令和7年2月20日
公正取引委員会
公正取引委員会は、株式会社荏原製作所(以下「荏原製作所」という。)に対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する行為が認められたので、本日、下請法第7条第3項の規定に基づき、荏原製作所に対し勧告を行った。
1 違反行為者の概要
法 人 番 号 | 1010801001748 |
名 称 | 株式会社荏原製作所 |
本店所在地 | 東京都大田区羽田旭町11番1号 |
代 表 者 | 代表執行役 浅見 正男 |
事業の概要 | 標準ポンプ、カスタムポンプ等の製造販売 |
資 本 金 | 806億3907万4356円 |
2 違反事実の概要
⑴ 荏原製作所は、資本金の額が3億円以下の法人たる事業者に対し、自社が販売する又は製造を請け負う製品及び製品を構成する部品の製造を委託している(これらの事業者を以下「下請事業者」という。)。
⑵ 荏原製作所は、下請事業者に対して自社が所有する木型、金型、治具、工具等(以下「木型等」という。)を貸与していたところ、令和5年2月1日以降、当該木型等を用いて製造する製品及び製品を構成する部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者に対し、合計8,900型の木型等を自己のために無償で保管させることにより、下請事業者の利益を不当に害していた(下請事業者176名)。
3 勧告の概要
⑴ 荏原製作所は、下請事業者に対し、無償で木型等を保管させたことによる費用に相当する額を公正取引委員会の確認を得た上で速やかに支払うこと。
⑵ 荏原製作所は、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
ア 前記2⑵の行為が下請法第4条第2項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反するものであること。
イ 今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害さないこと。
⑶ 荏原製作所は、今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害することがないよう、自社の発注担当者に対して木型等の適切な管理に特に留意した下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
⑷ 荏原製作所は、前記⑴から⑶までに基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
⑸ 荏原製作所は、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を取引先下請事業者に通知すること。
⑹ 荏原製作所は、前記⑴から⑸までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
※ 荏原製作所は、下請事業者に貸与している木型等について、保管費用支払等の手続きを進めている。
関連ファイル
(令和7年2月20日)株式会社荏原製作所に対する勧告について(289 KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部下請取引調査室
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