令和7年9月29日
公正取引委員会
公正取引委員会は、株式会社Olympic(以下「Olympic」という。)に対して調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する事実が認められたので、本日、下請法第7条第2項の規定に基づき、Olympicに対して勧告を行った。
1 違反行為者の概要
法 人 番 号 | 2012401015268 |
名 称 | 株式会社Olympic |
本店所在地 | 東京都国分寺市本町四丁目12番1号 |
代 表 者 | 代表取締役 大下内 徹 |
事業の概要 | 食料品等の小売業等 |
資 本 金 | 1億円 |
2 違反事実の概要
⑴ Olympicは、資本金の額が1000万円以下の法人たる事業者に対し、自社が販売する食料品等の製造又は利用者から請け負う時計の修理を委託している(以下この受託事業者を「下請事業者」という。)。
⑵ Olympicは、令和5年5月から令和7年4月までの間、次のア及びイの額を下請代金の額から差し引くことにより、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じていた。
減額した金額は、総額1727万5530円である(下請事業者16名)。
ア 「割戻し」の額
イ 下請代金を下請事業者の金融機関口座に振り込む際に、Olympicが実際に金融機関に支払う振込手数料を超える額(注)
⑶ Olympicは、令和7年5月12日、下請事業者に対し、前記⑵の行為により減額した額を支払っている。
(注)下請代金を下請事業者の金融機関口座に振り込む際の振込手数料については、下請事業者の負担とすることを書面で合意していた。
3 勧告の概要
⑴ Olympicは、次の事項を取締役による決定により確認すること。
ア 前記2⑵の行為が下請法第4条第1項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反するものであること
イ 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じないこと
⑵ Olympicは、今後、下請法第4条第1項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する行為を行うことがないよう、自社の発注担当者等に対する下請法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
⑶ Olympicは、次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
ア 減額した金額を下請事業者に支払ったこと
イ 前記⑴及び⑵に基づいて採った措置
⑷ Olympicは、次の事項を取引先下請事業者に通知すること。
ア 減額した金額を下請事業者に支払ったこと
イ 前記⑴から⑶までに基づいて採った措置
⑸ Olympicは、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
※ なお、「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」(令和7年法律第41号)が令和8年1月1日に施行されるところ、公正取引委員会においては、改正後の下請法(取適法)の施行に合わせ、同法の対象となる取引の代金の支払について、発注者が振込手数料を受注者に負担させることは、合意の有無にかかわらず違反とするよう、「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」(平成15年公正取引委員会事務総長通達第18号)を見直すこととしている(参考資料「3 関連資料」参照)。
関連ファイル
(令和7年9月29日)株式会社Olympicに対する勧告について(268 KB)
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部下請取引調査室
電話 03-3581-3374(直通)
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