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(令和元年10月2日)王子コーンスターチ株式会社ほか2名に対する審決について(段ボール用でん粉の製造販売業者による価格カルテル事件)

令和元年10月2日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人王子コーンスターチ株式会社ほか2名(以下「被審人ら」という。)に対し,平成25年11月7日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,令和元年9月30日,被審人らに対し,独占禁止法の一部を改正する法律(平成25年法律第100号)による改正前の独占禁止法(以下「独占禁止法」という。)第66条第2項及び第3項の規定に基づき,平成25年7月11日付けの排除措置命令(平成25年(措)第10号)のうち,被審人加藤化学株式会社に関する部分及び同社に対する同日付けの課徴金納付命令(平成25年(納)第34号)を取り消し,被審人王子コーンスターチ株式会社及び被審人株式会社J-オイルミルズの各審判請求を棄却する旨の審決を行った(本件平成25年(判)第30号ないし第35号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。なお,公表する審決書においては,個人情報等に配慮し,マスキングの措置を施している。)。

1 被審人の概要

事業者名 本店所在地

王子コーンスターチ株式会社
法人番号3010001039760

東京都中央区銀座四丁目7番5号

株式会社J-オイルミルズ
法人番号6010001078021

東京都中央区明石町8番1号

加藤化学株式会社
法人番号1180001093025

愛知県知多郡美浜町大字河和字上前田18番地

2 被審人らの審判請求の趣旨

⑴ 被審人王子コーンスターチ株式会社(以下「被審人王子コンス」という。)
ア 平成25年(判)第30号審判事件
 平成25年(措)第10号排除措置命令の全部の取消しを求める。
イ 平成25年(判)第33号審判事件
 平成25年(納)第32号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。
⑵ 被審人株式会社J-オイルミルズ(以下「被審人Jオイル」という。)
ア 平成25年(判)第31号審判事件
 平成25年(措)第10号排除措置命令の全部の取消しを求める。
イ 平成25年(判)第34号審判事件
 平成25年(納)第33号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。
⑶ 被審人加藤化学株式会社(以下「被審人加藤」という。)
ア 平成25年(判)第32号審判事件
 平成25年(措)第10号排除措置命令の全部の取消しを求める。
イ 平成25年(判)第35号審判事件
 平成25年(納)第34号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。

3 主文の内容

⑴ 平成25年7月11日付けの排除措置命令(平成25年(措)第10号)のうち,被審人加藤に関する部分を取り消す。
⑵ 平成25年7月11日付けの課徴金納付命令(平成25年(納)第34号)を取り消す。
⑶ 被審人王子コンス及び被審人Jオイルの各審判請求をいずれも棄却する。

4 本件の経緯

平成25年
7月11日 排除措置命令及び課徴金納付命令
9月5日~9月6日 被審人らから排除措置命令及び課徴金納付命令に対して審判請求
11月7日 審判手続開始
12月12日 第1回審判

平成29年
12月5日 第15回審判(審判手続終結)
平成31年
3月26日 審決案送達
4月9日 異議の申立て及び直接陳述の申出
令和元年
7月3日 直接陳述の聴取
9月30日 審決

5 原処分の原因となる事実

 被審人ら及び別表1記載の5社(以下,両者を併せて「8社」という。)は共同して,とうもろこしのシカゴ相場(注1)の上昇に応じて,段ボール用でん粉(注2)の需要者渡し価格(以下,文脈上明らかな場合には単に「価格」ともいう。)を引き上げる旨を合意することにより,公共の利益に反して,我が国における段ボール用でん粉の販売分野における競争を実質的に制限していた(以下「本件違反行為」という。)。
 被審人らの本件違反行為の実行期間は,独占禁止法第7条の2第1項の規定により,別表2の各被審人に係る「実行期間」欄記載のとおりであり,独占禁止法第7条の2の規定により算出された課徴金の額は,同表の各被審人に係る「課徴金額」欄記載のとおりである。
 (注1) シカゴ商品取引所における先物価格
 (注2) コーンスターチ又は化工でん粉(コーンスターチ又はコーンスターチの製造工程における中間品を物理的又は化学的方法により変性させたでん粉及びコーンスターチに当該でん粉等を配合したものをいう。)であって,段ボールの製造工程においてライナと中しんとの接着に用いられるものとして販売されるもの

