令和3年3月26日
公正取引委員会
公正取引委員会は,日本アルコン株式会社(以下「日本アルコン」という。)から独占禁止法第48条の7第1項の規定に基づき申請された確約計画が,独占禁止法の規定に違反する疑いのある後記2(1)の行為が排除されたことを確保するために十分なものであり,かつ,その内容が確実に実施されると見込まれるものであると認め,本日,同法第48条の7第3項の規定に基づき当該計画を認定(注1)(注2)した。
当該申請は,公正取引委員会が同法第48条の6の規定に基づき令和3年1月7日に行った,日本アルコンの後記2(1)の行為が同法第19条(不公正な取引方法第12項〔拘束条件付取引〕)の規定に違反する疑いがある旨の通知を受けた日本アルコンによって,確約計画の認定を求めてなされたものである。
なお,本認定は,公正取引委員会が日本アルコンの当該行為が独占禁止法の規定に違反することを認定したものではない。
(注1) 確約計画の認定は,確約手続に係る通知を受けた事業者から申請された確約計画を公正取引委員会が認定す
るという,独占禁止法に基づく行政処分である。
(注2) 公正取引委員会は,認定した確約計画の内容が実施されていないなどの場合には,独占禁止法第48条の9
第1項の規定により当該認定を取り消し,確約手続に係る通知を行う前の調査を再開することとなる。
1 申請者の概要
法人番号 | 2010401059079 |
名称 | 日本アルコン株式会社 |
所在地 | 東京都港区虎ノ門一丁目23番1号 |
代表者 | 代表取締役 リチャード・コズロスキー |
2 違反被疑行為の概要等
(1) 疑いの理由となった行為の概要
ア 日本アルコンは,自社の一日使い捨てコンタクトレンズ,二週間頻回交換コンタクトレンズ及び一か月定期交換コンタクトレンズ(以下「自社の一日使い捨てコンタクトレンズ等」という。)の販売に関し,小売業者に対して,広告への販売価格の表示を行わないように要請していた。
イ 日本アルコンは,自社の一日使い捨てコンタクトレンズ等の販売に関し,小売業者に対して,医師の処方を受けた者(注3)にインターネットによる販売を行わないように要請していた。
(2) 違反する疑いのあった法令の条項
日本アルコンの前記(1)ア及びイの行為は,それぞれ,不公正な取引方法の第12項に該当し独占禁止法第19条の規定に違反する疑いがある。
(注3) 「医師の処方を受けた者」とは,医療機関を受診して,コンタクトレンズの製品名,規格,有効期間等が記載された指示書の交付を受けた者を指す。
3 確約計画の概要
(1) 次の事項を取締役会において決議すること。
ア 前記2(1)ア及びイの行為を既に行っていないことを確認すること。
イ 前記2(1)ア及びイの行為と同様の行為を行わないこととし,この措置を今後3年間実施すること。
(2) 前記(1)に基づいて採った措置を,自社の一日使い捨てコンタクトレンズ等の小売業者及び販売代理店に通知するとともに,一般消費者に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底すること。
(3) 前記2(1)ア及びイの行為と同様の行為を行わないこととし,この措置を今後3年間実施すること。
(4) 次の事項を行うために必要な措置を講じること。
ア 自社の一日使い捨てコンタクトレンズ等の販売活動に関する独占禁止法の遵守についての,本件違反被疑行為の独占禁止法上の問題点等を記載した,行動指針の趣旨を明確にした文書の作成並びに同文書及び行動指針の自社の従業員に対する周知徹底
イ 自社の一日使い捨てコンタクトレンズ等の販売活動に関する独占禁止法の遵守についての,自社の一日使い捨てコンタクトレンズ等の営業担当者に対する定期的な研修及び法務担当者又は外部専門家による定期的な監査
(5) 前記(1),(2)及び(4)の措置の履行状況を公正取引委員会に報告すること。
(6) 前記(3)の措置及び(4)イに基づいて講じた措置の履行状況を,今後3年間,毎年,公正取引委員会に報告すること。
4 確約計画の認定
公正取引委員会は,前記3の計画が独占禁止法に規定する認定要件のいずれにも適合すると認め,当該計画を認定した。
関連ファイル
(印刷用)(令和3年3月26日)日本アルコン株式会社から申請があった確約計画の認定について(PDF:428KB)
(令和3年3月26日)参考1(違反被疑行為の概要)(PDF:256KB)
(令和3年3月26日)参考2・3(過去の事例及び参照条文)(PDF:118KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局審査局第五審査
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