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6 競合する輸送機械メーカーによる商品のレンタルサービスの共同実施について

 輸送機械メーカー2社が,輸送機械のレンタルサービスに係る実証実験を共同で実施することについて,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 X社及びY社(輸送機械メーカー)

2 相談の要旨

(1)X社及びY社(以下「2社」という。)は,輸送機械Aのメーカーである。
 我が国の輸送機械Aの製造販売市場における市場シェアは,X社が約50パーセント(第1位),Y社が約30パーセント(第2位)である。

(2)輸送機械Aには,構造及び燃料の異なる輸送機械A1と輸送機械A2が存在する。輸送機械A1については,2社ともに製造販売を行っている。輸送機械A2については,現在はY社のみが製造販売を行っているが,X社も今後製造販売を行うこととしている。

(3)近い将来,環境規制の強化により,輸送機械A1は環境基準に適合しなくなる可能性があることから,輸送機械Aのメーカーにとっては,今後,環境基準に適合する輸送機械A2の普及が重要な課題となっている。

(4)輸送機械A2の販売台数はまだ僅少であり,今後,輸送機械A2を普及させるためには,輸送機械A2の利用実態を把握することが課題となっている。

(5)そこで,2社は,実証実験として,Z駅の近隣にレンタル拠点を設置し,次のとおり,輸送機械A2のレンタルサービス等を共同で実施したいと考えている。ただし,同拠点の利用圏内には,同種又は類似の事業を行っている事業者は存在しない。
  ア 実証実験の実施地域はZ駅周辺とし,実施地域は拡大しない。
  イ 実証実験の実施期間は3年間とし,実施期間は延長しない。
  ウ レンタルする輸送機械A2の台数は少数に限定する。
 このような2社の取組は,独占禁止法上問題ないか。

  • 本件の概要図

平成29年度相談事例集事例6概要図

3 独占禁止法上の考え方

(1)事業者が,契約,協定その他何らの名義をもってするかを問わず,他の事業者と共同して対価を決定し,維持し,若しくは引き上げ,又は数量,技術,製品,設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し,又は遂行することにより,公共の利益に反して,一定の取引分野における競争を実質的に制限することは,不当な取引制限(独占禁止法第2条第6項)に該当し,独占禁止法上問題となる(同法第3条)。

(2)本件は,輸送機械AのメーカーであるX社及びY社が,環境基準に適合する輸送機械A2のレンタルサービスに係る実証実験を行うものであるところ,
 ① 2社による輸送機械A2の普及を目的とした実証実験であり,実施期間や実施地域が限定され,期間の延長又は地域の拡大の予定はないこと
 ② 当該レンタル拠点の近隣において,同種又は類似の事業を行っている事業者が存在しないところ,レンタルする輸送機械A2の台数が少数に限定されており,当該利用圏内における同種又は類似の事業への新規参入を困難にさせるおそれがあるとはいえないこと
から,レンタル拠点の利用圏内における輸送機械A2のレンタルサービス事業分野における競争を実質的に制限するものではなく,独占禁止法上問題となるものではない。
 

4 回答の要旨

 2社が,輸送機械A2のレンタルサービスに係る実証実験を共同で実施することは,独占禁止法上問題となるものではない。

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