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(平成31年2月28日)有識者と公正取引委員会との懇談会で出された主な意見について

(平成31年2月28日)有識者と公正取引委員会との懇談会で出された主な意見について

平成31年2月28日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,毎年度,全国各地区において経済団体代表,消費者団体代表,学識経験者,教育委員会関係者等の有識者と当委員会の委員等との懇談会を開催することで,各地区の実情や幅広い意見・要望を把握し,独占禁止法等の運用にいかしています。
 平成30年度においては,各地区における有識者との懇談会を平成30年11月に別紙1のとおり開催しました。これらの懇談会において有識者から示された主な意見の概要は以下のとおりです(その他の意見を含む地区別の意見は別紙2のとおりです。)。
 公正取引委員会としては,これらの意見を踏まえて,今後とも独占禁止法等の的確な運用に努めてまいります。

1 独占禁止法の運用・競争政策の唱導について

  •  メーカーや卸売業者等がインターネットを利用して直接消費者に販売するようになり,インターネット上において,様々な商品が廉価販売されるようになった。インターネット上において不当廉売等が行われると,全国の小売業者に大きな影響があるため,独占禁止法違反行為が行われていないか十分に監視し,独占禁止法違反行為があれば迅速に対処していただきたい。(大分市)
  •  地方都市における技術革新を進展させるためにも,IT分野のガリバー企業が新規参入を妨害するなどの技術革新の普及を阻む行為がないか目を光らせてほしい。(徳島市)
  •  キャッシュレスの取組を推進していくに当たり,販売店側の販売データが決済事業者に吸い上げられるだけでなく,決済事業者から販売店側の販売促進に一定程度活用できるようなデータ提供を受けられる仕組みを作っていく必要があると感じている。(水戸市)
  •  ベンチャー企業は,イノベーションを起こして市場を開拓するということに力を注いでおり,独占禁止法についての関心が低いため,知らず知らずのうちに違反行為を行ってしまう可能性があるので,独占禁止法の内容を周知していく必要がある。(水戸市)
  •  公正取引委員会が発表した携帯電話市場の実態調査報告書は,通信と端末をセットで販売する場合等の競争政策上の問題点が非常に分かりやすくまとめられており,ユーザーのことを考えた報告書になっていると思う。今後,ユーザーが,端末や通信プランを自由に選択できる環境となるよう,公正取引委員会の取組を期待している。(山口市)
  •  中学生の制服は,大人の制服に比べて高いと感じたことから,以前,価格を下げられないか業者と交渉したことがあるが,価格は下がらなかった。今後は,業者と交渉する際に,公正取引委員会からこういう報告書が出ているということを示しながら交渉することができると思う。公正取引委員会には,今後とも,制服に関する実態調査の周知をお願いしたい。(那覇市)
  •  電力自由化は,消費者自らが電力会社を選択できる等,消費者にとってメリットがある。従来から存在する電力会社が新規参入を妨げる行為を行わないよう,今後も監視を続けてほしい。(釧路市)
  •  被災地支援活動を行う中で,被災地においては,不正行為によって価格が上昇しているのではないかと疑いたくなるケースもある。大規模な災害が起こると談合などの不正行為が起こりやすいため,事業者の動きについては,しっかり監視してほしい。(津市)
  •  確約手続を導入することで,現場レベルでの運用が変わる可能性があると思うが,公正取引委員会には,今後とも,的確な運用を期待している。(那覇市)
  •  課徴金減免制度により,事業者がカルテル・入札談合を自主的に報告するという効果があることは理解できるが,いまだにカルテル・入札談合が行われている。課徴金減免制度の見直しを検討する際,抑止効果についても十分に検証し,カルテル・入札談合が行われないような制度にしていただきたい。(大分市)

2 企業結合審査について

  •  地域経済の活性化のために地方銀行の役割は非常に重要であるため,統合して事業を継続すること自体は否定しないが,競争相手がいなくなった後,地元の中小企業に対して不当に金利を引き上げるなどの不利益を与えることのないよう監視してもらいたい。(徳島市)
  •  石油元売会社の統合により価格競争がなくなり競争が狭められることに問題意識を持っている。縮小傾向にある石油業界において統合は収益を上げる有効な手段なのかもしれないが,消費者には価格が上がる痛みしかない。特に東北地方は,車社会でガソリンを使う必要があり,また,冬は暖房に灯油を使わなければならない。(盛岡市)
  •  企業活動のグローバル化が進み,日本から世界へ進出している企業も多いが,それに伴って公正取引委員会の法運用にも変化が必要である。公正取引委員会には,地方銀行の統合事案も含め,世界の中で日本企業が活躍できるようにしていただきたい。(福井市)

3 下請法の運用について

  •  働き方改革に関連した下請法違反の未然防止という取組は,非常に良い着眼点であると思う。(釧路市)
  •  下請事業者の立場である中小企業から,買いたたき,契約の事後変更などの行為を受けているという話をよく聞くが,今後の取引を考えると声を上げにくいようである。公正取引委員会においても様々な工夫をされているようであるが,今以上に下請事業者の声が届きやすい方法を拡充していただきたい。(津市)

4 消費税転嫁対策特別措置法の運用について

  •  消費税率が8%に上がった際には,消費税転嫁対策特別措置法に基づき公正取引委員会がいろいろと対策を行ったが,それでも転嫁拒否等があった。消費税率が10%に上がる際には景気対策を優先するようなので,前回以上に,納入業者等の立場の弱い者にしわ寄せが行く可能性があるのではないかと心配している。公正取引委員会としては,早めに毅然とした態度を示しておくことが大切である。(盛岡市)

5 広報広聴活動について

  •  公正取引委員会が,社会に出る前の学生に対して,独占禁止法教室を開催することは,非常に有意義であり,若いうちから違反を防止する,あるいは違反の被害者にならないよう教育することが重要である。(徳島市)
  •  消費者の視点からすると,公正取引委員会が景品表示法を所管していた頃は身近な存在に感じていたが,同法が消費者庁に移管されて以降,独占禁止法等の説明を受けてもよく分からず,関係が疎遠になっているように感じる。これは,公正取引委員会の活動が,消費者にとってどのように役立っているのかというところが見えてこないからだと思う。公正取引委員会には,消費者目線での情報を発信してほしい。(山口市)
  •  公正取引委員会が開催した消費者セミナーについて,硬い話でないといいなと思っていたが,実際の講義は分かりやすく,ゲームも交えて参加者を引き込むような内容で,独占禁止法が消費者の利益のためにあるということを理解できた。(福井市)

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp

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