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令和8年10月7日付け 事務総長定例会見記録

令和8年10月7日付け 事務総長定例会見記録

[配布資料]

(令和8年10月7日)企業取引研究会の開催について

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和8年10月7日(水曜)13時30分~)

企業取引研究会の開催について

 本日、まず私からは、企業取引研究会の関係について申し上げたいと思います。本日10時から、第3期の企業取引研究会を開催しましたので、こちらについてお話しします。
 公正取引委員会は、適切な価格転嫁をサプライチェーン全体で定着させていくための取引環境を整備する観点から、令和6年7月から同年12月にかけて、第1期として、中小企業庁と共催で企業取引研究会を開催し、下請法を中心に議論を行いまして、「企業取引研究会報告書」というものを公表しました。
 さらに、取適法の対象となる取引に限らず、適切な価格転嫁をサプライチェーン全体で定着させていくため、令和7年7月から令和8年6月にかけて、第2期として企業取引研究会を開催し、優越的地位の濫用規制の在り方などについて議論しました。
 この第1期、第2期の企業取引研究会の議論を踏まえて、下請法が改正され、物流特殊指定の改正、支払告示の制定、優越ガイドラインの改定を行うなど、サプライチェーン全体における取引適正化のためのルール整備を進めてきたところです。
 公正取引委員会と中小企業庁では、整備されたルールの周知を図るとともに、取適法の事前調査や未然防止のためのフォローアップ調査などを進めてきたところであります。しかし、サプライチェーンの深い層になるほど価格転嫁が進んでいないなど、取引適正化に向けては、引き続き課題がみられると考えております。
 そこで、サプライチェーン全体における更なる価格転嫁・取引適正化の浸透・定着に向けて、第3期の「企業取引研究会」を開催することといたしました。企業取引研究会では、取引適正化に関するルール順守の促進、実効的な価格転嫁の定着、改善すべき商慣習の是正に向けて、どのような取組が考えられるかといった点について御議論いただくことを予定しております。
 第3期としての第1回の研究会は、本日開催いたしました。第1回では、研究会の冒頭において、茶谷委員長及び若山経済産業大臣政務官から御挨拶の後、まず、事務局から、これまでの価格転嫁・取引適正化に関する取組・現状の振り返り、今期の企業取引研究会の進め方などについて説明を行いました。その後、業種横断的な団体から取引実態についてのヒアリングを実施し、委員の皆様に御議論いただきました。
 今後の研究会でも、複数回にわたって業界団体からのヒアリングを行い、これらを通じて実態の把握を進め、論点を整理した上で、対応策の検討などについて議論を行うことが予定されております。
 議事の概要については、追って公表する予定でございます。第1回の研究会の議事の詳細につきましては、企業取引課にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
 公正取引委員会としましては、サプライチェーン全体での価格転嫁・取引適正化の浸透、定着に向けて引き続き取り組んでまいります。
 冒頭、私からは以上となります。

