[配布資料]
(令和8年9月28日)物流分野取引適正化地方ブロック連絡会議の立上げ等について
(令和8年9月28日)関東地区物流分野取引適正化地方ブロック連絡会議の設置及び令和8年度集中監視月間出発式等の実施について
(令和8年9月28日)北陸信越地区物流分野取引適正化地方ブロック連絡会議の設置及び令和8年度集中監視月間出発式等の実施について
[発言事項]
事務総長定例会見記録(令和8年9月30日(水曜)13時30分~)
物流分野取引適正化地方ブロック連絡会議の立上げ等について
本日、私からは、国土交通省及び経済産業省中小企業庁との間で新しく立ち上げた、物流分野取引適正化地方ブロック連絡会議の立上げについて御紹介します。
令和8年1月に施行された取適法では、発荷主が、取引の相手方に対して行う物品の運送を他の運送事業者に委託する取引、これを特定運送委託と呼んでおりますけれども、これが新たに取適法の対象に追加されました。また、取適法への改正に伴い、事業を所管する省庁にも、取適法に基づく指導・助言を行う権限が付与されました。これを受けて、公正取引委員会は、物流分野の取引の適正化を進めている国土交通省との連携強化を進めております。
まず、執行面での連携強化という観点からは、昨年12月に、取適法・貨物自動車運送事業法を活用してシームレスに対応するために、公正取引委員会、国土交通省及び中小企業庁の3省庁委で、執行情報の共有を行う連絡会議を立ち上げました。
そして、今般、3省庁委の執行連携を更に強化するとともに、日本全国で取適法の違反行為及び貨物自動車運送事業法の違反原因行為の監視を強化するため、「物流分野取引適正化地方ブロック連絡会議」を立ち上げることとしました。
この地方ブロック連絡会議では、公正取引委員会の地方事務所等、それから、経済産業省の地方経済産業局及び国土交通省地方運輸局が参加して、取適法の執行方針などについて意見交換を行うこととしております。
今後、国土交通省との執行連携につきましては、取適法に違反する行為を行っていることが疑われる事業者に対する合同調査といった取組を進めることとしておりまして、その際にも、このブロック連絡会議を活用していきたいと考えております。
また、執行面での連携に併せて、今年度も、国土交通省が設置したトラック・物流Gメンにより10月から11月に行われる「集中監視月間」に、公正取引委員会も参加します。この集中監視月間の取組のうち、トラック・物流Gメンが荷主の営業所や物流拠点などを訪問して、物流関連法令の周知啓発を行う「荷主パトロール」には、昨年から参加しておりますが、今年は経済産業省地方経済産業局なども新たに参加して、全国で合同荷主パトロールなどを実施します。
この合同荷主パトロールに先立って、出発式を行うこととしておりまして、公正取引委員会からも幹部などが参加して、合同荷主パトロールの参加職員に対して、物流分野の関係者に取引適正化への理解を深めていただくことの重要性について、改めて訓示を行うことを予定しています。地方ブロックごとの出発式の日程などはそれぞれ異なりますけれども、関東ブロックでは10月7日に実施をします。取材など御希望の場合には、取適法の執行連携を担当しています取引部第一上席取引適正化検査官にお問い合わせください。
私からの冒頭説明は以上となります。
質疑応答
(問) 今回、地方ブロック連絡会議を立ち上げることで、これまでできなかったこと、あるいは時間がかかっていたことがどれぐらい解決されるのか、具体的に、どんな新しいことができるようになるのかについてお伺いできますか。
(事務総長) 冒頭申し上げたように今年の1月から、下請法が改正されて取適法という形になりました。改正項目は幾つかあるわけですが、その中に、それぞれの事業所管省庁でも指導・助言を行う権限が付与されたというところがあります。既に1月からスタートはしているわけですけれども、そういった指導などを行うことをよりスムーズにするという意味もありますし、公正取引委員会がこれまで下請法で培ってきたノウハウも、今回の場合では国土交通省ですけれども、ほかの関係省庁とも共有しながら、法執行を新たに進めていくということで、そのような各省庁間の連携をスムーズにするための取組を、このブロック会議という形で明確にするという意味合いがあるかなと考えております。
