令和4年6月21日
公正取引委員会事務総局
東北事務所
消費者庁
消費者庁は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある不当な表示及び過大な景品類の提供に対して、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)の規定に基づいて厳正・迅速に対処するとともに、同法の普及・啓発に関する活動を行うなど、表示等の適正化に努めている。
公正取引委員会は、消費者庁長官から景品表示法違反被疑事件に係る調査権限を委任され、必要な調査を行うとともに、相談への対応、講師派遣等を通じた同法の普及・啓発に取り組んでいる。
令和3年度における東北地区(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県及び福島県の6県)の景品表示法の運用状況等は次のとおりである。
第1 景品表示法違反事件の処理状況
1 概況
景品表示法違反被疑事件については、公正取引委員会事務総局東北事務所(以下「東北事務所」という。)及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえ、消費者庁が、違反事業者に対して措置命令・課徴金納付命令を行うほか、違反のおそれのある行為等がみられた場合には関係事業者に対して指導を行うなどしている。
令和3年度における景品表示法の事件処理件数は、措置命令が1件、課徴金納付命令が1件、指導が5件の計7件であった(令和3年度の主要な処理事件は別紙参照)。
表1 事件処理件数 (単位:件)
事件 |
措置命令 | 課徴金納付命令 | 指導 | 合計 | ||||
2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | |
表示事件 | 1 |
1 | 0 | 1 | 2 | 4 | 3 | 6 |
景品事件 | 0 | 0 | - (注) |
- (注) |
0 | 1 | 0 | 1 |
合計 | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 5 | 3 | 7 |
(注) 景品事件については課徴金納付命令の対象となっていない。
2 表示事件
令和3年度に処理した表示事件は6件で、事件処理件数全体の大部分(約86%)を占めた。
その内訳をみると、優良誤認(景品表示法第5条第1号)が2件、有利誤認(景品表示法第5条第2号)が4件であった。
令和3年度においては、マイナスイオン発生器によるインフルエンザウイルス除去効果等に係る不当表示について、東北事務所及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえて、消費者庁が措置命令を行った。また、令和2年度に措置命令を行ったマイナスイオン発生器による新型コロナウイルス予防効果等に係る不当表示について、消費者庁が課徴金納付命令(269万円)を行った。
表2 表示事件の内訳 (単位:件)
事件 |
措置命令 | 課徴金納付命令 | 指導 | 合計 | ||||
2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | |
優良誤認 |
1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 2 |
有利誤認 |
0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 | 4 |
第5条第3号に基づく告示 |
0 | 0 | - (注) |
- (注) |
0 | 0 | 0 | 0 |
合計 (延べ数) |
1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 4 | 3 | 6 |
(注) 第5条第3号に基づく告示事件については課徴金納付命令の対象となっていない。
3 景品事件
令和3年度に処理した景品事件は1件(事件処理件数全体の約14%)であった。
表3 景品事件の内訳 (単位:件)
事件 |
措置命令 | 指導 | 合計 | |||
2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | 2年度 | 3年度 | |
懸賞景品告示 | 0 |
0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
総付景品告示 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
4 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置
消費者庁は、①事業者が講ずべき景品類の提供及び表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要があると認めるときは、必要な指導及び助言をするとともに、②事業者が当該措置を講じていないと認めるときは、必要な措置を講ずべき旨の勧告をし、その勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
令和3年度に東北事務所及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえて、消費者庁が行った指導は4件であった。
第2 景品表示法の普及・啓発活動等
1 景品表示法に関する相談
消費者庁及び公正取引委員会は、景品表示法違反行為の未然防止等の観点から、商品・サービスに関する表示の方法や具体的な景品類の提供方法について、事業者等からの相談に応じている。
令和3年度に東北事務所が受け付けた相談件数は145件であった。具体的な相談内容としては、①景品類の提供限度額に関する相談、②商品の効能・性能の表示に関する相談、③商品又は役務の価格等の取引条件の表示に関する相談等が挙げられる。
2 景品表示法に関する講師派遣
令和3年度において、消費者団体等からの依頼に応じ、福島市(令和3年8月)、仙台市(同年10月及び12月)、山形市(同年11月)及び盛岡市(令和4年2月)において開催された、一般消費者等を対象に景品表示法等の内容を説明するセミナーに、計5回講師を派遣するなどした。
これらのセミナーにおいては、最近の違反事例の紹介を交えた景品表示法の意義・規制内容の説明を通じて、一般消費者等の理解増進を図り不当表示等による消費者被害の未然防止に努めた。
ながまち老壮大学(仙台市)(令和3年10月)
3 関係行政機関との連携
東北地区における景品表示法の執行力強化に向けた「景品表示法ブロック会議(北海道・東北ブロック)」(令和3年6月(書面により開催)及び11月(オンラインにより開催))、各県との意見交換や情報共有のための「消費者行政ブロック会議(北海道・東北ブロック)」(同年11月(オンラインにより開催))及び不適切な食品表示に関する監視強化等のための「東北ブロック食品表示連絡会議」(同年7月及び12月)に参加し、景品表示法等の取組状況や課題等について、東北地区の関係行政機関との情報共有を図るなどして、景品表示法の適正な執行に努めた。
また、宮城県及び山形県の観光土産品公正取引協議会が主催する認定審査会(令和4年2月及び3月)、並びに日本パン公正取引協議会が主催する北海道・東北地区包装食パン表示検査会(同年3月)に出席して意見交換を行い、業界団体との連携による事業者の適正な表示の促進に努めた。
関連ファイル
(印刷用)(令和4年6月21日)令和3年度における東北地区の景品表示法の運用状況等(PDF:476KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局東北事務所取引課
電話 022-225-7096(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/regional_office/tohoku/