トラックメーカーが,小型トラックについて開発・製造を中止し,同業者からOEM供給を受けることとすることは,独占禁止法上問題ないと回答した事例
1 相談者
マツダ株式会社及びいすゞ自動車株式会社
2 相談の要旨
本件は,マツダ株式会社(以下「マツダ」という。)が乗用車部門等に注力するため,従来製造販売してきたトラックのうち,小型トラックの一車種について,いすゞ自動車株式会社(以下「いすゞ」という。)から,OEM(Original EquipmentManufacturing 相手先ブランドによる受託生産)供給を受けようとするものである。
また,本件行為後においても販売及びサービスについては,両社が独立して行い,資本関係の構築も行わない。
3 独占禁止法上の考え方
(1) 一定の取引分野
本件対象商品は小型トラックであることから,小型トラックの製造販売分野を一定の取引分野と画定した。
(2) 競争への影響
本件については,次の点を考慮すれば,上記(1)で画定した取引分野における競争を実質的に制限することとはならないものと判断した。
ア 本件行為後におけるいすゞの生産数量シェアは約15%・第3位となるが,同約40%,同約20%及び同約15%を有する有力な競争業者が存在すること
イ 当事会社は,本件行為後においても,販売事業については独立して行い,互いに販売価格や取引先などについては一切関与しないとしていること
4 回答の要旨
以上から,事前相談申出書に記載された2社の行為は,独占禁止法上問題とはならない。
○ 本件相談は,事前相談制度に基づくものであり,平成15年9月30日付けでその内容を公表しているところである。