公正取引委員会は,独占禁止法に違反する行為が行われている疑いがある場合には,事件関係人の営業所への立入検査や関係者からの事情聴取等の調査を行っています。
独占禁止法違反被疑事件のうち,犯則事件(法第89条,法第90条及び法第91条の罪に係る事件)を調査するため必要があるときには,裁判官の発する許可状により,臨検,捜索又は差押えを行うことができます。これを「犯則調査権限」と呼んでいます。
犯則事件について
公正取引委員会は,
- 一定の取引分野における競争を実質的に制限する価格カルテル,供給量制限カルテル,市場分割協定,入札談合,共同ボイコット,私的独占その他の違反行為であって,国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案
- 違反を反復して行っている事業者・業界,排除措置に従わない事業者等に係る違反行為のうち,公正取引委員会の行う行政処分によっては独占禁止法の目的が達成できないと考えられる事案
について,積極的に刑事処分を求めて告発を行う方針であり,これらの事案に該当すると疑うに足りる相当の理由のある独占禁止法違反被疑事件を犯則調査の対象としています。
独占禁止法違反に対する刑事告発及び犯則事件の調査に関する公正取引委員会の方針はこちら
犯則調査権限の内容
- 犯則事件を調査するため必要があるときは,裁判官の発する許可状により,臨検,捜索又は差押えを行うことができます。(法第102条第1項・第2項)
- 犯則調査により犯則の心証を得たときは,検事総長に告発を行います。(法第74条第1項)
犯則調査権限の必要性
- 証拠収集能力の強化
- 手続の適正化
犯則調査の流れ
(参考)国内の犯則調査権限
- 国税犯則取締法(脱税)
- 金融商品取引法(インサイダー取引,相場操縦等)