令和5年6月22日
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所
消費者庁
消費者庁は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある不当な表示及び過大な景品類の提供に対して、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)の規定に基づいて厳正・迅速に対処するとともに、同法の普及・啓発に関する活動を行うなど、表示等の適正化に努めている。
公正取引委員会は、消費者庁長官から景品表示法違反被疑事件に係る調査権限を委任され、必要な調査を行うとともに、相談への対応、講師派遣等を通じた同法の普及・啓発に取り組んでいる。
令和4年度における近畿地区(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の2府5県)の景品表示法の運用状況等は次のとおりである。
第1 景品表示法違反被疑事件の処理状況
1 概況
景品表示法違反被疑事件については、公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所(以下「近畿事務所」という。)及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえ、消費者庁が、違反行為をした事業者に対して措置命令・課徴金納付命令を行うほか、違反のおそれのある行為等がみられた場合には関係事業者に対して指導を行うなどしている。
令和4年度における景品表示法の事件処理件数は、措置命令が1件、課徴金納付命令が1件、指導が7件の計9件であった(令和4年度の主要な処理事件は別紙参照)。
表1 事件処理件数(単位:件)
事件 |
措置命令 |
課徴金納付命令 |
指導 |
合計 |
||||
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
|
表示事件 |
4 |
1 |
3 |
1 |
7 |
6 |
14 |
8 |
景品事件 |
0 |
0 |
(注)- |
(注)- |
1 |
1 |
1 |
1 |
合計 |
4 |
1 |
3 |
1 |
8 |
7 |
15 |
9 |
(注) 景品事件については課徴金納付命令の対象となっていない。
2 表示事件
令和4年度に処理した表示事件は8件で、事件処理件数全体の大部分(約89%)を占めた。
その内訳をみると、優良誤認(景品表示法第5条第1号)が1件、有利誤認(景品表示法第5条第2号)が4件、おとり広告告示等(景品表示法第5条第3号)が3件であった。
また、回転寿司店における料理の提供に係る不当表示について、近畿事務所及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえて、消費者庁が措置命令を行った。さらに、シミを消すなどの石けんの効果に係る不当表示について、消費者庁が課徴金納付命令(459万円)を行った。
表2 表示事件の内訳(単位:件)
事件 |
措置命令 |
課徴金納付命令 |
指導 |
合計 |
||||
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
|
優良誤認 |
3 |
0 |
3 |
1 |
3 |
0 |
9 |
1 |
有利誤認 |
1 |
0 |
0 |
0 |
4 |
4 |
5 |
4 |
第5条第3号に基づく告示 |
0 |
1 |
(注)- |
(注)- |
0 |
2 |
0 |
3 |
合計 |
4 |
1 |
3 |
1 |
7 |
6 |
14 |
8 |
(注) 第5条第3号に基づく告示事件については課徴金納付命令の対象となっていない。
3 景品事件
令和4年度に処理した景品事件は1件(事件処理件数全体の約11%)であった。
表3 景品事件の内訳(単位:件)
事件 |
措置命令 |
指導 |
合計 |
|||
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
3年度 |
4年度 |
|
懸賞景品告示 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
1 |
総付景品告示 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
合計 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
1 |
4 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置
消費者庁は、①事業者が講ずべき景品類の提供及び表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要があると認めるときは、必要な指導及び助言をするとともに、②事業者が当該措置を講じていないと認めるときは、必要な措置を講ずべき旨の勧告をし、その勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
令和4年度に、近畿事務所及び消費者庁が行った調査の結果を踏まえて、消費者庁が行った指導は7件であった。
第2 景品表示法の普及・啓発活動等
1 景品表示法に関する相談
令和4年度に、近畿事務所において受け付けた相談件数は525件であった。具体的な相談内容としては、①食品の表示に関する相談、②二重価格表示等価格表示に関する相談、③商品の原産国表示に関する相談、④景品類を提供する際の取引価額や提供限度額に関する相談、⑤商店街やショッピングモール等における共同懸賞に関する相談等が挙げられる。
2 景品表示法に関する講師派遣等
令和4年度において、事業者団体等が開催する講習会に計7回講師を派遣した。また、和歌山市(令和4年11月)において、一般消費者等を対象にセミナーを開催したほか、消費者団体等からの依頼に応じ、福井県敦賀市(同年10月)、京都市(同年5月)、京都府長岡京市(同年8月)、大阪市(同年10月及び11月)、大阪府東大阪市(同年7月及び令和5年1月)、同府枚方市(令和4年10月)、同府河内長野市(同年9月)、兵庫県小野市(同年6月)、奈良県橿原市(同年9月)、和歌山県御坊市(同年6月)において開催されたセミナーに計12回講師を派遣した。
一般消費者を対象としたセミナーにおいては、景品表示法の内容や直近の違反事例等について説明するとともに、商品又はサービスの選択において注意が必要な点を説明し、不当表示に対する注意喚起を行った。
3 関係行政機関等との連携
「景品表示法ブロック会議(近畿ブロック)」(令和4年5月及び10月)に参加し、消費者行政に関する課題や表示の適正化への対応等について情報共有を図るとともに、大阪市において開催された「近畿地域食品表示連絡会議」(同年11月)に参加し、不適切な食品表示に関する監視強化に向けて意見交換を行うなど、近畿地区の関係行政機関とも協力して景品表示法の適正な執行に努めた。
また、全国ドレッシング類公正取引協議会が主催する試買検査会及び全国公正取引協議会連合会が主催する「公正取引協議会地方ブロック連絡会議(近畿ブロック)」(令和4年10月)並びに全国チョコレート業公正取引協議会が主催する試買検査会(同年11月)並びに奈良県の観光土産品公正取引協議会が主催する認定審査会(令和5年3月)に出席して意見交換を行い、業界団体との連携による事業者の適正な表示の促進に努めた。
関連ファイル
(印刷用)(令和5年6月22日)令和4年度における近畿地区の景品表示法の運用状況等(503 KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所取引課
電話06-6941-2175
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