令和7年6月17日
公正取引委員会
公正取引委員会は、株式会社光文社(以下「光文社」という。)に対して調査を行ってきたところ、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下「フリーランス・事業者間取引適正化等法」という。)第3条第1項(取引条件の明示義務)及び第4条第5項(期日における報酬支払義務)の規定に違反する事実が認められたので、本日、フリーランス・事業者間取引適正化等法第8条第1項及び第2項の規定に基づき、光文社に対して勧告を行った。
1 違反行為者の概要
法 人 番 号 | 4010001002610 |
名 称 | 株式会社光文社 |
本店所在地 | 東京都文京区音羽一丁目16番6号 |
代 表 者 | 代表取締役 巴 一寿 |
事業の概要 | 出版業 |
資 本 金 | 1800万円 |
2 違反事実の概要
⑴ 光文社は、個人であって、従業員を使用しないもの又は法人であって、一の代表者以外に他の役員がなく、かつ、従業員を使用しな
いもの(以下「特定受託事業者」という。)に対し、自らが出版する月刊誌、週刊誌、文庫本等に関する原稿、写真データ、イラスト
等の作成、ヘアメイクの実施、撮影道具等の手配等を委託している(以下、これらの委託を「本件業務委託」と総称する。)。
⑵ 光文社は、令和6年11月1日から令和7年2月27日までの間、特定受託事業者31名に対し本件業務委託をした際に、直ちに、
特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項(フリーランス・事業者間取引適正化等法第3条第1項に規定するも
のをいう。以下「明示事項」という。)を、書面又は電磁的方法により当該事業者に対し明示しなかった。
⑶ 光文社は、令和6年11月1日から令和7年2月27日までの間、特定受託事業者31名に対し本件業務委託をした際に、直ちに、
報酬の支払期日を当該事業者に明示しておらず、当該事業者に対し、当該事業者の給付を受領した日又は当該事業者から役務の提供を
受けた日までに報酬を支払わなかった。
3 勧告の概要
⑴ 光文社は、フリーランス・事業者間取引適正化等法を遵守する体制を確立するため、次の措置を講ずること。
ア 次の事項を取締役会の決議により確認すること
(ア) 前記2⑵の行為が、フリーランス・事業者間取引適正化等法第3条第1項の規定に違反するものであること
(イ) 今後、特定受託事業者に対し業務委託をした場合に、直ちに、明示事項を、書面又は電磁的方法により当該特定受託事業者に対
し明示す ること
(ウ) 前記2⑶の行為が、フリーランス・事業者間取引適正化等法第4条第5項の規定に違反するものであること
(エ) 今後、特定受託事業者に対し業務委託をした場合に、当該特定受託事業者に対し、フリーランス・事業者間取引適正化等法第4
条第1項の規定により定められた支払期日までに報酬を支払うこと
イ 令和6年11月1日から令和7年6月17日までの間に、特定受託事業者31名に対し業務委託をした内容と同種又は類似の内容
の業務委託をした特定受託事業者に係る取引について、フリーランス・事業者間取引適正化等法第3条第1項及び第4条第5項の観
点から問題が生じていなかったのかを調査し、問題が認められた場合には、特定受託事業者に係る取引の適正化のために必要な措置
を講ずること
ウ 以下について、自社の役員及び従業員に対するフリーランス・事業者間取引適正化等法の研修を行うなど社内体制の整備のために
必要な措置を講ずること
(ア) 今後、特定受託事業者に対し業務委託をした場合に、直ちに、明示事項を、書面又は電磁的方法により当該特定受託事業者に対
し明示すること
(イ) 今後、特定受託事業者に対し業務委託をした場合に、当該特定受託事業者に対し、フリーランス・事業者間取引適正化等法第4
条第1項の規定により定められた支払期日までに報酬を支払うこと
⑵ 光文社は、前記⑴に基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
⑶ 光文社は、前記⑴及び⑵に基づいて採った措置を取引先特定受託事業者に通知すること。
⑷ 光文社は、前記⑴から⑶までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
関連ファイル
(令和7年6月17日)株式会社光文社に対する勧告について(345 KB)
(令和7年6月17日)出版業界の皆様へ~フリーランス法広報コンテンツの御案内~(336 KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部フリーランス取引適正化室
電話 03-3581-5479(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/