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ベトナム競争庁との協力に関する取決め

ベトナム競争庁との協力に関する取決め

(正文は英語であり,日本語は仮訳です。)

日本国公正取引委員会とベトナム社会主義共和国競争庁との間の協力に関する取決め

第一条 協力の目的

 この取決めは、経済上の連携に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の協定(以下「協定」という。)第104条第1項に基づき、日本国公正取引委員会とベトナム社会主義共和国競争庁(以下「両競争当局」と総称し、個別に「競争当局」という。)との間の協力の枠組みを設定し、協定第101条及び第102条に規定する協力の実施に関する詳細及び手続を定める。

第二条 定義

この取決めの適用上、
(a) 「競争法」とは、
(i) 日本国については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)(以下「独占禁止法」という。)並びにその実施について定める命令及び規則並びにそれらの改正をいう。
(ii) ベトナム社会主義共和国については、競争法(法律第27号/2004/QH一一)並びにその実施について定める命令及び規則並びにそれらの改正をいう。
(b) 「執行活動」とは、競争当局が当該競争当局の属する国の競争法の適用に関連して行う審査又は手続をいい、次のものを含まない。
(i) 事業活動の監視又は通常の届出、報告若しくは申請の審査
(ii) 経済概況又は特定の産業分野における概況の調査を目的とする調査研究活動

第三条 通報

1 一方の競争当局は、他方の競争当局に対し,他方の競争当局の重要な利益に影響を及ぼす可能性があると認める自己の執行活動について通報する。
2 前項の規定に基づく通報は、一方の競争当局の執行活動が他方の競争当局の重要な利益に影響を及ぼす可能性があることを一方の競争当局が了知した場合には、一方の競争当局の属する国の法令に反しないこと及び一方の競争当局が実施している審査又は手続に影響を及ぼさないことを条件として、できる限り速やかに行う。

第四条 情報交換

 一方の競争当局は、適当な場合には、当該競争当局の属する国の法令及び自己の重要な利益に適合する限りにおいて、かつ、自己の合理的に利用可能な資源の範囲内で、他方の競争当局の執行活動に関連する情報を当該他方の競争当局に提供する。

第五条 執行活動の調整

1 両競争当局が相互に関連する事案に関して執行活動を行う場合には、両競争当局は、それぞれの執行活動の調整について検討する。
2 一方の競争当局は、他方の競争当局に適切な通報を行うことを条件として、執行活動の調整をいつでも限定し、又は終了し、及び自己の執行活動を独自に行うことができる。

第六条 情報伝達

1 両競争当局は、自己の合理的に利用可能な資源の範囲内で、以下の分野において協力する。
(a) 競争政策及び競争法執行に係る重大な進展について、相互に継続的に情報提供すること。
(b) 適当な場合には,競争法執行の経験を交換すること。
(c) 競争政策及び競争法執行に関する情報を相互に求めること。
(d) 両競争当局間の協力関係に関連する可能性のある二国間又は多国間の場に関する進展について議論すること。
2 両競争当局は、この取決めに基づく協力の促進のための連絡窓口を以下のとおり指名し、当該連絡窓口間の十分な交流及び協力を効果的に実施する。

日本国公正取引委員会:事務総局官房国際課

ベトナム社会主義共和国競争庁:国際協力課

3 両競争当局間の情報交換は、適当な場合には電話、電子メール、テレビ会議、会議、又は他の手段で実施することができる。

第七条 技術協力

協定第102条に規定する技術協力活動には、両競争当局の合理的に利用可能な資源の範囲内で行われる次の活動を含めることができる。
(a) 研修のため両競争当局の職員を交流させること。
(b) 一方又は双方の競争当局が組織し、又は後援する競争法及び競争政策の実施に関する研修課程において、両競争当局の職員が講師又はコンサルタントとして参加すること。
(c) 両競争当局が決定するその他の形態の技術協力を行うこと。

第八条 情報の秘密性

1 一方の競争当局は、当該競争当局の属する国の法令に従い、他方の競争当局がこの取決めの下で秘密のものとして提供するあらゆる情報の秘密性を保持する。
2 この取決めの下で一方の競争当局から他方の競争当局に提供される情報(公に利用可能な情報を除く。)については、受領した競争当局は、その競争法の効果的な執行のためにのみ使用するものとし、かつ、他の当局又は第三者に伝達してはならない。
3 この取決めの他の規定にもかかわらず、いずれの一方の競争当局も、その国の法令によって禁止されている場合又は自己の重要な利益と両立しないと認める場合には、他方の競争当局に情報を提供することを要しない。
4 この取決めの下で一方の競争当局から他方の競争当局に提供される情報(公に利用可能な情報を除く。)については、受領した競争当局により、裁判所又は裁判官が行う刑事手続において使用されてはならない。

第九条 その他

1 この取決めに基づく協力は、署名の日から開始される。
2 一方の競争当局は、他方の競争当局に対し30日前に文書で通告することにより、この取決めに基づく協力を終了させることができる。
3 この取決めは、両競争当局の書面による同意により変更することができる。
4 この取決めのいかなる規定も、法的拘束力のある権利又は義務を創造するものではない。この取決めに基づく両競争当局間の全ての協力は、それぞれの属する国において効力を有する法令に従って、自己の合理的に利用可能な資源の範囲内で実施される。
5 両競争当局は、この取決めに関するいかなる問題についても協議する。
6 この取決めを実施するための補足取決めは、両競争当局間で定めることができる。

2013年8月28日にマニラ首都圏において、英語により、2通署名された。

日本国公正取引委員会のために

ベトナム社会主義共和国競争庁のために

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