令和5年3月17日
公正取引委員会
公正取引委員会は、株式会社キャメル珈琲(以下「キャメル珈琲」という。)に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)、同項第4号(返品の禁止)及び同条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)の規定に違反する行為が認められたので、本日、下請法第7条第2項及び第3項の規定に基づき、同社に対し勧告を行った。
1 違反行為者の概要
法 人 番 号 | 6010901003292 |
名 称 | 株式会社キャメル珈琲 |
本店所在地 | 東京都世田谷区代田二丁目31番8号 |
代 表 者 | 代表取締役 尾田 信夫 |
事業の概要 | 「カルディコーヒーファーム」と称する店舗等での食品等の販売等 |
資 本 金 | 5000万円 |
2 違反事実の概要
⑴ キャメル珈琲は、資本金の額が1000万円以下の法人たる事業者に対し、消費者等に販売する食品等の製造を委託している(これらの事業者を以下「下請事業者」という。)。
⑵ キャメル珈琲は、令和3年5月から令和4年12月までの間にオンラインストアで販売した商品の下請代金を下請事業者に支払う際に、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、「センターフィー」を下請代金の額から減じていた。減額した金額は、総額748万4506円である(下請事業者58名)。
⑶ア キャメル珈琲は、下請事業者から商品を受領した後、当該商品に係る品質検査を行っていないにもかかわらず、当該商品に瑕疵があることを理由として、令和3年5月から令和4年7月までの間、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、当該商品を引き取らせていた。返品した商品の下請代金相当額は、総額305万3210円である(下請事業者49名)。
⑷ キャメル珈琲は、前記⑶アの返品をするに当たり生じる人件費や保管費等の諸経費の一部を確保するため、「契約不適合商品処理負担金」を提供させることにより、令和3年5月から令和4年7月までの間、下請事業者の利益を不当に害していた。提供させた金額は、総額313万160円である(下請事業者46名)。
⑸ キャメル珈琲は、いまだ前記⑵に係る減額行為を取りやめていない。
⑹ キャメル珈琲は、令和5年3月9日、下請事業者に対し前記⑵の行為により減額した額、前記⑶アの行為により返品した商品の下請代金相当額及び前記⑷の行為により提供させた金額を支払っている。
3 勧告の概要
⑴ キャメル珈琲は、下請事業者に対し、前記2⑸の行為により減額した金額を速やかに支払うこと。
⑵ キャメル珈琲は、下請事業者に対し、前記2⑶イの行為により負担させた額を速やかに支払うこと。
⑶ キャメル珈琲は、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
ア 前記2⑵及び⑸の行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること。
イ 前記2⑶アの行為が下請法第4条第1項第4号の規定に違反するものであること。
ウ 前記2⑷の行為が下請法第4条第2項第3号の規定に違反するものであること。
エ 今後、前記各号の規定に違反する行為を行わないこと。
⑷ キャメル珈琲は、今後、下請法第4条第1項第3号及び第4号並びに同条第2項第3号の規定に違反する行為を行うことがないよう、自社の発注担当者に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
⑸ キャメル珈琲は、次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
ア 前記⑴から⑷までに基づいて採った措置
イ 前記2⑹の措置を採ったこと。
⑹ キャメル珈琲は、次の事項を取引先下請事業者に通知すること。
ア 前記⑴から⑸までに基づいて採った措置
イ 前記2⑹の措置を採ったこと。
⑺ キャメル珈琲は、前記⑴から⑹までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
関連ファイル
(印刷用)(令和5年3月17日)株式会社キャメル珈琲に対する勧告について(349 KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部下請取引調査室
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