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(令和7年6月25日)島村楽器株式会社に対する勧告について

(令和7年6月25日)島村楽器株式会社に対する勧告について

令和7年6月25日
公正取引委員会

 

 公正取引委員会は、島村楽器株式会社(以下「島村楽器」という。)に対して調査を行ってきたところ、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下「フリーランス・事業者間取引適正化等法」という。)第3条第1項(取引条件の明示義務)及び第4条第5項(期日における報酬支払義務)の規定に違反する事実が認められ、また、第5条第2項第1号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する事実が認められたので、本日、フリーランス・事業者間取引適正化等法第8条第1項、第2項及び第5項の規定に基づき、島村楽器に対して勧告を行った。

1 違反行為者の概要

法 人 番 号  8011701003943
名   称  島村楽器株式会社
本店所在地  東京都江戸川区平井六丁目37番3号
代 表 者  代表取締役 廣瀬 利明
事業の概要  国内外各種楽器、音楽書籍、音楽雑貨等の販売、音楽教室の運営等
資 本 金  1億円

2 違反事実の概要

⑴  島村楽器は、個人であって、従業員を使用しないもの又は法人であって、一の代表者以外に他の役員がなく、かつ、従業員を使用し  ないもの(以下「特定受託事業者」という。)に対し、自らが運営する音楽教室のうちミュージックスクールにおいて行う消費者向け  のレッスン、体験レッスン(音楽教室のうちミュージックスクールへの入会前に消費者が無料でレッスン内容を体験することをいう。  以下同じ。)、スクール短期レッスン等の実施、当該音楽教室が主催する発表会や音楽イベントでの演奏や運営等の実施等を委託して  いる(以下、これらの委託を「本件業務委託」と総称する。)。
⑵  島村楽器は、令和6年11月1日から令和7年2月6日までの間、特定受託事業者97名に対し、本件業務委託をした際に、直ち  に、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項(フリーランス・事業者間取引適正化等法第3条第1項に規定  するものをいう。以下「明示事項」という。)を、書面又は電磁的方法により当該事業者に対し明示しなかった。
⑶ア 島村楽器は、令和6年11月12日に行った本件業務委託について、特定受託事業者1名の本件業務委託に係る報酬の支払期日を   「毎月末日締切、翌々月10日支払」として、当該事業者から役務の提供を受けた日から起算して60日を超える期日に定め、当該   事業者に明示しており、当該事業者に対し、当該期日に報酬を支払った。
 イ 島村楽器は、令和6年11月1日から令和7年2月6日までの間、特定受託事業者85名に対し本件業務委託をした際に、直ち   に、報酬の支払期日を当該事業者に明示しておらず、当該事業者に対し、当該事業者の給付を受領した日又は当該事業者から役務の   提供を受けた日までに報酬を支払わなかった。
⑷ア 島村楽器は、特定受託事業者11名に対し、1か月以上の期間、本件業務委託を行っている。
 イ 島村楽器は、令和6年11月1日から令和7年2月6日までの間、当該特定受託事業者11名に対し、合計19回の体験レッスン   を無償で行わせていた。

3 勧告の概要

⑴ 島村楽器は、前記2⑷の特定受託事業者に対し、合計19回の体験レッスンを無償で行わせていたことによる当該体験レッスンの対  価に相当する額を、公正取引委員会の確認を得た上で、速やかに支払うこと。
⑵  島村楽器は、フリーランス・事業者間取引適正化等法を遵守する体制を確立するため、次の措置を講ずること。
 ア 次の事項を取締役会の決議により確認すること
  (ア) 前記2⑵の行為が、フリーランス・事業者間取引適正化等法第3条第1項の規定に違反するものであること
  (イ) 今後、特定受託事業者に対し業務委託をした場合に、直ちに、明示事項を、書面又は電磁的方法により当該特定受託事業者に対    し明示すること
  (ウ)  前記2⑶の行為が、フリーランス・事業者間取引適正化等法第4条第5項の規定に違反するものであること
  (エ)  今後、特定受託事業者に対し業務委託をした場合に、当該特定受託事業者に対し、フリーランス・事業者間取引適正化等法第    4条第1項の規定により定められた支払期日までに報酬を支払うこと
  (オ)  前記2⑷の行為が、フリーランス・事業者間取引適正化等法第5条第2項第1号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反す    るものであること
  (カ) 今後、特定受託事業者に対し、自己のために経済上の利益を提供させることにより、当該特定受託事業者の利益を不当に害さな    いこと
 イ 令和6年11月1日から令和7年6月25日までの間に、前記2⑵から⑷までの特定受託事業者に対し業務委託をした内容と同種   又は類似の内容の業務委託をした特定受託事業者に係る取引について、フリーランス・事業者間取引適正化等法第3条第1項、第4   条第5項及び第5条第2項第1号の観点から問題が生じていなかったのかを調査し、問題が認められた場合には、特定受託事業者に   係る取引の適正化のために必要な措置を講ずること
 ウ 以下について、自社の役員及び従業員に対するフリーランス・事業者間取引適正化等法の研修を行うなど社内体制の整備のために   必要な措置を講ずること
  (ア) 今後、特定受託事業者に対し業務委託をした場合に、直ちに、明示事項を、書面又は電磁的方法により当該特定受託事業者に対    し明示すること
  (イ) 今後、特定受託事業者に対し業務委託をした場合に、当該特定受託事業者に対し、フリーランス・事業者間取引適正化等法第4    条第1項の規定により定められた支払期日までに報酬を支払うこと
  (ウ) 今後、特定受託事業者に対し、自己のために経済上の利益を提供させることにより、当該特定受託事業者の利益を不当に害さな    いこと
⑶ 島村楽器は、前記⑴及び⑵に基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
⑷ 島村楽器は、前記⑴から⑶までに基づいて採った措置を取引先特定受託事業者に通知すること。
⑸ 島村楽器は、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。

関連ファイル

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局取引部フリーランス取引適正化室
電話 03-3581-5479(直通)
ホームページ  https://www.jftc.go.jp/

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