(問) 今回の地方ブロック連絡会議の中で、具体的にどのようなことを話し合っていくことを考えられているか、もう少し具体的に発表できる取組内容があれば教えてください。
(事務総長) 冒頭申し上げたところで言いますと、取適法の執行方針などについて意見交換という言い方をしましたけれども、もう少し申し上げますと、取適法に違反する事件の調査方法とか執行方針などについて、出席者間で意見交換を行うということになると思います。ただ、まさに法執行に関する内容になってまいりますので、余り具体的なところは今申し上げることは難しいのですが、イメージとしてはそういったことになります。
(問) 今、調査方法と執行方針というお話がありましたが、これは、公正取引委員会は様々な立入調査とかをされていると思うのですが、そういった手法を、今回は国土交通省になりますけれども、トラック・物流Gメンさんとかに伝えていくというようなイメージでよろしいでしょうか。
(事務総長) はい。先ほど申しましたように、1月から各省庁、事業所管省庁にも指導などの権限が付与されており、これまでも、公正取引委員会でこういうふうにやっていますよという法運用の考え方なり方法というのは、ある程度共有しているところではありますので、そういう話の延長線上という部分もありますし、より具体的なところでの情報共有というところも考えられるのかなと考えております。
(問) 実際の調査にしても執行にしても、かなり専門知識を持った人材が必要になると思います。執行連携に当たっての人材育成というか、そういった部分での何らかの取組は、この地方ブロック会議以外にもあるでしょうか。
(事務総長) はい。今回御紹介したのは地方ブロックそれぞれの機関同士の取組ということになります。それ以外にも、例えば、全国レベルでの、国土交通省と公正取引委員会であるとか、中小企業庁も含めた3者での取組というのはこれまでも行ってきております。そういった取組を通じた形での執行連携は、引き続きやっていくと思っております。
(問) もう少し踏み込んで質問しますと、実際、交流人事みたいなものはございますか。
(事務総長) 例えば、国土交通省ということで申し上げますと、公正取引委員会と国土交通省の関連部署間での人事交流は、実施してきているところであります。具体的に申し上げますと、今日時点で、国土交通省から公正取引委員会に対しては2名が出向してきています。それから、公正取引委員会から国土交通省に対しては、1名が出向しているという状況でございます。
(問) 最後に、取適法の枠組み全体のところに関わる話で恐縮ですが、これまでも下請法について、中小企業庁との執行連携があり、実際の個別具体的な細かな事例について、中小企業庁で調査なり意見聴取なりを行い、法執行の部分を公正取引委員会が担うといったような運用はあったと思います。ただ、今回、取適法が施行されたことによって、初めてと言ったら何ですけれども、全国の各都道府県に出先機関を持つ他の行政機関の組織と人員を活用して、公正取引委員会が、法執行の実効性を高めるといった活動を強化していく一つの施策になるようにも見えます。公正取引委員会は、各都道府県に出先機関を持っておらず、組織上、なかなか全都道府県を網羅するのは難しいという構造的な課題はあると思います。そういった中で、今回は物流という特定の分野になりますけれども、まさに全国に運輸支局を持つ国土交通省、しかも、その中のトラック・物流Gメンという具体的な人員がいるというところで、いろいろと問題を調査して、課題を拾い上げていくといったことに対して、公正取引委員会が連携することによって、取適法の実効性の確保も担保されるし、国土交通省からすると、物流効率化法や貨物自動車運送事業法上の実効性の確保も高まるというように、お互いのメリットが出るような構造ができたように見受けられますが、こういった認識でよいでしょうか。それから、こういった執行連携という手法を物流に限らず、例えばフリーランスなど全国規模で対応しなければいけない細かな案件はあると思いますが、その他の法律でもこういった手法を活用して、公正取引委員会が活躍する場を増やしていこうというようなお考えをお持ちでしょうか。
