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(令和5年6月16日)令和4年度公正取引委員会年次報告について

(令和5年6月16日)令和4年度公正取引委員会年次報告について

令和5年6月16日
公正取引委員会

 公正取引委員会は、独占禁止法第44条第1項の規定に基づき、内閣総理大臣を経由して、国会に対し、毎年、独占禁止法等の所管法令の施行の状況を報告しているところ、本日、令和4年度公正取引委員会年次報告書を国会に提出した。その要旨は以下のとおりである。

1 独占禁止法制等の動き

⑴ 独占禁止法の改正

 公示送達についてインターネットによる閲覧等を可能とする独占禁止法の改正を含む「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案」が、令和5年3月7日、第211回通常国会に提出された。

⑵ 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」の国会提出

 「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(令和4年6月7日閣議決定)において、フリーランスの取引適正化のための法制度について検討し、早期に国会に提出するとされたこと等を踏まえ、我が国における働き方の多様化の進展に鑑み、個人が事業者として受託した業務に安定的に従事することができる環境を整備するため、特定受託事業者に業務委託をする事業者について、特定受託事業者の給付の内容その他の事項の明示を義務付けるなどの措置を講ずることを内容とする「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案」が、令和5年2月24日、第211回通常国会に提出された。

⑶ その他所管法令の改正等

 公正取引委員会は、独占禁止法第40条に規定する調査権限に係る送達すべき書類等を定めるため、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十条の処分に関する規則」(令和4年公正取引委員会規則第2号。令和4年8月12日公布、同日施行)を制定した。
 また、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」(令和4年10月28日閣議決定)等に基づく中小下請取引適正化に向けた執行体制の強化のため、公正取引委員会事務総局組織令(昭和27年政令第373号。令和4年12月9日公布、同日施行)等の改正を行った。
 さらに、独占禁止法等に基づく手続について、申請者等の利便性の向上及び行政事務の効率化を図るため、公正取引委員会ホームページシステムの更改に合わせてオンラインによる受付機能を拡充等したことに伴い、「公正取引委員会の所管する法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則」(平成15年公正取引委員会規則第1号)の改正を行った(令和5年公正取引委員会規則第2号。令和5年3月31日公布、同年4月1日施行)。

2 厳正・的確な法運用(エンフォースメント)

⑴ 独占禁止法違反行為の積極的排除

 公正取引委員会は、迅速かつ実効性のある事件審査を行うとの基本方針の下、国民生活に影響の大きい価格カルテル、入札談合及び受注調整、中小事業者等に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用及び不当廉売など、社会的ニーズに的確に対応した多様な事件に厳正かつ積極的に対処することとしている。

 独占禁止法違反被疑事件として令和4年度に審査を行った事件は116件である。そのうち同年度内に審査を完了したものは99件であった。

 令和4年度においては、排除措置命令8件及び確約計画の認定3件の計11件の法的措置を行った。これを行為類型別にみると、価格カルテルが1件、その他のカルテルが3件、入札談合が4件、不公正な取引方法が3件となっている(第1図参照)。また、延べ21名に対し総額1019億8909万円の課徴金納付命令を行った(表)。
 なお、令和4年度においては、課徴金減免制度に基づき事業者が自らの違反行為に係る事実の報告等を行った件数は22件であった。

<令和4年度における排除措置命令事件>

価格カルテル

○ 炭素鋼製突合せ溶接式管継手の製造販売業者らに対する件

その他のカルテル

○ 旧一般電気事業者らに対する件(3件)

入札談合

○ 広島県又は広島市が発注するコンピュータ機器の入札等の参加業者らに対する件(2件)
○ 愛知県又は岐阜県に所在する病院が発注する医事業務の入札等の参加業者に対する件
○ 独立行政法人国立病院機構が発注する九州エリアに所在する病院が調達する医薬品の入札参加業者らに対する件