質疑応答

(問) 冒頭とは関係ないところですが、今朝からビール4社によるカルテルの報道がなされていますけれども、公正取引委員会としての所感をお願いできればと思います。
(事務総長) 所感というわけではありませんが、酒類等の製造販売業者4社が、酒類等の販売に当たり価格カルテルを行っていた疑いについて必要な調査をするため、本日、犯則調査を行っていることは否定いたしませんが、まさに事件審査中でありますので、詳細についてはお答えを差し控えたいと思います。
(問) 今回、犯則調査権に基づく強制調査ということで、検察への告発も含めて検討しているということでよいでしょうか。
(事務総長) 犯則調査という言い方をしましたけれども、平成17年になりますが、こういった刑事告発あるいは犯則事件調査に関する方針というのを公正取引委員会が出しております。正確には、「独占禁止法違反に対する刑事告発及び犯則事件の調査に関する公正取引委員会の方針」というものです。この方針の中に、どういった場合に犯則事件の調査を行うかが書かれております。この考え方に沿って、一定の基準に該当すると疑うに足りる相当の理由のある独占禁止法違反被疑事件について犯則調査を行うに至った、ということに尽きるかなと思っております。
(問) それをもって、検察への告発も視野に含めているということでよろしいでしょうか。
(事務総長) まさに調査をスタートしたところでありますので、まずは公正取引委員会において調査をしっかり行っていくということになるかと思います。
(問) 今回、犯則調査権というもので、今までの事例もあると思うのですが、こういったものを行う場合というのは、検察への告発を含めて行っているものという理解でよろしいでしょうか。
(事務総長) もちろん、犯則調査の結果として刑事告発につながるケースはあるわけですけれども、今回どうなるかということに関して、今、私から先の見通しについて申し上げることは避けたいと思います。
(問) 今回、裁判所から令状を取って行っているものですか。
(事務総長) 犯則事件についてはそういった手続が必要になりますので、許可状というのが法律上の言葉ですけれども、許可状のもとで犯則調査を行うということになっております。
(問) 大変恐縮ですが、今回のこのような事案に対して、業界への周知といったものはもちろんあるかと思いますが、今後の対応として、例えば、関連市場、他分野への派生調査、拡大であったり、はたまた、ガイドラインの改定とか実態調査の公表など、そういったものも今後検討としてあるのでしょうか。
(事務総長) 先ほどと同じような言い方になるかもしれませんが、まさに今、調査をスタートしたところでありますので、本件についての事実解明をまずやる必要がありますので、それ以上でもそれ以下でもないというのが今の公正取引委員会のステータスになります。
(問) 昨今こういうカルテルが報道されることが多いと思うのですが、一般的に、業界周知であったり、はたまたガイドラインの策定、そういったものの必要性というのはいかがでしょう。
(事務総長) 同じような答えになってしまいますが、我々として結論が見えているわけではなく、今調査をスタートしたところでありますので、調査以上のことを、今の段階で何か考えているということではなく、まずは調査の中で事実関係をしっかり究明するということに尽きるかと思います。
(問) 今の質問にも付随しますが、今回、価格カルテルの疑いと報道はされていますけれども、ちょうどひと月前のこちらの会見でも、価格カルテルへの注意喚起を行われました。今回改めて、価格カルテルというものに公正取引委員会としてどういうふうに臨まれていくか所感を伺ってもよろしいでしょうか。
(事務総長) 現在、いろいろな原材料の価格が引き上げられているといった状況の中で、実際に価格を引き上げる動きはいろいろな業界であるのだと思います。それについては、私の前半の話とも関係するかもしれませんが、そういうコスト上昇分を価格に反映させていくということ自体を何か問題視しているわけではない、ということは、前提として申し上げておきたいと思います。
 ただ、価格というのは重要な競争手段なわけでありまして、コストが上昇する中であったとしても、価格設定というのは、それぞれの事業者において、それぞれのコストであるとか事業戦略などを踏まえて、それぞれの事業者が独立して行う必要があると考えております。
 したがって、もちろん、今日のお話と別の一般論として今申し上げているわけですけれども、そういった意味で、価格カルテルを行うことがないようにということは先月も申し上げたところでありますが、様々な業界において、今回のような調査に至らないよう、ぜひ各事業者において未然防止にも取り組んでいただきたいと思っているところでございます。
(問) 冒頭に犯則調査を行っていることは否定しないということをおっしゃいましたけれども、行政調査ではなく、犯則調査としてスタートした理由をお伺いしてもいいでしょうか。
(事務総長) 途中で申し上げましたけれども、平成17年に、公正取引委員会が、どういった案件について犯則調査を行うかといった方針を出しております。その中では、例えば、一定の取引分野における競争を実質的に制限する価格カルテルなどの違反行為であって、国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案であるとか、違反を反復して行っている事業者・業界、排除措置に従わない事業者等に係る違反行為のうち、行政処分によっては独占禁止法の目的が達成できないと考えられる事案、そういったものに該当すると疑うに足りる相当の理由のある独占禁止法違反被疑事件については犯則調査を行うという基準を設けております。そういった基準を踏まえつつ、今回も調査をスタートしているということになります。
(問) 今の段階で、どこまでお答えいただけるか分からないですが、今、おっしゃった中だと、前半の部分に該当するという認識でしょうか。
