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(令和3年2月10日)レンゴー株式会社ほか1名に対する審決について(大口需要者向け段ボールケースの製造業者による価格カルテル事件)

令和3年2月10日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,レンゴー株式会社ほか1名(以下「被審人ら」という。)に対し,平成26年11月7日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,令和3年2月8日,被審人らに対し,独占禁止法の一部を改正する法律(平成25年法律第100号)による改正前の独占禁止法(以下「独占禁止法」という。)第66条第2項及び第3項の規定に基づき,被審人らに対する課徴金納付命令の一部をそれぞれ取り消し,その余の審判請求を棄却する旨の審決を行った(本件平成26年(判)第139号ないし第142号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。なお,公表する審決書においては,個人情報等に配慮し,マスキングの措置を施している。)。

1 被審人らの概要

 
事業者名 本店所在地
レンゴー株式会社
法人番号1120001036880
大阪市福島区大開四丁目1番186号
株式会社トーモク
法人番号7010001024692
東京都千代田区丸の内二丁目2番2号

2 被審人らの審判請求の趣旨

(1) 被審人レンゴー株式会社(以下「被審人レンゴー」という。)

ア 平成26年(判)第139号

  平成26年(措)第13号排除措置命令の全部の取消しを求める。

イ 平成26年(判)第141号

  平成26年(納)第222号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。

(2) 被審人株式会社トーモク(以下「被審人トーモク」という。)

ア 平成26年(判)第140号

  平成26年(措)第13号排除措置命令の全部の取消しを求める。

イ 平成26年(判)第142号

  平成26年(納)第223号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。

3 主文の内容

(1) 平成26年6月19日付け課徴金納付命令(平成26年(納)第222号)のうち,被審人レンゴーに対し,10億6758万円を超えて課徴金の納付を命じた部分を取り消す。

(2) 平成26年6月19日付け課徴金納付命令(平成26年(納)第223号)のうち,被審人トーモクに対し,6億363万円を超えて課徴金の納付を命じた部分を取り消す。

(3) 被審人らのその余の審判請求をいずれも棄却する。

 

4 本件の経緯

平成26年 6月19日 排除措置命令及び課徴金納付命令
      8月 8日,被審人らから排除措置命令及び課徴金納付命令に対して審判請求
      8月12日
     11月 7日 審判手続開始
     12月18日 第1回審判
            ↓※
令和 2年 2月20日 第9回審判(審判手続終結)
令和 2年 8月24日 審決案送達
      9月 7日 被審人らから異議の申立て及び直接陳述の申出
     11月25日 直接陳述の聴取
令和 3年 2月 8日 審決
※ 平成30年1月17日に,当初併合されていた平成26年(判)第3号ないし第138号レンゴー株式会社ほか36名に対する件(東日本地区に交渉担当部署を有する需要者向け段ボールシート又は段ボールケースの製造業者による価格カルテル事件)と分離することが決定された。

5 原処分の原因となる事実

 被審人ら及び他の段ボールケース製造業者3社は(以下「本件5社」という。),共同して,特定ユーザー向け段ボールケース(注1)の販売価格又は加工賃を引き上げる旨合意する(以下,この合意を「本件合意」という。)ことにより,公共の利益に反して,特定ユーザー向け段ボールケースの販売分野における競争を実質的に制限していた(以下「本件違反行為」という。)。
 被審人らの本件違反行為の実行期間は,独占禁止法第7条の2第1項の規定により,別表2の各被審人に係る「実行期間」欄記載のとおりであり,独占禁止法第7条の2の規定により算出された課徴金の額は,同表の各被審人に係る「課徴金額」欄記載のとおりである。
(注1)別表1の「交渉窓口会社」欄記載の事業者との間で取り決められた販売価格等の取引条件に基づき,別表1の「特定ユーザー」欄記載の事業者に販売される外装用段ボール(日本工業規格「Z 1516:2003」)で作った段ボールケース

 

6 審決の概要

(1) 本件の争点

ア 本件合意の成否(争点1)
イ 本件合意が一定の取引分野における競争を実質的に制限するものであったか否か(争点2)
ウ 本件排除措置命令の適法性(争点3)
エ 本件各課徴金納付命令の適法性(争点4)
 (ア) 課徴金の算定期間(実行期間)(争点4(1))
 (イ) 課徴金の算定対象となる商品の該当性(争点4(2))
 (ウ) 課徴金の算定基礎となる売上額(争点4(3))