<令和4年度における確約計画の認定事案>

再販売価格の拘束

○ ㈱一蘭に対する件

拘束条件付取引

○ エクスペディア・ロッジング・パートナー・サービシーズ・サールに対する件

競争者に対する取引妨害

○ ㈱サイネックス及び㈱スマートバリューに対する件

 加えて、令和4年度においては、事業者から自発的な措置の報告を受け、事案の概要を公表した事案が1件あった。

<令和4年度における自発的な措置に関する公表事案>

○ ㈱セブン-イレブン・ジャパンによる対応について

(前記ウ及びエの事案の処理の類型別件数について第2図参照)

第1図 法的措置(注1)件数等の推移

第1図

(注1)法的措置とは、排除措置命令、課徴金納付命令及び確約計画の認定のことである。一つの事件について、排除措置命令と課徴金納付命令が共に行われている場合には、法的措置件数を1件としている。
(注2)私的独占と不公正な取引方法のいずれも関係法条となっている事件は、私的独占に分類している。
(注3)「その他のカルテル」とは、数量、販路、顧客移動禁止、設備制限等のカルテルである。

第2図 排除措置命令、確約計画の認定、警告等の件数の推移

第2図

(注)事案の概要を公表したものに限る。

 

表 課徴金額等の推移

表

(注)課徴金額については、千万円未満切捨て。

 

 このほか、違反につながるおそれのある行為に対する注意275件(不当廉売事案について迅速処理による注意を行った192件を含む。)を行うなど、適切かつ迅速な法運用に努めた。

 公正取引委員会は、独占禁止法違反行為の審査の過程において競争政策上必要な措置を講ずべきと判断した事項について、事業者団体等に申入れ等を行っている。
 令和4年度においては、電気事業連合会に対して申入れを行った。

 公正取引委員会は、国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案等については、刑事処分を求めて積極的に告発を行うこととしている。
 令和4年度においては、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が発注する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関するテストイベント計画立案等業務委託契約等の入札談合事件について、令和5年2月28日、入札参加業者6社及び当該6社でテストイベント計画立案等業務委託契約等の受注等に関する業務に従事していた者6名並びに公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会大会準備運営第一局次長等としてテストイベント計画立案等業務委託契約等の発注等に関する業務に従事していた者1名を、検事総長に告発した。

(2) 公正な取引慣行の推進

ア 優越的地位の濫用に対する取組

 公正取引委員会は、独占禁止法上の不公正な取引方法に該当する優越的地位の濫用行為が行われないよう監視を行うとともに、独占禁止法に違反する行為には厳正に対処している。また、優越的地位の濫用行為に係る調査を効率的かつ効果的に行い、必要な是正措置を講じていくことを目的とした「優越的地位濫用事件タスクフォース」を設置し、調査を行っている。
 令和4年度においては、優越的地位の濫用事件について、優越的地位の濫用につながるおそれがあるとして55件の注意を行った。

イ 不当廉売に対する取組

 公正取引委員会は、小売業における不当廉売について、迅速に処理を行うとともに、大規模な事業者による不当廉売事案又は繰り返し行われている不当廉売事案であって、周辺の販売業者に対する影響が大きいと考えられるものについて、周辺の販売業者の事業活動への影響等を個別に調査し、問題がみられた事案については、法的措置を採るなど厳正に対処している。
 令和4年度においては、酒類、石油製品等の小売業において、不当廉売につながるおそれがあるとして192件(酒類37件、石油製品151件、その他4件)の注意を行った。
 また、ガソリン等販売業を取り巻く経営環境の変化等を踏まえ、法運用の透明性を一層確保し、事業者の予見可能性をより高めるため、令和4年11月11日、「ガソリン等の流通における不当廉売,差別対価等への対応について」を改定し、公表した。

