13 オゾン層破壊物質の使用抑制のお願い [団体ガイドライン2-1]

1 相談者

 農薬製造業者の団体(平成6年度)

2 相談の要旨

(1) オゾン層を保護するために,その破壊物質(フロン,ハロン等)の規制を定める国際条約として「モントリオール議定書」が締結されており,我が国も批准している。平成4年11月,同議定書が改正され,フロン,ハロンなどに続いて,当団体の会員が製造する臭化メチルが新たに規制対象物質に指定され,平成7年以降,生産量は平成3年の水準に凍結されることとなった。
 現在の臭化メチルの生産量は平成3年の実績を10%程度上回っているため,会員各社はそれぞれ生産量を削減する必要があるが,そのためにはユーザー(農家)にも使用量を抑制してもらうなどの協力が必要である。

(2) そこで,当団体として,会員の取引先(農協等)に対して,「モントリオール議定書」改正の趣旨を説明し,会員各社とも生産量を削減せざるを得ないことについて理解を求めるとともに,臭化メチルの適量使用について協力を要請することとしたいが,独占禁止法上問題ないか。
 なお,「モントリオール議定書」を受けて,「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」が制定されており,同議定書による規制対象物質を製造しようとする者は,規制年度ごとに,製造量について通産大臣の許可を受けなければならないとされている。

3 独占禁止法上の考え方

(1) 事業者団体において,構成事業者が供給し,又は供給を受ける商品又は役務の数量を制限することは,独占禁止法上問題となる。[団体ガイドライン2-1(数量の制限)]

(2) 団体として,臭化メチルが「モントリオール議定書」に基づく規制対象物質に指定されたことを受けて,会員の取引先に対し,臭化メチルの生産削減の趣旨を説明するとともに,その使用量の抑制について理解・協力を求めることは,それにとどまる限り独占禁止法上問題ない。
 ただし,これを契機に,団体として,会員に対して臭化メチル生産量の割当て等を行う場合には,独占禁止法上問題となる。

4 回答の要旨

 団体が,会員の取引先に対し,臭化メチルの生産削減等の趣旨を説明するとともに,その使用量の抑制について理解・協力を求めることは,独占禁止法上問題ない。

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