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(令和6年1月25日)株式会社東京インテリア家具から申請があった確約計画の認定について

(令和6年1月25日)株式会社東京インテリア家具から申請があった確約計画の認定について

令和6年1月25日
公正取引委員会

 公正取引委員会は、株式会社東京インテリア家具(以下「東京インテリア家具」という。)に対し、独占禁止法の規定に基づき審査を行ってきたところ、同社の後記3の行為が独占禁止法第19条(同法第2条第9項第5号(優越的地位の濫用))の規定に違反する疑いが認められた。公正取引委員会は、当該行為について、確約手続に付すことで、東京インテリア家具によって当該行為が排除されたことを確保するために必要な措置が速やかに実施されることにより、競争の早期回復が図られると認め、令和5年11月22日、同法第48条の6の規定に基づき、同社に対し確約手続に係る通知を行った。
 今般、東京インテリア家具から、公正取引委員会に対し、同法第48条の7第1項の規定に基づき、後記3の行為が排除されたことを確保するために必要な措置の実施に関する確約計画の認定を求める申請があった。公正取引委員会は、当該確約計画は当該行為が排除されたことを確保するために十分なものであり、かつ、その内容が確実に実施されると見込まれるものであると認め、本日、同法第48条の7第3項の規定に基づき、当該確約計画を認定した(注1)(注2)
 なお、本認定は、公正取引委員会が東京インテリア家具の後記3の行為が独占禁止法の規定に違反することを認定したものではない。

(注1)確約計画の認定は、確約手続に係る通知を受けた事業者から申請された確約計画を公正取引委員会が認定するという、独占禁止法に基づく行政処分である。

(注2)公正取引委員会は、認定した確約計画に従って確約計画が実施されていないなどの場合には、独占禁止法第48条の9第1項の規定により当該認定を取り消し、確約手続に係る通知を行う前の調査を再開することとなる。

1 申請者の概要

法人番号 9011501007680
名称 株式会社東京インテリア家具
所在地 東京都荒川区荒川四丁目32番5号
代表者 代表取締役 利根川 隆弘

2 東京インテリア家具と納入業者との取引等

⑴ 東京インテリア家具は、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国及び九州の各地区において「東京インテリア家具」と称する店舗(注3)等を展開し、家具等を販売している。

⑵ 東京インテリア家具は、平成28年から令和4年までの間において、全国のいわゆる家具小売市場において売上高が上位の事業者であった。また、東京インテリア家具の店舗数は、平成28年5月時点では約40店舗であったが、令和4年6月時点には約50店舗まで増加していた。

⑶ 東京インテリア家具と納入業者(注4)との取引は基本的に買取取引である。

⑷ 納入業者の中には、東京インテリア家具に対する取引依存度が大きい者、東京インテリア家具の店舗数の多さや新規開店が続いていることから売上高の増加等が期待できると述べる者、他の事業者との取引開始又は取引拡大により東京インテリア家具との取引と同等の売上高を確保することは困難であると述べる者などがいた。

(注3)東京インテリア家具の店舗のほか、東京インテリア家具の兄弟会社等の店舗を含む。

(注4)「納入業者」とは、店舗で販売する商品について、東京インテリア家具と直接取引をしている事業者のうち、東京インテリア家具と継続的な取引関係にあるものをいう。

3 違反被疑行為の概要

 東京インテリア家具は、遅くとも平成28年5月頃以降、令和4年6月頃までの間、納入業者に対して、次の行為を行っていた。

⑴ 新規開店又は改装開店に際し、これらを実施する店舗において、納入業者が納入する商品以外の商品を含む当該店舗の商品の搬入、陳列等の作業を行わせるため、あらかじめ当該納入業者との間でその従業員等の派遣の条件について合意することなく、かつ、派遣のために通常必要な費用を自社が負担することなく、当該納入業者の従業員等を派遣させていた。

⑵ 新規開店に際し、これを実施する店舗に関して、「オープン協賛金」等の名目で、あらかじめ負担額の算出根拠、使途等を明らかにせず、又は、当該金銭の提供が、その提供を通じて納入業者が得ることとなる直接の利益等を勘案して合理的な範囲を超えた負担となるにもかかわらず、当該納入業者から当該店舗向けに開店前に納品される商品の納入金額に5パーセントの料率を乗じて算出した額等の金銭を提供させていた。

⑶ 令和3年2月及び令和4年3月に福島県沖で発生した地震に際し、福島県、宮城県及び岩手県に所在する店舗において当該各地震により毀損又は汚損した商品について、当該商品を値引き又は廃棄することによる自社の損失を補塡するため、納入業者が納入した当該商品の納入金額に相当する額の全部又は一部の金銭を提供させていた。

4 確約計画の概要

⑴ 次の事項を取締役会で決議すること。

ア 前記3の行為を取りやめていることを確認すること。

イ 前記3の行為と同様の行為を行わないこととし、この措置を今後3年間実施すること。

⑵ 前記⑴に基づいて採った措置を、納入業者に通知し、かつ、自社の従業員に周知徹底すること。

⑶ 前記3の行為に関する納入業者における金銭的価値を回復すること。

⑷ 前記3の行為と同様の行為を行わないこととし、この措置を今後3年間実施すること。

⑸ 次の事項を行うために必要な措置を講じること。

ア 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成及び自社の従業員に対する周知徹底

イ 納入業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての自社の役員及び従業員に対する定期的な研修並びに法務担当者による定期的な監査

⑹ 前記⑴、⑵、⑶及び⑸の措置の履行状況を公正取引委員会に報告すること。

⑺ 前記⑷の措置及び⑸イに基づいて講じた措置の履行状況を、今後3年間、毎年、公正取引委員会に報告すること。

5 確約計画の認定

 公正取引委員会は、次のとおり、前記4の確約計画が独占禁止法に規定する認定要件のいずれにも適合すると認め、当該確約計画を認定した。
 なお、当該確約計画が実施されることにより、前記4⑶の金銭的価値の回復については、現時点において、納入業者のうち約120社に対し、総額約1億6600万円と見込まれる。

⑴ 措置内容の十分性

ア 前記4の確約計画に記載の措置の内容は、近時の排除措置命令で独占禁止法第19条(同法第2条第9項第5号(優越的地位の濫用))の規定に違反すると認定された事案における排除措置の内容を全て含んでいる。

イ また、前記4⑶の金銭的価値の回復措置は、納入業者にとっては違反被疑行為により被った不利益に係る被害救済の効果があるものであるとともに、違反被疑行為の再発防止につながるものである。

ウ 以上を踏まえれば、本件においては、前記4の確約計画に記載の措置の内容は、措置内容の十分性を満たすと判断した。

⑵ 措置実施の確実性
 東京インテリア家具は、前記4の確約計画においてコンプライアンス体制の整備を措置に含めていること、措置の内容ごとに実施期限を設けていること、また、当該措置の履行状況の報告を行うこととしていることから、前記4の確約計画は実施期限内に確実に実施されると判断した。

関連ファイル

(印刷用)(令和6年1月25日)株式会社東京インテリア家具から申請があった確約計画の認定についてpdfダウンロード(127 KB)

(令和6年1月25日)参考1-2(過去の事例及び参照条文) pdfダウンロード(106 KB)

(令和6年1月25日)本件の概要pdfダウンロード(117 KB)

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局審査局第一審査
電話 03-3581-4960(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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