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(令和2年6月26日)令和元年度における近畿地区の消費税転嫁対策の取組について

令和2年6月26日
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所

はじめに

 公正取引委員会は,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から,消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)の未然防止のための取組と,転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組を進めてきたところである。
 近畿中国四国事務所(中国支所及び四国支所を除く。以下「近畿事務所」という。)においても,転嫁拒否行為に対して迅速かつ厳正に対処することを目的として,「消費税転嫁対策調査室」を設置し,近畿事務所管内(福井県,滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県及び和歌山県)において消費税転嫁対策に係る取組を実施してきたところ,令和元年度における管内の取組状況は以下のとおりである。

第1 転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組

1 措置件数

 管内においては,令和元年度は,転嫁拒否行為に対して,128件の指導を行っている(表1参照。消費税転嫁対策特別措置法施行後の措置件数の推移については,参考参照)。主な指導の概要は別紙のとおりである。
 

表1:措置件数[単位:件]                                   
年 度 令和元年度 平成30年度 累計(注1)
全国 近畿地区 全国 近畿地区 全国 近畿地区
措置 指 導 743 128 295 56 3,159 477
《18》 《1》 《16》 《4》 《174》 《22》
勧 告 54
《0》 《0》 《3》 《0》 《11》 《1》
違反事実なし 130 25 107 22 1,536 240

(注1) 平成25年10月から令和2年3月までの累計。また,全国の件数には,近畿地区の件数を含む(以下同じ)。
(注2) 《 》内の件数は,大規模小売事業者に対する勧告又は指導を行った事件の件数(措置件数)で内数である。

2 措置件数の業種別内訳

 令和元年度の措置件数(勧告又は指導を行った事件の件数をいう。以下同じ。)について措置の対象となった特定事業者(注1)の業種別で分類すると,管内においては,製造業が37件(28.9%)と最も多く,以下,建設業が18件(14.1%)とこれに続いている(表2参照)。
(注1) 特定事業者とは,①大規模小売事業者,②特定供給事業者(注2)から継続して商品又は役務の供給を受ける法人事業者である。
(注2) 特定供給事業者とは,①大規模小売事業者に継続して商品又は役務を供給する事業者,②資本金等の額が3億円以下である事業者,個人事業者等である。
 

表2:措置件数の内訳(業種別)[単位:件(%)]
業種 令和元年度 平成30年度   累計(注1)
全国 近畿地区 全国 近畿地区 全国 近畿地区
建設業 86(11.5) 18(14.1) 48(16.0) 9(16.1) 374(11.6) 54(11.2)
製造業 107(14.3) 37(28.9) 78(26.0) 15(26.8) 739(23.0) 145(30.1)
情報通信業 55(7.3) 3(2.3) 18(6.0) 2(3.6) 271(8.4) 26(5.4)
運輸業 26(3.5) 3(2.3) 13(4.3) 1(1.8) 170(5.3) 28(5.8)
卸売業 57(7.6) 6(4.7) 17(5.7) 8(14.3) 231(7.2) 40(8.3)
小売業 85(11.3) 11(8.6) 39(13.0) 7(12.5) 369(11.5) 47(9.8)
不動産業 69(9.2) 12(9.4) 19(6.3) 3(5.4) 180(5.6) 33(6.8)
技術サービス業 19(2.5) 3(2.3) 11(3.7) 3(5.4) 144(4.5) 18(3.7)
学校教育・
教育支援業
14(1.9) 4(3.1) 6(2.0) 1(1.8) 70(2.2) 8(1.7)
その他 231(30.8) 31(24.2) 51(17.0) 7(12.5) 665(20.7) 83(17.2)
合計 749(100) 128(100) 300(100) 56(100) 3,213(100) 482(100)

(注1) 平成25年10月から令和2年3月までの累計。
(注2) 複数の業種にわたる事業者が勧告又は指導の対象となった場合は,当該事業者の主たる業種により分類している。「その他」は娯楽業,金融・保険業,医療福祉等である。
(注3) ( )内の数値は合計値に占める割合であり,小数点以下第2位を四捨五入しているため,合計は必ずしも100とならない。

3 措置件数の行為類型別内訳

 令和元年度の措置件数について行為類型別で分類すると,管内においては,買いたたき(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)が119件(73.9%)と最も多い(表3参照)。
 

表3:措置件数の内訳(行為類型別)[単位:件(%)]
行為類型 令和元年度 平成30年度   累計(注1)
全国 近畿地区 全国 近畿地区 全国 近畿地区
減額 218(23.5) 35(21.7) 23(7.2) 4(6.6) 350(10.0) 46(8.8)
買いたたき 668(72.0) 119(73.9) 295(92.2) 56(91.8) 2,799(80.2) 430(81.9)
役務利用又は利益提供の要請 21(2.3) 5(3.1) 0(0.0) 0(0.0) 70(2.0) 14(2.7)
本体価格での交渉の拒否 21(2.3) 2(1.2) 2(0.6) 1(1.6) 272(7.8) 35(6.7)
合計 928(100) 161(100) 320(100) 61(100) 3,491(100) 525(100)

(注1) 平成25年10月から令和2年3月までの累計。
(注2) 事業者の中には,複数の行為を行っている場合があり,「合計」の件数は,表1及び表2に記載の件数とは必ずしも一致しない。
(注3) ( )内の数値は合計値に占める割合であり,小数点以下第2位を四捨五入しているため,合計は必ずしも100とならない。