(2) 争点に対する判断の概要

 ア 争点1について

 ①広域ユーザー向け段ボールケースに係る取引について大半のシェアを占めていた本件5社は,かねてから,広域ユーザー向け段ボールケースの値上げの実施に関する情報交換を行っていたこと,②主要な原紙メーカーによる段ボール原紙の値上げの表明が出そろうと,10月17日5社会(注2)において,出席各社から広域ユーザー向け段ボールケースの値上げの方針が示されるとともに,今後個別のユーザーごとに小部会を開催するなどして具体的な値上げ幅等の条件について協議することなどが確認され,10月31日5社会(注3)において,本件5社の間で,値上げの進捗状況を管理するべき広域ユーザーについて認識を共通にするため,その対象となる特定ユーザー及びその交渉窓口会社が選定されたこと,③小部会等で具体的な値上げ幅等の条件が取り決められ,各社ともこれに従って交渉窓口会社との間で値上げ交渉を行いながら,その交渉状況についても小部会等で情報交換を行っていたほか,5社会においても小部会から個別のユーザーに関する値上げの進捗状況について報告がされ,本件5社の間でこれらの対応について協議が行われており,本件5社は,こうした値上げ活動の結果,値上げを実現したことからすれば,本件5社は10月17日5社会で,広域ユーザー向け段ボールケースの値上げを行うことについて情報交換を行い,10月31日5社会でその対象となる特定ユーザー及びその交渉窓口会社を選定したことをもって,本件5社間で,相互に歩調をそろえながら特定ユーザー向け段ボールケースの販売価格又は加工賃の引上げを実施するとの意思が形成され,その旨の意思の連絡,すなわち本件合意が成立したと認められる。
(注2)平成23年10月17日に開催された,本件5社の営業本部長級の者らを出席者とする会合
(注3)平成23年10月31日に開催された,本件5社の営業本部長級の者らを出席者とする会合

  イ 争点2について

 「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」とは,当該取引に係る市場が有する競争機能を損なうことをいい,共同して商品の販売価格を引き上げた場合には,その当事者である事業者らがその意思で,ある程度自由に当該商品の販売価格を左右することができる状態をもたらすことをいうものと解する。ここで,独占禁止法第2条第6項にいう一定の取引分野は,当該共同行為によって競争の実質的制限がもたらされる範囲をいうものであり,その成立する範囲は,取引の対象・地域・態様等に応じて,当該共同行為が対象としている取引及びそれにより影響を受ける範囲を検討して決定されるものと解する。

 (ア) 一定の取引分野の範囲について

 本件合意が対象としている商品は,特定ユーザー向け段ボールケースとなり,本件合意により影響を受ける範囲も,特定ユーザー向け段ボールケースの販売及び加工に係る取引全般であるから,本件合意に係る一定の取引分野は,特定ユーザー向け段ボールケースの取引分野である。

 (イ) 競争の実質的制限について

 本件合意が成立した平成23年度において,特定ユーザー向け段ボールケースの総販売金額のうち,本件5社による販売金額が8割余りを占めていたことからすると,本件5社は,特定ユーザー向け段ボールケースの取引分野について,その意思で,ある程度自由に販売価格又は加工賃を左右することができる状態にあったというべきであるから,本件合意は,特定ユーザー向け段ボールケースの販売価格又は加工賃について,競争を実質的に制限するものであったと認められる。

  ウ 争点3について

(ア) 独占禁止法第7条第2項にいう「特に必要があると認めるとき」とは,排除措置を命じた時点では既に違反行為はなくなっているが,当該違反行為が繰り返されるおそれがある場合や,当該違反行為の結果が残存しており競争秩序の回復が不十分である場合などをいうものと解する。
(イ) 本件違反行為は,その経過や態様に照らすと,本件5社のかねてからの協調関係の下で,組織的に行われたものであることは明らかである。また,本件5社が本件違反行為を取りやめたのは,公正取引委員会による立入検査が行われたことを契機とするものと認められるのであり,被審人らの自発的な意思に基づくものとはみられない。
(ウ) 以上からすれば,本件違反行為が終了してから本件排除措置命令がなされるまで2年余り経過していることを踏まえても,被審人らを含む本件5社が,再び同様の違反行為を繰り返すおそれは否定できず,また,本件合意が消滅したことをもって,特定ユーザー向け段ボールケースの取引分野における競争秩序の回復が十分であるということもできない。
     本件排除措置命令の内容についても,公正取引委員会が命じた各措置は,いずれも本件違反行為が排除されたことを確保するのに必要な事項であると認められ,被審人トーモクが主張するような関連事件との比較から不均衡なものということもできない。
(エ) したがって,本件排除措置命令は,公正取引委員会がこれを命じたことにつき「特に必要があると認めるとき」に該当し,その内容も相当なものであって,適法なものと認められる。

