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1 受注工事の会員間での配分 [団体ガイドライン3-3,入札ガイドライン1-1-4]

1 受注工事の会員間での配分 [団体ガイドライン3-3,入札ガイドライン1-1-4]

1 相談者

 地方の建設業者の団体(平成11年度)

2 相談の要旨

(1) 当地区においては,近く大規模な工事が予定されている。この工事は第2期工事であり,数年前の第1期工事においては,多数の大手ゼネコンが工事に参加し,当団体の会員である地元建設業者は下請業者としてしか工事に参加できず,地元への経済効果が薄かった。

(2) このため,この第2期工事においては,発注者に対して,地元企業に優先的に発注するよう陳情活動を行っているところであるが,会員が受注した場合には,団体が他の会員を下請業者とすることにより,その工事を会員数社に配分したいと考えているのだが,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1) 事業者団体が,受注の配分,受注予定者の決定等を行い,これにより市場における競争を実質的に制限することは,独占禁止法第8条第1項第1号の規定に違反する。また,市場における競争を実質的に制限するまでには至らない場合であっても,原則として独占禁止法第8条第1号第4号の規定に違反する。[団体ガイドライン3-3(受注の配分,受注予定者の決定等)]
 また,事業者団体が,受注予定者に他の入札参加者等に対して業務発注,金銭支払等の利益供与をさせることは,受注予定者又は受注予定者の選定方法の決定を前提にして,その決定を容易にし,又は強化等するために行われるものであるが,このような行為は,それ自体独立で違反となる場合がある。[入札ガイドライン1-1-4(他の入札参加者等への利益供与)]

(2) 相談の場合においては,第2期工事において会員が受注した工事について,団体が他の会員を下請業者とすることにより会員間で利益を共有するよう決定するものであり,これは,団体が会員間で受注を配分するものであることから,独占禁止法上問題となる。

4 回答の要旨

 団体が,会員が受注した工事について,他の会員を下請業者とすることにより会員間で受注を配分することは,独占禁止法上問題となる。

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