11 会員の価格決定に関する団体交渉 [団体ガイドライン1-(1)-6]

1 相談者

 医療機関の団体(平成9年度)

2 相談の要旨

(1) 医療機関の実施する人間ドックの料金は自由診療料金であり,当団体の会員もそれぞれ独自の判断で診療科目や料金の設定を行っている。

(2) 当団体は,保険組合からの要請により,保険組合に所属する被保険者等が受ける人間ドックについて,依頼に応じて当団体の会員が検診を実施することとし,これに対応が可能な病院をあらかじめ推薦する旨を内容とする契約を交わしている。
 この契約に基づき,当団体は,保険組合に対し,人間ドックを実施できるだけの一定レベルの設備を備えている会員のリストを提供している。
 保険組合は,被保険者の人間ドック受診に際して支払っている助成金の負担を低く押さえるため,最高料金を設定しており,当団体は,これを会員に通知している。

(3) 以上のような状況で,会員から,保険組合の最高料金について引上げの要望があるため,当団体が代表して価格交渉を行うことは,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1) 事業者団体が,構成事業者とその取引の相手方との価格に関する交渉を,団体で行い,又は構成事業者に共同して行わせることは,原則として独占禁止法違反となる。[団体ガイドライン1-(1)-6(団体による価格交渉等)]

(2) 会員の意向を保険組合に伝えたり,相手方の意向を会員に伝えるなど,団体は単なる窓口であり,団体が会員の料金設定に関与しないのであれば独占禁止法上問題とはならないが,団体として価格交渉を行うことは,これにより会員の人間ドックの料金に関する合意に結び付くおそれがあり,独占禁止法上問題となる。

4 回答の要旨

 団体が価格交渉を行うことは,独占禁止法上問題となる。

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