このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
公正取引委員会
  • サイトマップ
  • 音声読み上げ・文字拡大
  • ENGLISH
  • 公正取引委員会について
  • 報道発表・広報活動
  • 相談・手続窓口
  • 独占禁止法
  • 下請法
  • CPRC(競争政策研究センター)
サイトメニューここまで

本文ここから

(令和2年6月2日)大阪瓦斯株式会社に対する独占禁止法違反被疑事件の処理について

令和2年6月2日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,大阪瓦斯株式会社(以下「大阪ガス」という。)が,同社の供給区域における大口供給地点(契約年間使用量が10万立方メートル以上の供給地点をいう。以下同じ。)向けの導管を通じたガス供給分野(以下「本件市場」という。)において,

① 供給価格を不当に低くする又は競争者との競合が生じた場合のみ低くすること

② 需要家との間で,複数の大口供給地点への供給を条件として割引(以下「包括割引」という。)を適用する旨の契約(以下「包括契約」という。)を締結し,需要家が包括契約の期間中に各供給地点向け供給契約(以下「個別契約」という。)のうち一つでも中途解約する場合は契約開始から中途解約までの間に割り引いた額の全額を返戻させる旨の条件を付すこと

③ 需要家が大口供給地点に係る個別契約を中途解約した場合,契約で定める額の金銭(以下「中途解約金」という。)を支払わせる旨を取引条件とすること

により,競争事業者を不当に排除している疑い(注1)があったことから,大阪ガスに対し,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ,前記①については独占禁止法に違反する行為があるとは認められなかったこと,前記②及び③については本件審査の過程において大阪ガスから契約の一部を改定するなどの申出がなされたこと等から,本件審査を終了することとした(参考1概要図参照)。

(注1)独占禁止法第3条(私的独占)又は第19条(独占禁止法第2条第9項第2号〔法定差別対価〕若しくは第3号〔法定不当廉売〕若しくは不公正な取引方法第3項〔その他の差別対価〕,第6項〔その他の不当廉売〕,第12項〔拘束条件付取引〕若しくは第14項〔競争者に対する取引妨害〕)の規定に違反する疑い

第1 本件の概要

1 大阪ガスの概要

法人番号 3120001077601
名称 大阪瓦斯株式会社
所在地 大阪市中央区平野町四丁目1番2号
代表者 代表取締役 本荘 武宏
事業の概要 都市ガスの製造販売等

2 本件市場の概要等

 ガスの小売事業については,ガス事業法の改正により,平成7年3月に契約年間使用量200万立方メートル以上の取引について参入が自由化され,以降,段階的に自由化の範囲が拡大されてきており,平成19年4月には全ての大口供給地点向けの販売が,平成29年4月には家庭を含む全ての供給地点向けの販売が自由化され,登録制となった。
大阪ガスの販売量は,本件市場の総販売量の大部分を占めている。

3 審査事実等

(1) 不当廉売等の疑い(前記①)について
 事業者が,不当に商品を低い価格で販売し,それにより他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合には,独占禁止法違反となる。 しかしながら,本件では,本件市場において,大阪ガスが同社の変動費(注2)に託送料金(注3)相当額を加えた水準を下回る額でガスを販売していた事実はほとんどなかったこと等から,独占禁止法に違反する行為があるとは認められなかった。

(注2)操業度に応じて総額が比例的に増減する原価をいう。

(注3)ガス事業者が他のガス事業者からガスを受け入れ,導管を通じて別の場所でガスの供給を行うことを託送供給という。他のガス小売事業者が本件市場でガスを供給する場合,通常,大阪ガスに託送料金を支払って託送供給を受ける必要がある。

(2) 包括契約等(前記②)について

ア 行為の内容等

(ア) 大阪ガスは,同社の供給区域に複数の大口供給地点を有する需要家等のうち一部の者との間で包括契約を締結している。

(イ) 包括契約では,需要家が包括契約の期間中に対象供給地点に係る個別契約(以下「対象個別契約」という。)を一つでも中途解約した場合,包括契約は解約となり,需要家は精算金(以下「割引精算金」という。)の支払義務を負う旨が定められている。割引精算金の額は,包括契約によりそれまでに割り引かれた額(その後も継続する対象個別契約がある場合,当該対象個別契約に係る供給地点向けに割り引かれた額を含む。)の総額である。

(ウ) 包括契約の各対象個別契約の契約期間の終期は,通常,一致しない。包括契約では,包括契約の期間中にいずれかの対象個別契約の終期が訪れ,需要家が当該対象個別契約を更新しなかった場合,他の対象個別契約がその後も継続する場合であっても,包括契約は終了となり,その後,当該他の対象個別契約に係る包括割引はなくなる(このように,継続する対象個別契約に係る包括割引がなくなることを,以下「割引喪失」という。)旨が定められている。

   包括契約が終了する場合,需要家に割引精算金の支払義務は生じない。

(エ) 需要家が包括契約の対象個別契約に係る取引を大阪ガスから他のガス小売事業者に切り替えた場合,通常,次のように,需要家に金銭的負担が生じる。

a 包括契約の対象個別契約の一部を中途解約して取引を切り替えた場合,割引精算金(前記(イ))及び中途解約する対象個別契約に係る中途解約金(後記(3)ア)の支払義務を負う。

b 対象個別契約の一部を終期に際して更新せずに取引を切り替えた場合,割引喪失(前記(ウ))が発生する。

c 一部の対象個別契約を終期に際して更新せず,併せてその他の対象個別契約を中途解約して,全ての対象個別契約に係る取引を同時に切り替えた場合,中途解約する対象個別契約に係る中途解約金(後記(3)ア)の支払義務を負う。