ウ 下請法違反行為の積極的排除等

 (ア) 公正取引委員会は、下請事業者からの自発的な情報提供が期待しにくいという下請取引の実態に鑑み、中小企業庁と協力し、親事業者及びこれらと取引している下請事業者を対象として定期的な調査を実施するなど、下請法違反行為の発見に努めている。また、中小事業者を取り巻く環境が依然として厳しい状況において、中小事業者の自主的な事業活動が阻害されることのないよう、下請法の迅速かつ効果的な運用により、下請取引の公正化及び下請事業者の利益の保護に努めている。 令和4年度においては、親事業者7万名及びこれらと取引している下請事業者30万名を対象に定期調査を行い、定期調査等の結果、下請法に基づき6件の勧告を行うとともに、8,665件の指導を行った(第3図参照)。

<令和4年度における勧告事件>

○ 食料品及び飲料品の卸売業における下請代金の減額事件
○ 包装資材、販売促進用商品等の卸売業における下請代金の減額事件
○ 発電用バルブの製造業等における不当な経済上の利益の提供要請事件
○ 食品等の販売業における下請代金の減額、返品及び不当な経済上の利益の提供要請事件
○ 電動工具の販売業における下請代金の買いたたき事件
○ 日用雑貨品、家具等の販売業における返品事件

第3図 下請法の事件処理件数の推移

第3図1

(注)自発的な申出事案については後記(ウ)参照。

 

第3図2

 (イ) 令和4年度においては、下請事業者が被った不利益について、親事業者180名から下請事業者6,294名に対し、下請代金の減額分の返還等、総額11億3465万円相当の原状回復が行われた(第4図参照)。このうち、主なものとしては、①下請代金の減額事件において、親事業者は総額8億5561万円を下請事業者に返還し、②下請代金の支払遅延事件において、親事業者は遅延利息等として総額1億4064万円を下請事業者に支払い、③返品事件において、親事業者は総額1億1512万円相当の商品を下請事業者から引き取り、④不当な経済上の利益の提供要請事件において、親事業者は総額1865万円の利益提供分を下請事業者に返還した。

第4図 原状回復の状況

第4図

 (ウ) 公正取引委員会は、親事業者の自発的な改善措置が下請事業者の受けた不利益の早期回復に資することに鑑み、当委員会が調査に着手する前に、違反行為を自発的に申し出、かつ、自発的な改善措置を採っているなどの事由が認められる事案については、親事業者の法令遵守を促す観点から、下請事業者の利益を保護するために必要な措置を採ることを勧告するまでの必要はないものとして取り扱うこととし、この旨を公表している(平成20年12月17日公表)。
 令和4年度においては、前記のような親事業者からの違反行為の自発的な申出は23件であった。また、同年度に処理した自発的な申出は20件であり、そのうちの1件は、違反行為の内容が下請事業者に与える不利益が大きいなど勧告に相当する事案であった。

エ 「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」を踏まえた「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」に関する取組

 公正取引委員会は、令和3年12月27日、当委員会を含む関係省庁において、「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」が取りまとめられたことを踏まえ、令和4年3月30日、「令和4年中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を策定した。これらに基づき、22業種11万名を対象に、独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に関する緊急調査を実施し、問題につながるおそれのある行為が認められた4,030名に対して注意喚起文書を発出するとともに、多数の取引先に対して協議を経ない取引価格の据置き等が認められた事業者13名について、その事業者名を公表するなど、適正な価格転嫁の実現に向けて、従来にない取組を進めた。その上で、令和5年3月1日、当委員会は、新たに「令和5年中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を策定し、適正な価格転嫁の実現に向けて、更なる取組方針を取りまとめ、関係事業者団体約1,600団体に対し、円滑な価格転嫁の実現に向けた要請文書を送付するなどした。