6 審決の概要

(1) 本件の争点

ア とうもろこしのシカゴ相場の上昇に応じて段ボール用でん粉の需要者渡し価格を引き上げる旨の合意の成否及びその不当な取引制限への該当性(争点1)
イ 本件違反行為の実行としての事業活動がなくなる日(争点2)

(2) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について
(ア) 6社(被審人王子コンス,日本コーンスターチ株式会社(以下「日コン」という。),日本食品化工株式会社(以下「日本食品」という。),敷島スターチ株式会社,三和澱粉工業株式会社及び日本澱粉工業株式会社)による本件合意の成否
 [1]6社が,遅くとも平成18年頃までには既に,とうもろこしのシカゴ相場の上昇に伴い,段ボール用でん粉の価格の引上げの幅,その実施時期等について決定し,段ボールメーカーとの間の値上げ交渉の状況について情報交換を行ったり,交渉方針について話し合ったりして,値上げ交渉が妥結すると,次の値上げにおける価格の引上げの幅,その実施時期等について決定するという行為を何度も繰り返していたこと,[2]日コン,日本食品及び被審人王子コンスの担当者が,平成22年10月頃,段ボール用でん粉の価格の引上げを行っていく必要があることを確認した上,価格の引上げの幅やその実施時期についても意見のすり合わせを行ったほか,各コーンスターチメーカーが協調して段ボール用でん粉の価格の引上げを行っていくことを目的として本件会合(注3)を開催することを決定したこと,[3]本件会合において,6社の担当者の間で,段ボール用でん粉の需要者渡し価格の引上げ額については1キログラム当たり10円以上とし,実施時期については遅くとも平成23年1月1日納入分から実施することで意見が一致したこと,[4]6社が,本件会合後,とうもろこしのシカゴ相場の上昇に応じて,本件各値上げ(注4)のいずれにおいても,おおむね同様の時期に,おおむね同様の内容で値上げの申入れを行っていたこと,[5]6社が,本件会合後,本件各値上げを行うに当たり,これらの申入れの時期や内容,段ボールメーカーとの値上げ交渉の状況についての情報交換を行っていたこと,これらに加えて,担当者が,6社が協調して本件各値上げを行った旨供述していることからすると,6社は,遅くとも本件会合が開催された平成22年11月5日までに,6社の担当者が話し合うなどして,段ボール用でん粉について,今後,とうもろこしのシカゴ相場の上昇に応じて,価格の引上げを共同して行っていく旨の合意(以下「本件合意」という。)をしたものと認めるのが相当である。
 (注3) 平成22年11月5日に東京都内で開催された6社の担当者が出席した会合
 (注4) 8社による,平成22年11月5日頃からの段ボール用でん粉の価格の引上げについての段ボールメーカーとの交渉(「1次値上げ」),平成23年2月28日頃からの段ボール用でん粉の価格の引上げについての段ボールメーカーとの交渉(「2次値上げ」)及び同年6月上旬頃からの段ボール用でん粉の価格の引上げについての段ボールメーカーとの交渉(「3次値上げ」)の各値上げを併せて「本件各値上げ」という。
 
(イ) 被審人Jオイルによる6社との本件合意の成否
 [1]被審人Jオイルの担当者が他のコーンスターチメーカーとの会合に出席しなくなった平成20年春頃以降も,被審人Jオイルが,従前と同様の協調関係を維持していたこと,[2]被審人Jオイルの担当者が,本件会合が開催される前に被審人王子コンスの担当者に「会合には参加できないが,被審人Jオイルは会合で決まったことに従う」と伝え,そのことが本件会合で報告されたこと,[3]被審人王子コンスの担当者が,本件会合から平成22年11月18日までの間に,被審人Jオイルの担当者に本件会合の結果を連絡したこと,[4]被審人Jオイルが,本件各値上げのいずれにおいても,6社とおおむね同様の時期に,おおむね同様の内容で値上げの申入れを行っていたこと,[5]被審人Jオイルの担当者が,本件会合以降に日コンや被審人王子コンスの担当者との間で本件各値上げについての情報交換を行っていたことからすると,被審人Jオイルは,平成22年11月5日までに6社と共に本件合意をしたものと認めるのが相当である。
 
