日本国公正取引委員会とバングラデシュ競争委員会との間の協力に関する覚書

日本国公正取引委員会とバングラデシュ競争委員会との間の協力に関する覚書

　日本国公正取引委員会及びバングラデシュ競争当局（以下「両当局」と総称し、個別に「当局」という。）は、競争法・政策の効果的な執行が日本国及びバングラデシュにおける効率的な市場及び両国国民の経済厚生を支持する環境を強化するために、両当局間の協力及び調整が重要であることを認識し、それぞれの属する国における競争法・政策の効果的な実施について互いに協力することの意義及び重要性を認識し、両当局間における競争法・政策に関する良好な連絡体制の確立が、両当局間の関係の改善及び強化に寄与することを認識して、以下の意図を表明した。
 

パラグラフ1　定義

この覚書の適用上、｢競争法｣とは、

パラグラフ2　協力の目的

この覚書は、両当局間の協力関係の進展を通じて、それぞれの国の競争法の効果的な執行に貢献することを目的とする。

パラグラフ3　協力の範囲

3.1.両当局は、それぞれの属する国の法令、両当局の共通の利益及び自己の合理的に利用可能な資源の範囲内で、以下の分野において協力する。

3.2. 両当局は、この覚書に基づく協力の促進のための連絡窓口を以下のとおり任命し、当該連絡窓口間の効果的な情報交換及び協力を確保する。各当局の連絡窓口は以下のとおりとする。

パラグラフ4　情報の秘密性

4.1. それぞれの当局は、当該当局の属する国の法令に従い、他方の当局によってこの覚書の下で秘密のものとして提供されたあらゆる情報の秘密性を保持する。

4.2. この覚書の下で一方の当局から他方の当局に提供される情報（公に利用可能な情報を除く。）については、受領した当局は、その国の競争法の効果的な執行のためにのみ使用するものとし、かつ、第三者に開示してはならない。

4.3. この覚書の他の規定にかかわらず、いずれの一方の当局も、当該当局の属する国の法令によって禁止されている場合又は自己の重要な利益と両立しないと認める場合には、他方の当局に情報を提供することを要しない。

4.4. この覚書の下で一方の当局から他方の当局に提供される情報（公に利用可能な情報を除く。）については、受領した当局により、当該受領した当局の属する国の裁判所又は裁判官が行う刑事手続において使用されてはならない。

4.5. このパラグラフの規定は、情報を受領した当局が、自国の法令により要求される限度において、この覚書に基づき提供された当該情報の使用又は開示を行うことを妨げない。そのような場合には、当該受領した当局は、可能な限り、情報を提供した当局に対し当該使用又は開示について事前に通報する。

パラグラフ5　雑則

この覚書は、両当局又はそれぞれの政府に対して、法的拘束力のある権利又は義務を新たに設けるものではない。

パラグラフ6　開始、終了及び修正

6.1. この覚書は、署名の日から開始される。

6.2. いずれか一方の当局は、他方の当局に対し、少なくとも60日前に文書で事前通告することにより、この覚書に基づく協力を終了させることができる。

6.3. この覚書は、両当局の書面による同意により修正することができる。

パラグラフ７　紛争の解決

両当局は、この覚書の解釈又は適用に関するいかなる見解の相違又は紛争についても協議を通じて解決する。



2025年４月21日に東京において、英語により、等しい価値を有する2通に署名された。
 

日本国公正取引委員会のために	バングラデシュ競争委員会のために
日本国公正取引委員会	バングラデシュ競争委員会
委員長	委員長
古谷一之	A.H.M. アーサン

関連ファイル

(令和7年4月21日)バングラデシュ競争委員会との協力に関する覚書の締結について(105 KB)

日本国公正取引委員会とバングラデシュ競争委員会との間の協力に関する覚書(正文(英語))(701 KB)

日本国公正取引委員会とバングラデシュ競争委員会との間の協力に関する覚書(仮訳(日本語))(653 KB)