オ 消費税転嫁対策に関する取組

 公正取引委員会は、本局及び全国の地方事務所等に設置した相談窓口への相談・情報提供や下請法の書面調査の活用など、様々な情報収集活動によって把握した情報を踏まえ、立入検査等の調査を積極的に行い、消費税転嫁対策特別措置法に基づき161件の指導を行った。また、総額4億1497万円の原状回復が行われた。
 なお、消費税転嫁対策特別措置法は、令和3年3月31日をもって失効したが、同法附則第2条第2項の規定に基づき、失効前に行われた違反行為に対する調査、指導、勧告等の規定については、失効後もなお効力を有するとされていることから、失効前に行われた転嫁拒否行為には、引き続き迅速かつ的確に対処していくこととしている。

(3) 企業結合審査の充実

 独占禁止法は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる会社の株式取得・所有、合併等を禁止している。公正取引委員会は、我が国における競争的な市場構造が確保されるよう、迅速かつ的確な企業結合審査に努めている。また、個別事案の審査に当たっては、経済分析を積極的に活用している。
 令和4年度においては、独占禁止法第9条から第16条までの規定に基づく企業結合審査に関する業務として、銀行又は保険会社の議決権取得・保有について21件の認可を行い、持株会社等について116件の報告、会社の株式取得・合併・分割・共同株式移転・事業譲受け等について306件の届出をそれぞれ受理し、必要な審査を行った。また、「企業結合審査の手続に関する対応方針」(平成23年6月14日公正取引委員会。令和元年12月17日改定)において届出基準を満たさない(届出を要しない)企業結合計画であっても、買収に係る対価の総額が大きく、かつ、国内の需要者に影響を与えると見込まれる場合には、企業結合審査を行う旨を公表しているところ、これを踏まえ必要な審査を行った。さらに、令和4年6月22日、当事会社等と公正取引委員会との内部文書の提出に係る円滑なやり取りに資するよう「企業結合審査における内部文書の提出に係る公正取引委員会の実務」を公表した。

3 競争環境の整備(アドボカシー(唱導))

⑴ デジタル化等社会経済の変化に対応した競争政策の積極的な推進に向けて

 デジタル化の進展等、社会経済が急速に変化する中で、イノベーションや企業の成長を促す競争環境を整備することが重要となっている。このため、公正取引委員会は、独占禁止法の厳正かつ的確な執行(エンフォースメント)による違反行為の排除とともに、様々な分野での取引慣行の改善や規制・制度の見直しを提言する唱導(アドボカシー)による競争環境の整備に取り組んできた。当委員会は、令和4年6月16日、「デジタル化等社会経済の変化に対応した競争政策の積極的な推進に向けて―アドボカシーとエンフォースメントの連携・強化―」と題するステートメントを公表し、エンフォースメントとアドボカシーを車の両輪として一層精力的に取り組み、組織全体としてデジタル化の進展等社会経済の変化への対応を強化することを表明した。

⑵ ガイドラインの策定等

 公正取引委員会は、独占禁止法違反行為の未然防止と事業者及び事業者団体の適切な活動に役立てるため、事業者及び事業者団体の活動の中でどのような行為が実際に独占禁止法違反となるのかを具体的に示したガイドラインを策定している。

<令和4年度における主なガイドラインの策定等>

○ 「電気通信事業分野における競争の促進に関する指針」の改定
○ 「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」の策定

⑶ 実態調査

 公正取引委員会は、様々な分野に関する実態調査を積極的に行っており、実態調査において把握した事実等に基づき、独占禁止法又は競争政策上の問題点や論点を指摘して、事業者や事業者団体による取引慣行の自主的な改善を促すことや、制度所管官庁による規制や制度の見直しなどを提言することを通じ、競争環境の整備を図っている。

<令和4年度における主な実態調査>

○ クレジットカードの取引に関する実態調査
○ クラウドサービス分野に関する実態調査
○ モバイルOS等に関する実態調査
○ 携帯電話端末の廉価販売に関する緊急実態調査
○ フィンテックを活用したサービスに関するフォローアップ調査

