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(令和2年7月1日)愛知県立高等学校の制服の販売業者に対する排除措置命令等について

(令和2年7月1日)愛知県立高等学校の制服の販売業者に対する排除措置命令等について

令和2年7月1日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,愛知県豊田市において,愛知県立豊田北高等学校(以下「豊田北高校」という。),愛知県立豊田南高等学校(以下「豊田南高校」という。),愛知県立豊田西高等学校(以下「豊田西高校」という。),愛知県立豊田高等学校(以下「豊田高校」という。),愛知県立豊野高等学校(以下「豊野高校」という。)又は愛知県立豊田工業高等学校(以下「豊田工業高校」という。また,以下これら6校を「豊田6校」という。)の制服を生徒等に販売する販売業者に対し,本日,後記第1のとおり,独占禁止法の規定に基づき排除措置命令を行った。
   本件は,豊田6校の制服の販売業者が,独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたものである。
   また,公正取引委員会は,豊田6校を所管する愛知県教育委員会に対し,本日,後記第2のとおり,愛知県立高等学校の生徒が着用する制服の販売に関して留意すべき事項を通知した。

第1 排除措置命令について

1 違反事業者数及び排除措置命令の対象事業者数(違反事業者名等については別表のとおり。)

 

 

違反事業者数

排除措置命令

対象事業者数

豊田北高校の制服

4社

3社

豊田南高校の制服

3社

2社

豊田西高校の制服

2社

1社

豊田高校の制服

3社

2社

豊野高校の制服

3社

2社

豊田工業高校の制服

2社

2社

合計

延べ17社
(実数4社)

延べ12社
(実数3社)

2 違反行為の概要(詳細は別添排除措置命令書参照)

⑴ 豊田北高校の制服
 ア 4社(別表の番号1から4までの販売業者)は,かねてから,豊田北高校の制服の販売価格について情報交換を行っていたところ,遅くとも平成27年9月頃以降,同校の制服の販売価格を共同して引き上げる旨の合意の下に,同校の制服の仕入価格の上昇が見込まれる場合等には,会合を開催するなどの方法により,同校の制服の販売価格を決定するなどしていた。
 イ これら4社は,前記アの合意をすることにより,公共の利益に反して,豊田北高校の制服の販売分野における競争を実質的に制限していた。
 
⑵ 豊田南高校の制服
 ア 3社(別表の番号1,3及び4の販売業者)は,かねてから,豊田南高校の制服の販売価格について情報交換を行っていたところ,遅くとも平成27年5月頃以降,同校の制服の販売価格を共同して引き上げる旨の合意の下に,同校の制服の仕入価格の上昇が見込まれる場合等には,会合を開催するなどの方法により,同校の制服の販売価格を決定するなどしていた。
 イ これら3社は,前記アの合意をすることにより,公共の利益に反して,豊田南高校の制服の販売分野における競争を実質的に制限していた。
 
⑶ 豊田西高校の制服
 ア 2社(別表の番号2及び4の販売業者)は,かねてから,豊田西高校の制服の販売価格について情報交換を行っていたところ,遅くとも平成27年9月頃以降,同校の制服の販売価格を共同して引き上げる旨の合意の下に,同校の制服の仕入価格の上昇が見込まれる場合等には,会合を開催するなどの方法により,同校の制服の販売価格を決定するなどしていた。
 イ これら2社は,前記アの合意をすることにより,公共の利益に反して,豊田西高校の制服の販売分野における競争を実質的に制限していた。
 
⑷ 豊田高校の制服
 ア 3社(別表の番号1,2及び4の販売業者)は,かねてから,豊田高校の制服の販売価格について情報交換を行っいたところ,遅くとも平成27年9月頃以降,同校の制服の販売価格を共同して引き上げる旨の合意の下に,同校の制服の仕入価格の上昇が見込まれる場合等には,会合を開催するなどの方法により,同校の制服の販売価格を決定するなどしていた。
   イ これら3社は,前記アの合意をすることにより,公共の利益に反して,豊田高校の制服の販売分野における競争を実質的に制限していた。
 
⑸ 豊野高校の制服
   ア 3社(別表の番号2から4までの販売業者)は,かねてから,豊野高校の制服の販売価格について情報交換を行っていたところ,遅くとも平成27年9月頃以降,同校の制服の販売価格を共同して引き上げる旨の合意の下に,同校の制服の仕入価格の上昇が見込まれる場合等には,会合を開催するなどの方法により,同校の制服の販売価格を決定するなどしていた。
   イ これら3社は,前記アの合意をすることにより,公共の利益に反して,豊野高校の制服の販売分野における競争を実質的に制限していた。
 
⑹ 豊田工業高校の制服
 ア 2社(別表の番号2及び3の販売業者)は,かねてから,豊田工業高校の制服の販売価格について情報交換を行っていたところ,遅くとも平成27年9月頃以降,同校の制服の販売価格を共同して引き上げる旨の合意の下に,同校の制服の仕入価格の上昇が見込まれる場合等には,会合を開催するなどの方法により,同校の制服の販売価格を決定するなどしていた。
 イ これら2社は,前記アの合意をすることにより,公共の利益に反して,豊田工業高校の制服の販売分野における競争を実質的に制限していた。

3 排除措置命令の概要

公正取引委員会は,前記2の違反行為ごとに,次のとおり排除措置命令を行った。
⑴ 排除措置命令の対象事業者(以下「名宛人」という。)は,それぞれ,次の事項を株主総会において決議しなければならない。
  ア 前記2の合意が消滅していることを確認すること。
  イ 今後,相互の間において,又は他の事業者と共同して,自社が指定販売店(注)となっている愛知県立高等学校の制服の販売価格を決定せず,自主的に決めること。
  ウ 今後,相互に,又は他の事業者と,自社が指定販売店となっている愛知県立高等学校の制服の販売価格に関する情報交換を行わないこと。
⑵ 名宛人は,それぞれ,前記⑴に基づいて採った措置を,自社を除く名宛人及び自社が指定販売店となっている豊田6校に通知するとともに,一般消費者に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
⑶ 名宛人は,今後,それぞれ,相互の間において,又は他の事業者と共同して,自社が指定販売店となっている愛知県立高等学校の制服の販売価格を決定してはならない。
⑷ 名宛人は,今後,それぞれ,相互に,又は他の事業者と,自社が指定販売店となっている愛知県立高等学校の制服の販売価格に関する情報交換を行ってはならない。
  (注)「指定販売店」とは,学校が,生徒等に対し,制服の購入先として案内している販売店をいう。

第2 愛知県教育委員会に対する通知

1 本件審査において,豊田6校によっては,
⑴ 指定販売店各社の制服の販売価格等を掲載した共通チラシを作成するよう指定販売店に依頼していたこと
⑵ 制服に関する自校の要望等を特定の指定販売店を通じて他の指定販売店に伝達していたこと
⑶ 指定販売店各社を一堂に集めた打合せ会を開催していたこと
   が認められた。
 
2 愛知県立高等学校が制服について前記1の依頼等をする場合,指定販売店が,当該依頼等に応じるためのやり取りを行う際に,これを契機として制服の販売価格についての情報交換を行うおそれがあるため,公正取引委員会は,愛知県教育委員会に対し,所管の愛知県立高等学校にこれらの内容を周知するとともに,今後,同教育委員会所管の愛知県立高等学校が,指定販売店に対し,制服に関する依頼等をする場合には,その依頼等が指定販売店による制服の販売価格についての情報交換の契機とならないよう留意すべきである旨通知した。

関連ファイル

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局審査局第三審査上席
電話 03-3581-3398(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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