イ 独占禁止法上の考え方

 一般に,事業者が,需要家の複数の拠点に商品を供給することを条件として割引を行うことは,独占禁止法上,直ちに問題となるものではない。

 しかしながら,大阪ガスが,取引先需要家に対し,不当に,他のガス小売事業者に取引を切り替えると金銭的負担が生じるような取引条件を課すことにより,他のガス小売事業者と取引しないようにさせ,これにより他のガス小売事業者の取引機会が減少するおそれがあるなどの場合には,独占禁止法違反となる。

ウ 大阪ガスの申出

 公正取引委員会が前記イの考え方に基づいて審査を行ってきたところ,大阪ガスは,公正取引委員会に対し,以下の措置を採ることを申し出た。

(ア) 需要家は,包括契約の対象個別契約の一部について,これを中途解約する又はその終期に際して更新しないことにより大阪ガスとの取引を継続しない場合は,その他の対象個別契約について,その取引量を勘案して大阪ガスと割引額等を協議した上,包括契約を継続又は再締結することができる(その他の対象個別契約が1契約のみである場合には,その取引量を勘案して大阪ガスとその後の価格につき協議することができる)旨を契約書に明記する。

(イ) 前記(ア)の契約条項に基づき,対象個別契約の解約後に包括契約の再締結が行われる又は新たな価格についての協議が整う場合,割引精算金の額は,解約する対象個別契約についてそれまでに割り引かれた額とする(その後も継続する対象個別契約がある場合,当該対象個別契約についてそれまでに割り引かれた額は含まないこととする。)。

(ウ) 需要家から,包括契約の締結時又は更新時にその終期をいずれかの対象個別契約の終期に合わせることや,対象個別契約(対象個別契約となることが見込まれる個別契約を含む。)の締結時又は更新時にその終期を包括契約又は他の対象個別契約と一致させること(以下,このように異なる契約の終期を一致させることを「期合わせ」という。)を求められた場合は,原則としてこれに応じる。

エ 申出に対する評価

 前記ウにより,需要家が包括契約の対象取引を他のガス小売事業者に切り替えることに伴う金銭的負担がなくなる又は軽減されるため,他のガス小売事業者が取引を獲得することが現状に比して容易になると考えられる。

(3) 中途解約金(前記③)について

ア 行為の内容

 大阪ガスは,本件市場で販売するガスのほとんど全てにつき,個別契約を中途解約する場合には,中途解約により生じる損失の補填を求めるとして,中途解約金を支払うことを需要家に義務付けている。

 中途解約金の算定式は,契約の種類に応じて複数存在しており,また,解約時点での契約残存年数によっても異なるが,例えば,残存年数が1年間である場合,最も算定率が高い例では,契約で定める年間最低使用量の90パーセントに,ガス単価の10分の1を掛けた額が中途解約金となる。

イ 独占禁止法上の考え方

 一般に,事業者が,契約の相手方に対し,契約を中途解約する場合に解約金を支払うことをあらかじめ義務付けることは,独占禁止法上,直ちに問題となるものではない。

 しかしながら,大阪ガスが,不当に,他のガス小売事業者に取引を切り替えると金銭的負担が生じるような取引条件を課すことにより,他のガス小売事業者と取引しないようにさせ,これにより他のガス小売事業者の取引機会が減少するおそれがあるなどの場合には,独占禁止法違反となる。

 上記において,「不当に」に該当するかどうかは,中途解約により発生することが合理的に予測される損害の額等を勘案して判断される。

ウ 大阪ガスの申出及びその評価

 公正取引委員会が前記イの考え方に基づいて審査を行ってきたところ,大阪ガスは,公正取引委員会に対し,中途解約金の額を,契約の種類によって異なるものの,おおむね現在の約7割に引き下げることを申し出た。

 これにより,大阪ガスとの個別契約の期中に取引を他のガス小売事業者に切り替えることに伴う需要家の金銭的負担が軽減され,他のガス小売事業者が取引を獲得することが現状に比して容易になると考えられる。

4 本件の処理

 公正取引委員会は,前記3を踏まえ,今後,大阪ガスが自ら申し出た改善措置を実施したことを確認した上で本件審査を終了することとした。

第2 電力・ガス分野における独占禁止法違反被疑行為に係る取組

 公正取引委員会は,電力・ガス分野における独占禁止法違反被疑行為に係る情報に接した場合には,「公益事業タスクフォース」において効率的に調査を行うこととしている。

 また,電力・ガス分野における独占禁止法違反被疑行為に係る情報を広く受け付けるための情報提供窓口を設置している(次のウェブページ参照)。

 https://www.jftc.go.jp/cgi-bin/formmail/formmail2.cgi?d=nouden

 公正取引委員会としては,今後とも,公正かつ自由な競争の促進の観点から,電力・ガス分野における競争の状況を注視していく。

関連ファイル

PDF形式のファイルを開くには、Adobe Reader(旧Adobe Acrobat Reader)が必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Get Adobe ReaderAdobe Readerのダウンロードへ

問い合わせ先

問い合わせ先 公益事業タスクフォース
公正取引委員会事務総局審査局第四審査上席
電話 03-3581-4009(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

本文ここまで

サブナビゲーションここから
サブナビゲーションここまで

以下フッターです。

公正取引委員会 Japan Fair Trade Commission

〒100-8987 東京都千代田区霞が関1-1-1 電話 03-3581-5471(代表)
  • ご利用案内
  • ホームページ・プライバシーポリシー
  • 関連リンク
  • 所在地
Copyright © 2013 Japan Fair Trade Commission. All Rights Reserved.
フッターここまでこのページのトップに戻る