(事務総長) 今の時点では、お答えは差し控えたいと思います。
(問) 関係あるようなないような質問なのですが、昔だと、行政調査ですが、Googleの審査開始に当たって、情報提供の呼び掛けのために広く周知した事例がありましたけれども、前回の軽油のカルテルの犯則調査のときには、ちょうど調査のタイミングが会見の日で「調査始めました」とおっしゃっていて、今日は「調査があったことは否定しない」と。このニュアンスの違いは何かあるのでしょうか。
(事務総長) 特に何か差異を意図しているわけではありません。
(問) 先ほどもありましたが、9月2日の会見で、かなり踏み込んでカルテルに対して注意喚起をされていましたけれども、それは今回のことを念頭に置いてということだったのでしょうか。
(事務総長) 必ずしもそういうわけではありません。あのときも申し上げたと思いますが、いろいろな業界で価格が引き上げられるタイミングが、この9月、10月であったということも踏まえて、9月の会見でそういった申し上げ方をし、SNSなどでもそういった発信をしているということになります。当時の経済環境を踏まえた中で申し上げたと御理解いただければと思います。
(問) 今、いろいろと原材料価格であるとか物流費だとかの値上げがされている、物価が上昇している中、メーカーとしても共通して値上げをする要因がある中で、まだ確定はしていませんけれども、それでも今回、事業者の独立した値上げではなかったと判断になったポイントは何か、言える範囲で教えていただきたいです。
(事務総長) 今回、疑いということで調査をスタートしているというところでありますので、御質問にお答えすることは難しく、調査をした上で、事実関係を解明するということがまず先決かなと思っております。
(問) 仮に、メーカーが出荷価格でカルテルをしていた場合に、どういった影響が消費者などに及ぶか、お考えを伺いたいです。
(事務総長) 本件についてどうかということは、お答えを避けたいと思います。一般論として、いわゆる消費財にせよ、BtoBの商品、あるいは、その他のサービスであるにせよ、一般的にはカルテルが行われた場合には、最終消費者への影響はあるのかなと思っております。本件でどうかというのは、ここで申し上げるのは適当ではないと思いますので、お答えは控えたいと思います。
(問) 犯則調査に関連して伺えればと思います。このビール業界に関しては、1990年に公正取引委員会が価格の同調的引上げに関する報告の徴収で、調査を一度されているという経緯があると思いますが、そこから30年ほど経ってから、また調査に至った理由、経緯、関連しているかの有無について教えてください。
(事務総長) 今回の事件の関係ということになってまいりますので、ここまで私から申し上げた点以上について、今日、私の方でコメントすることは控えたいと思います。
(問) 引き続きで恐縮ですけれども、一般論でも構いませんが、こういったカルテルが増加傾向にあるような数字も出ているかと思いますが、業界的な背景といいますか、何か、考えられるものはあるのでしょうか。
(事務総長) 増加傾向にあると言えるかどうかはよく分かりませんが、独占禁止法は昭和22年からあるのですけれども、その頃から、こういったカルテル、独占禁止法では不当な取引制限という用語になりますが、この事件はものすごくたくさん起きているということになります。
 それは別に日本に限ったことではなくて、世界のいろいろな競争当局がカルテルの事件を調べているということになりますので、特に最近、何か特別な傾向があるとは考えておりません。今回の事件に関して言えば、まずは事実解明に全力投球をしていくということに尽きるかなと思っております。
(問) アイスであったりビールであったり、消費者に近い商品のカルテルというのは、社会的にも相当インパクトが強いなと感じているのですが、業者的な背景、事情みたいなものは、何か考えられる部分はありますでしょうか。
(事務総長) 今日の件もそうですし、御指摘のあった行政の事件もそうですけれども、いずれもまさに調査中あるいは調査をスタートしたばかりということになりますので、御指摘の点についてお答えするのは、難しいかなと思っております。
(問) これまでの質問とちょっと被ってしまうかもしれないのですが、改めて、このタイミングで調査に入った理由について、可能な範囲で教えていただけますでしょうか。
(事務総長) まさに犯則事件として調査をスタートするに足る証拠が得られたのでというところに尽きるところでありまして、それ以上の点についてはお答えを差し控えたいと思います。
(問) 企業取引研究会の内容について、よろしいでしょうか。配布された資料に、取適法の規制強化を受けて、一部の発注者が取適法の対象外となる事業者に取引先を変更する動きがあるという、取適法逃れのような内容が記載されていましたが、実際どのような取引先変更が起きているのか、何か具体例があればお伺いできればと思っています。例えば件数とか、あるいは業界とか、あと、いつぐらいから始まったとか、そういった部分を知りたいと思います。あと、こういった場合、今後どう対応していくのか、既存の取適法で対応していくのか、若しくは独占禁止法で対応していくのか、このあたりをお伺いできますか。
(事務総長) 御指摘の点は、恐らく、中小企業庁の調査なり聞取りでの話だと思いますので、私から直接お話しするのは適当ではないと思います。ただ、取適法の対象でなければ、もう法適用があり得ないのかというと、そういうわけではありません。独占禁止法の優越的地位の濫用といった観点での問題というのはあり得るものですので、どういった法律を適用するのが適当か、適用することが可能なのかということを考えるということになってくるのかなと思っております。

以上

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