的に調査項目がドラスチックに違うことになっているわけではないと認識しています。
まずはファクトをしっかり掴んでいく。その上で、案件によって、大規模に行われているものかそうでないものかなどいろいろありますので、そういったことも踏まえながら調査の手法をそれぞれ考えていくことになると思います。
(問) 今回、取適法になってから初めての調査ということになるかと思いますが、調査の内容的には変わらないのでしょうか。
(事務総長) 定期調査は毎年度行っているのですが、今年度の調査で内容が変わった点は、大くくりに言えば、旧下請法が改正されて取適法になり、1月1日から施行されていますので、その改正内容を反映したクエスチョネアになっているという点になると思います。
以上