⑷ イノベーションと競争政策に関する検討会

 イノベーションを促進し得る市場環境を確保することは、競争政策における重要かつ現代的な政策課題であり、将来起こり得るイノベーションという長期的な競争環境に対する影響を適切に評価していくことが重要である。公正取引委員会は、このような認識の下、それら実態に係るより深い理解や知見を得るため、企業行動等がイノベーションに与える影響メカニズム等について、経済学的知見等に基づき理論的・体系的に整理することを目的として、令和5年3月以降、「イノベーションと競争政策に関する検討会」を開催している。

⑸ デジタル市場競争会議への参画

 内閣に設置されたデジタル市場競争本部の下、デジタル市場に関する重要事項の調査審議等を実施するため、デジタル市場競争会議が開催されている。同会議は、内閣官房長官が議長を務め、公正取引委員会に関する事務を担当する内閣府特命担当大臣、公正取引委員会委員長も構成員となっている。
 令和4年4月26日に第6回デジタル市場競争会議が開催され、公正取引委員会に関する事務を担当する内閣府特命担当大臣及び公正取引委員会委員長が出席した。

⑹ 競争評価に関する取組

 各府省が規制の新設又は改廃を行おうとする場合、原則として、規制の事前評価の実施が義務付けられ、競争状況への影響の把握や分析(以下「競争評価」という。)も行うこととされている。規制の事前評価における競争評価において、各府省は、競争評価チェックリストを作成し、規制の事前評価書の提出と併せて総務省に提出し、総務省は、受領した競争評価チェックリストを公正取引委員会へ送付することとされている。
 公正取引委員会は、令和4年度においては、総務省から競争評価チェックリストを227件受領し、その内容を精査した。また、各府省における競争評価のより適切な実施の促進を目的として、競争評価の手法の改善等を検討するため、経済学や規制の政策評価の知見を有する有識者による競争評価検討会議を2回開催した。

⑺ 入札談合の防止への取組

 公正取引委員会は、入札談合の防止を徹底するためには発注者側の取組が極めて重要であるとの観点から、地方公共団体等の調達担当者等に対する独占禁止法や入札談合等関与行為防止法の研修会を開催するとともに、国、地方公共団体等が実施する調達担当者等に対する同様の研修会への講師の派遣及び資料の提供等の協力を行っている。
 令和4年度においては、研修会を全国で36回開催するとともに、国、地方公共団体等に対して225件の講師の派遣を行った。

⑻ 相談対応

 公正取引委員会は、事業者、事業者団体、一般消費者等から寄せられる独占禁止法及び関係法令に関する質問に対して、文書又は口頭により回答している。

4 競争政策の運営基盤の強化

⑴ 競争政策に関する理論的・実証的な基盤の整備

 競争政策研究センターは、平成15年6月の発足以降、独占禁止法等の執行並びに競争政策の企画・立案及び評価を行う上での理論的・実証的な基礎を強化するための活動を展開している。
 令和4年度においては、シンポジウムを2回開催したほか、公開セミナーを1回開催した。

⑵ 競争政策・法執行における経済分析の活用

 公正取引委員会は、「成長戦略フォローアップ」(令和3年6月18日閣議決定)を踏まえ、独占禁止法等の執行・競争政策の立案の基盤となり得る質の高い経済分析を行う体制を強化するため、令和4年4月1日、「経済分析室」を設置した。また、「経済分析報告書及び経済分析等に用いるデータ等の提出についての留意事項」を令和4年5月31日に公表したほか、令和4年度に結果を公表した独占禁止法違反被疑事件審査、企業結合審査、各種実態調査等のうち、経済分析を活用したものについて、その内容を公表した。

⑶ 経済のグローバル化への対応

ア 競争当局間における連携強化

 公正取引委員会は、二国間独占禁止協力協定等に基づき、関係国の競争当局に対し、執行活動等に関する通報を行うなど、外国の競争当局との間で緊密な協力を行っている。また、我が国と経済的交流が特に活発な国・地域の競争当局等との間で競争政策に関する協議を行っている。