  エ 争点4について

 (ア) 課徴金の算定期間(実行期間)(争点4(1))

 課徴金の計算における実行期間の始期については違反行為者が合意の対象となる需要者に対して値上げ予定日を定めて値上げの申入れを行い,その日からの値上げへ向けて交渉が行われた場合には,当該予定日以降の取引には,当該合意の拘束力が及んでいると解され,現実にその日に値上げが実現したか否かに関わらず,その日において当該行為の実行としての事業活動が行われたものと認められる。
 被審人らは,一部の特定ユーザーに対して,それぞれ文書により,被審人レンゴーについては平成23年11月1日を値上げ予定日と定めて,被審人トーモクについては同年12月1日を値上げ予定日と定めてそれぞれ段ボールケースの値上げの申入れを行ったものであり,これらの値上げへ向けて交渉が行われたと認められるから,上記の値上げ予定日が,実行期間の始期と認めるのが相当である。
 他方,本件5社は,平成24年6月5日に立入検査を受けて以降本件違反行為を行っていないが,それまでの間は本件違反行為を継続していたものと認められるから,同日をもって当該行為の実行としての事業活動はなくなったものと認められる。
 したがって,独占禁止法第7条の2第1項所定の実行期間は,被審人レンゴーについては平成23年11月1日から平成24年6月4日までとなり,被審人トーモクについては,平成23年12月1日から平成24年6月4日までとなる。

 (イ) 課徴金の算定対象となる商品の該当性(争点4(2))
 a 当該商品の意義
 独占禁止法第7条の2第1項にいう「当該商品」とは,違反行為である相互拘束の対象である商品,すなわち,違反行為の対象商品の範ちゅうに属し,違反行為である相互拘束を受けたものをいうと解すべきであるが,課徴金制度の趣旨及び課徴金の算定方法に照らせば,違反行為の対象商品の範ちゅうに属する商品については,一定の商品につき,違反行為を行った事業者が,明示的又は黙示的に当該行為の対象から除外するなど当該商品が違反行為である相互拘束から除外されていることを示す特段の事情がない限り,違反行為による拘束が及んでいるものとして,課徴金の算定の対象となる当該商品に含まれ,違反行為者が実行期間中に違反行為の対象商品の範ちゅうに属する商品を引き渡して得た対価の額が,課徴金の計算の基礎となる売上額となると解する。
 b 本件違反行為の対象商品
 本件違反行為の対象となる商品は,特定ユーザー向け段ボールケースであるから,前記の特段の事情が認められない限り,本件違反行為による拘束が及んでいるものとして,課徴金の算定対象となる商品に該当することになる。
 かかる対象商品の該当性に関する被審人らの主張については,いずれも採用できない。
 (ウ) 課徴金の算定基礎となる売上額(争点4(3))
 独占禁止法施行令第5条第1項第3号により割戻金が控除されるのは,割戻金が対価そのものの修正又はこれに準ずるものであるためであるところ,同号が割戻金を支払うべき旨が書面によって明らかな契約があった場合でなければならないと規定するのは,事後的に支払側の裁量によって支払われるなどしたものは対価の修正と認めるべきではなく,割戻金を支払うべきことがあらかじめ書面により客観的に明らかにされているものに限定する趣旨であると解される。
 かかる趣旨からすれば,同号所定の「割戻金の支払を行うべき旨が書面によって明らかな契約」があった場合とは,割戻しの対象となる商品又は役務の引渡し前に,割戻金を支払うべきことが書面で明らかにされている場合に限られるのであり,事後に書面で定めた割戻金はこれに該当しないというべきである。
 他方で,同号の上記趣旨からすれば,割戻しの対象期間の途中で割戻契約に係る書面が作成された場合であっても,作成日以後の取引との関係では同号所定の「書面によって明らかな契約」があったというべきである。
 以上によれば,被審人レンゴーについては,3567万4070円を,被審人トーモクについては,481万2085円を独占禁止法施行令第5条第1項第3号に基づき売上額から控除するべきである。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課(審判・訟務係)
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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