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(平成11年度:事例12)三井信託銀行(株)と中央信託銀行(株)の合併(平成12年2月届出受理,平成12年4月合併)(新会社名 中央三井信託銀行(株))

(平成11年度:事例12)三井信託銀行(株)と中央信託銀行(株)の合併(平成12年2月届出受理,平成12年4月合併)(新会社名 中央三井信託銀行(株))

1 本件の概要

(1) 本件は,専業信託銀行である三井信託銀行(株)と中央信託銀行(株)が,同業種の銀行が合併することにより,重複する店舗,システム等を削減して経営効率を向上させ,また,営業基盤の拡大を図ること等を目的として合併するものである。

(2) 金融分野においては,金融システム改革が進展してきているところ,信託業に関しては,銀行や証券会社の信託子会社の業務範囲制限が撤廃されるなどにより,事業者間の競争が今後ますます活発になるものと見込まれている。

2 独占禁止法上の考え方

(1) 一定の取引分野

 本件合併においては,(1)銀行業務(預金及び貸出),(2)信託業務及び(3)証券代行業務それぞれに一定の取引分野が成立すると判断した。

(2) 競争への影響

 本件合併については,以下の点を総合的に勘案すれば,(1)で画定した一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

ア 銀行業務

 全国規模で営業活動を行う都市銀行,長期信用銀行,信託銀行でみると,預金,貸出とも,当事行の合算シェアは数%程度にとどまる。

イ 信託業務

 信託全体では合算シェアは約20%弱となり,その順位が第1位となる。また,個別の信託分野では,年金信託等について合算シェアが20%超となり,その順位が第1位となる。
 しかしながら,信託業を営む事業者には,全国規模で事業活動を行う有力な競争業者が複数存在しているところ,長期化する低金利や規制緩和により投資信託等の銀行窓口販売が解禁されたこと等を背景として資産の運用手段として信託のニーズは高まってきている。
 また,年金の管理・運用を行う生命保険会社が扱う年金商品との競合や,高齢化社会の到来を控え年金信託市場の拡大が見込まれるところ,銀行及び証券会社の信託子会社の参入が解禁されたこと等,競争的な環境となっている。

ウ 証券代行業務

 当事行の合算シェアは約30%となり,その順位が第1位となるが,20%超のシェアを有するものを含め有力な競争業者が複数存在するほか,銀行の信託子会社が参入を図るなど,競争が活発に行われている。

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