イ 経済連携協定等への取組

 公正取引委員会は、経済連携協定等において競争政策を重要な要素と位置付け、競争分野における協力枠組みに係る条項等を盛り込む方向で交渉に参加している。令和4年度においては、インド太平洋経済枠組み(IPEF)の締結交渉に参加した。

ウ 多国間会議への参加

 国際競争ネットワーク(ICN)においては、その設立以来、公正取引委員会委員長が、ICNの活動全体を管理する運営委員会のメンバーを務めている。また、当委員会は、令和2年5月から、単独行為作業部会の共同議長を務めている。
 公正取引委員会は、令和5年3月、「現在の単独行為分野における競争政策と法執行の発展と課題」をテーマとしたワークショップを東京において主催した。
 また、経済協力開発機構(OECD)に設けられている競争委員会の各会合に、公正取引委員会委員等が参加している。
 さらに、令和4年10月12日、ベルリンにおいて、G7の競争当局及び政策立案者のトップ等が出席する「エンフォーサーズ及びポリシーメイカーズサミット」が開催され、公正取引委員会委員長等が出席した。
 このほか、公正取引委員会は、アジア太平洋経済協力(APEC)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、東アジア競争政策トップ会合(EATOP)等といった多国間会議にも積極的に参加している。

エ 技術支援

 公正取引委員会は、東アジア地域等の開発途上国の競争当局等に対し、当委員会事務総局の職員の派遣や研修の実施等の競争法・政策分野における技術支援活動を行っている。
 令和4年度においては、独立行政法人国際協力機構(JICA)の枠組みを通じて、ベトナム、モンゴル、マレーシア及びタイに対して技術支援を行ったほか、競争法制を導入しようとする国や既存の競争法制の強化を図ろうとする国の競争当局等の職員に対し、競争法・政策に関する研修を実施した。

⑷ 競争政策の普及啓発に関する広報・広聴活動

 競争政策に関する意見、要望等を聴取して施策の実施の参考とし、併せて競争政策への理解の促進に資するため、独占禁止政策協力委員から意見聴取を行った。 また、経済社会の変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため、公正取引委員会が広く有識者と意見を交換し、併せて競争政策の一層の理解を求めることを目的として、独占禁止懇話会を開催しているところ、令和4年度においては、同懇話会を3回開催した。
 さらに、経済団体や消費者団体との意見交換会、公正取引委員会委員等と各地の有識者との懇談会(全国8都市)、地方事務所長等の当委員会事務総局の職員と各地区の有識者との懇談会(全国各地区)、弁護士会との懇談会(全国各地区)及び全国規模の弁護士会連合会との意見交換会をそれぞれ開催した。
 前記以外の活動として、本局及び地方事務所等の所在地以外の都市における独占禁止法等の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため、一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動を紹介する「消費者セミナー」を開催した。
 加えて、中学校、高等学校及び大学(大学院等を含む。)に職員を講師として派遣し、経済活動における競争の役割等について授業を行う独占禁止法教室(出前授業)の開催など、学校教育等を通じた競争政策の普及啓発に努めた。

<令和4年度における主な取組>(注)

○ 独占禁止政策協力委員に対する意見聴取の実施(150件)
○ 独占禁止懇話会の開催(3回)
○ 経済団体との意見交換会の実施(1回)
○ 消費者団体との意見交換会の実施(11団体)
○ 地方有識者との懇談会の開催(北海道旭川市、青森市、さいたま市、金沢市、和歌山市、広島市、徳島市及び熊本市)
○ その他の地方有識者との懇談会の開催(98回)
○ 弁護士会との懇談会の開催(15回)
○ 全国規模の弁護士会連合会との意見交換会の実施(2回)
○ 消費者セミナーの開催(83回)
○ 独占禁止法教室の開催(中学生向け51回、高校生向け29回、大学生等向け140回)

(注)対面形式のほか、ウェブ会議等の非対面形式も活用して開催した。

関連ファイル

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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