4 特定供給事業者が被った不利益の原状回復の状況

 令和元年度は,転嫁拒否行為によって特定供給事業者が被った不利益について,管内において,特定事業者45名から,特定供給事業者1,443名に対し,総額5972万円の原状回復が行われた(表4参照。消費税転嫁対策特別措置法施行後の原状回復額の推移については,参考参照)。
 

表4:特定供給事業者が被った不利益の現状回復の状況
年 度 令和元年度 平成30年度  累計(注1)
全国 近畿地区 全国 近畿地区 全国 近畿地区
原状回復を行った
特定事業者数
276名 45名 273名 48名 1,760名 233名
原状回復を受けた
特定供給事業者数
68,951名 1,443名 45,072名 660名 230,011名 11,122名
原状回復額 38億2122万円 5972万円 8億1517万円 4617万円 74億6204万円 5億5916万円

(注1) 平成26年4月から令和2年3月までの累計。
(注2) 原状回復額は1万円未満を切り捨てている。

5 転嫁拒否行為等に関する相談件数

 転嫁拒否行為等に関する事業者からの相談や情報提供を一元的に受け付けるための相談窓口を設置しており,当該相談窓口において,令和元年度は193件の相談に対応した(表5参照)。
 

表5:転嫁拒否行為等に関する相談件数[単位:件]
  令和元年度 平成30年度 累計(注1)
全国 2,102 493 8,578
近畿地区 193 48 643

(注1) 平成25年4月から令和2年3月までの累計。
(注2) 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出に関する相談並びに情報提供を含む。

6 事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査

 様々な業界における転嫁拒否行為に関する情報や取引実態を把握するため,管内においては,令和元年度は140名の事業者及び63の事業者団体に対してヒアリング調査を実施した(表6参照)。
 

表6:事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査の実施件数[単位:件]
  令和元年度 平成30年度   累計(注)
事業者 事業者団体 事業者 事業者団体 事業者 事業者団体
全国 1,648 559 832 208 20,288 4,040
近畿地区 140 63 47 990 109
(注) 平成25年10月から令和2年3月までの累計。

7 移動相談会

 事業者にとって,より一層相談しやすい環境を整備するため,管内においては,令和元年度は移動相談会を13回実施した(表7参照)。
       

表7:移動相談会の実施回数[単位:回]
  令和元年度 平成30年度 累計(注)
全国 85 50 388
近畿地区 13  56
(注) 平成25年度から令和元年度までの累計。

第2 転嫁拒否行為の未然防止のための取組

1 公正取引委員会主催説明会

 消費税転嫁対策特別措置法の内容を広く周知するため,事業者及び事業者団体を対象として,公正取引委員会主催の説明会を実施しており,管内においては,令和元年度は11回実施した(表8参照)。
 

表8:公正取引委員会主催説明会の実施回数[単位:回]
  令和元年度 平成30年度 累計(注)
全国 74 50 323
近畿地区 11 11 48
(注) 平成25年度から令和元年度までの累計。

2 講師派遣

 管内で開催された,商工会議所,商工会及び事業者団体等が開催する説明会等に,令和元年度は,公正取引委員会の職員を講師として8回派遣した(表9参照)。
 

表9:講師の派遣回数[単位:回]
  令和元年度 平成30年度 累計
全国 59 20 637
近畿地区 53
(注) 平成25年度から令和元年度までの累計。

第3 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出

 消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為(転嫁カルテル)及び消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為(表示カルテル)の届出並びに届出書の記載方法等に関する相談を受け付けているところ,管内においては,令和元年度はいずれもなかった。
 なお,令和2年3月末までに,管内において,転嫁カルテル10件,表示カルテル11件の合計21件の届出を受理し,このほか届出書の記載方法等に関して,38件の相談に対応した。

別紙

 主な指導事例
(平成31年4月~平成2年3月)

1 減額(第3条第1号前段)
   ① 大規模小売事業者であり,ドラッグストアを運営するA社は,商品の納入業者(特定供給事業者)に対し,仕入代金を本体価格で定めて月単位で支払っているところ,仕入伝票ごとに消費税率を乗じて1円未満の端数を切り捨てた額を消費税相当額として支払うことにより,支払対象期間の本体価格の合計額に消費税率を乗じて得られた消費税相当額から,その一部を減じていた。

   ② 建設業を営むB社は,資材の納入業者(特定供給事業者)に対し,仕入代金を本体価格で定めているところ,本体価格に消費税相当額を上乗せせず支払うことにより,消費税相当額を減じていた。
 

2 買いたたき(第3条第1号後段)
 ① ビルメンテナンス業を営むC社は,保守点検業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
 ② アプリケーションサービスプロバイダ業を営むD社は,システムの販売斡旋業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,令和元年10月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
 ③ 運送業を営むE社は,配送業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
 ④ 樹脂製品の製造販売業を営むF社は,事務所及び駐車場の賃貸人(特定供給事業者)に対し,平成26年4月分以後の消費税込みの賃料について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
 ⑤ 着物の販売業を営むG社は,販売補助業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
 ⑥ 廃棄物処理業を営むH社は,廃棄物収集運搬業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。
 
 ⑦ 電子部品の製造業を営むI社は,技術指導業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の消費税込みの委託代金について,消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,据え置いていた。

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問い合わせ先

問い合わせ先  公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所
         消費税転嫁対策調査室
         電話 06-6941-2206(直通)
ホームページ  https://www.jftc.go.jp/regional_office/kinki/

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