(事務総長) 2点あったと思いますが、1点目はおっしゃるとおりだと思います。冒頭でも申しましたけれども、我々の観点で言えば、特に取適法ということでありますけれども、国土交通省の観点で言えば、取適法でも法執行の一翼を担いつつ、また貨物自動車運送事業法の所管をされているという面もありますので、そういった法律を活用していくという意味で連携した取組というのが、こういったブロック連絡会議という仕組みも通じながら、スムーズに進めることができる、まさにその契機になるのかなと思っております。ただ、プラスして申し上げておくと、公正取引委員会もブロックごとに事務所なり支所はありまして、その所在する県以外に何か手が出せないとかそういうことではもちろんなく、これまでも、事務所の所在していない県での勧告実績もだいぶ積み上がってきておりますので、そういったところにも、我々自身も積極的にアプローチしていきたいということは、以前から思っているところであります。
2点目については、今のところは、取適法で各事業所管省庁にも指導などの権限が付与されたというところが契機となって、かつ、いろいろな社会的ニーズも高いというところで、こういった取組につながっているところであります。今、それ以外のところで、具体的に何か考えているものがあるというわけではありませんけれども、今後のいろいろな社会経済情勢も見ながら、どういうことが必要かということは考えていきたいと思っております。
(問) 手元の資料に、北陸信越地区と関東地区についてのブロック会議の資料を頂いているのですが、ブロック会議は全国で幾つできるというか、どういう区分けになっているのでしょうか。
(事務総長) 全国で沖縄含め10の連絡会議ができることになります。公正取引委員会は、ブロックごとに事務所があるのですが、例えばこの北陸信越は、ちょうど事務所がないところであるので、本局の者が出向いて対応するという形になります。
(問) 10はどういう区分けなのでしょうか。
(事務総長) 一通り申し上げていきますと、北海道、東北、関東、北陸信越、中部、近畿、中国、四国、九州、それから沖縄という10の区域ごとに行うということになります。
(問) ありがとうございます。衆議院選挙の比例代表に近い感じでしょうか。
(事務総長) 国土交通省の管区に対応する形と理解していただくといいと思います。
(問) 先ほど質問をさせていただいた分の補足になります。先ほどは何が変わるかという質問でございましたが、今回のこの新しい枠組みで、これまでよりどれぐらい早く調査や措置につなげられると期待されているかについてお伺いしてもよろしいでしょうか。
(事務総長) 直ちに何か処理スピードに直結するかといいますと、何とも言えなくて、こういう効果がすぐ出ますということにはならないかもしれません。ただ、おそらくいろいろな問題となり得る事案が世の中には存在し得るところであり、その中には、我々が把握していない事案も多分あるのだと思います。我々が把握していないけれども、国土交通省の担当の方は把握しているものもあるのだと思います。そういうものについて、どういうふうにすれば、取適法の問題が解消されるような形で取組ができるかとか、そういう話を進めやすくするという意味は出てくるのかなと思います。したがって、全体としては、取適法上の問題があり得るいろいろな行為に対しての取組が、適切にといいますか、よりいいタイミングで処理をしていくという面が出てくることは期待しているところです。
(問) ありがとうございます。今のお話をお伺いしますと、今のところ、ここのポイントを重点的に注目していくということは特になく、満遍なく、各業界などを見ていく、そんな理解で合っていますか。
(事務総長) はい。今回の話は、まさに物流のところでの取組になりますので、物流の分野ということにはなります。それ以外のところでどう考えるかは、地域ごとにあるのかもしれませんが、今のところはそういった考え方かなと思っています。
(問) 1点確認ですけれども、このリリースの前段で、物流特殊指定についての話も触れられています。これについては完全に公正取引委員会の所管の法律ということになりますが、物流特殊指定に対する違反行為の調査の端緒を、この地方ブロック連絡会議が担うというようなことは想定されていますか。
(事務総長) 今回のこのブロック会議に関しては、取適法の運用にフォーカスを当てていますので、御指摘のあった物流特殊指定の話まで含めて念頭に置いているわけではありません。ただ、途中で申したような合同荷主パトロールなどの機会も今後ありますので、そこでこの物流特殊指定についてのPRもするということは、あり得るのかなと思っております。
以上