(ウ) 被審人加藤の本件合意への参加の有無
 [1]被審人加藤は,平成21年10月頃に日コンが納入していた取引先大手段ボールメーカーとの取引を奪うなどしており,それゆえに,被審人加藤の担当者は本件会合に誘われず,その開催の事実さえも知らされなかったことからすると,被審人加藤の担当者が,平成22年11月8日の日本食品の担当者との会食において,本件合意が成立したことを知った上で,日本食品の担当者に対し,被審人加藤も本件合意に参加する旨を表明したとは認められない。また,[2]被審人加藤は,本件各値上げにおいて,おおむね同様の時期に同様の内容で値上げの申入れをしており,他のコーンスターチメーカーと段ボール用でん粉の価格の値上げについての一定の情報交換を行ったという事実も認められるものの,被審人加藤の本件各値上げにおける大手段ボールメーカーとの具体的な交渉の状況等からすると,被審人加藤が本件合意に参加したとまで認めるに足りる証拠はないというべきである。
 
(エ) 本件合意が不当な取引制限に該当するか
 被審人王子コンス及び被審人Jオイルは,本件合意が不当な取引制限に該当するためには,本件合意の内容自体が競争の実質的制限をもたらす性格を有することが必要であるところ,本件合意の内容には,値上げの決定時期,実施時期,価格の引上げの幅,これらの決定方法が含まれておらず,本件合意自体を共同遂行することは不可能であるから,本件合意は不当な取引制限に該当しないと主張する。
 この点,本件合意の内容自体が競争の実質的制限をもたらすような性格を有することが必要であるとしても,本件合意について,段ボール用でん粉についての具体的な値上げの決定時期,実施時期,価格の引上げの幅がその内容となっていることまでは必要ないものと解される。
 また,[1]一般に,コーンスターチメーカーは,値上げ申入れ後,妥結までの間にとうもろこしのシカゴ相場が上昇した場合,引き続き,次の値上げ交渉を行っていたこと,[2]6社及び被審人Jオイルは,遅くとも平成18年頃までには既に,担当者らが段ボール用でん粉の価格の引上げの幅,その実施時期等を話し合うなどして,協調関係を維持してきたこと,[3]現に,平成22年夏頃以降,6社及び被審人Jオイルが,段ボールメーカーに対する段ボール用でん粉の価格引上げの申入れや交渉の内容について相互に情報交換をしており,歩調をそろえて値上げ活動を行っていたなどと認められること,[4]段ボール用でん粉の価格は,その変動要因が各コーンスターチメーカーで共通することなどから,値上げの申入れ時期や,価格の引上げの幅,その実施時期が一致しやすいことを併せ考えると,今後,とうもろこしのシカゴ相場の上昇に応じて,需要者渡し価格の引上げを共同して行っていく旨の本件合意をすれば,6社及び被審人Jオイルの担当者らが,繰り返し,段ボール用でん粉の価格の引上げの幅,その実施時期等を話し合うなどして,歩調をそろえて段ボール用でん粉の価格を引き上げることが可能であったと認められる。
 

イ 争点2について

 日コンが,1次値上げを行っていた平成23年2月25日頃,大手段ボールメーカーとの取引を停止したことは確かであるが,その後も,2次値上げ及び3次値上げの際,他のコーンスターチメーカーと情報交換をして,段ボールメーカーに対する値上げの申入れや交渉を行っていたことからすると,日コンが大手段ボールメーカーとの取引停止に伴って本件合意に基づく実行行為の遂行を放棄したとはいえず,平成23年2月25日に本件合意が消滅したという被審人王子コンスの主張は採用できない。

関連ファイル

※令和元年10月8日,「審決書」のPDFファイルの1ページ目に,「読替え」の注意書を挿入しました。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課(審判・訟務係)
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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