2 情報サービス提供業者による利用料金の決定

 情報サービス提供業者が,代理店に対して,利用申込みの取次ぎ及び利用料金の回収を委託した上で,情報サービスのユーザー向け利用料金を決定することについて,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 X社(情報サービス提供業者)

2 相談の要旨

(1)X社は,インターネットを通じて情報サービスを提供する事業者である。

(2)X社は,法人等(以下「ユーザー」という。)向けに新たな情報サービスを提供するに当たり,代理店に対して,
[1] ユーザーからの情報サービスの利用申込書をX社に取り次ぐこと
[2] ユーザーから情報サービスの利用料金としてX社が提示する料金を回収すること
を委託し,代理店が受け取る手数料を差し引いた額をX社に支払うこととした上で,情報サービスのシステムを自ら管理・運用し,情報の更新やシステムのトラブルには自ら対応することを前提に,その利用料金を自ら決定することを検討している。

  • 本件の概要図

 このようなX社の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1)相手方とその取引の相手方との取引その他相手方の事業活動を不当に拘束する条件を付けて,当該相手方と取引することは,不公正な取引方法(一般指定第12項〔拘束条件付取引〕)に該当し,独占禁止法上問題となる(同法第19条)。

(2)本件は,X社が,自らが決定した情報サービスの利用料金を代理店に回収させるものであるが,取引の内容としては,X社が,代理店に対して,利用申込みの取次ぎ及び利用料金の回収に関する業務を委託するものであり,情報サービスはX社が自らインターネットを通じてユーザーに直接提供するものであることから,独占禁止法上問題となるものではない。

4 回答の要旨

 X社が,代理店に対して,利用申込みの取次ぎ及び利用料金の回収を委託した上で,情報サービスのユーザー向け利用料金を決定することは,独占禁止法上問題となるものではない。

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