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(令和8年6月3日)独占禁止政策協力委員等から寄せられた主な意見(令和7年度)について

(令和8年6月3日)独占禁止政策協力委員等から寄せられた主な意見(令和7年度)について

令和8年6月3日
公正取引委員会

 公正取引委員会は、競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実情に即した競争政策の運営に資するため、独占禁止政策協力委員制度を設置し、各地域の有識者に独占禁止政策協力委員(定員150名)を委嘱するとともに、各地域の経済団体などとの懇談会を開催し、独占禁止法などの運用や競争政策の運営などについて意見及び要望を聴取している。

 令和7年度に寄せられた主な意見は、次のとおりである(地域ブロックごとの詳細は別紙参照)。

1 独占禁止法等の法執行について

・ 公正取引委員会による軽油販売業者による価格カルテルの調査は、一般消費者の生活に密接に関連する事案であり、同委員会の積極的な法執行を高く評価する。軽油など消費者の生活に密着する事案を通じてこそ、一般消費者が競争上の問題を自分事として捉える契機となるだろう。【九州・報道機関】

2 競争環境の整備に係る調査・提言について

・ 動画アニメーションの制作現場で、クリエイターやアニメーター等が契約条件又は労働条件の点で酷使されていないかが気になっている。最近ではアニメ配信の作品本数や媒体も増加していると聞き、海外から発注される作品もある一方、国内で海外のクリエイター等が作業するケースもあると思う。持続可能性のある方法でクールジャパンと呼ばれる文化を発展させていくためには、「人」を守ること、「産業」を守ることの両方の視点が必要であると思う。【関東・学識経験者】

・ 共同研究開発における契約を締結するにあたり、両者間でデータの提供範囲や価値評価を巡る条項の合意を形成することは極めて重要である。優越的地位の濫用とみなし得る事例も散見され、知的財産権や著作権の取り扱いを巡って一方の事業者が厳しい交渉を強いられる場面がある。このような状況を踏まえて、公正取引委員会においてはデータ取引の公正性確保に向けた取組を検討していただきたい。【関東・学識経験者】

・ 公正取引委員会が公表した「フードサプライチェーンにおける商慣行に関する実態調査報告書」で食品流通の商慣行である「3分の1ルール」が場合によっては優越的地位の濫用に当たるおそれがあるとともに違反行為に対しては厳正に対処するという方針を公表したことは、フードロスの削減にも繋がるため、大変意義があると考えている。公正取引委員会には、競争政策の観点から今後も取り組んでもらいたい。【中国・消費者】

3 経済のデジタル化の進展と競争政策の役割について

・ 「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」(以下「スマホソフトウェア競争促進法」という。)に関して、アプリ流通サービス市場における競争の重要性については十分理解している。しかし、アプリストアの新規参入を促すことで、これまでデジタル・プラットフォーム事業者によって有害と判断されていたアプリを子供が入手しやすくなってしまうのではないかという懸念の声がある。他方で、北海道内を含め日本全国の小規模なソフトウェア販売業者がデジタル小作のような状況にあることは憂慮すべき状況であり、公正取引委員会には実態をよく見てもらい、今後も効果的な政策を是非打ち出してほしい。【北海道・報道機関】

・ モバイルOSやアプリストアの提供市場においてデジタル・プラットフォーム事業者の寡占状態にあることで消費者の選択の機会を奪っているという問題があると思われる。ただ、消費者目線で見ると、デジタル技術を使いこなしている層はごくわずかであることから、デジタル・プラットフォーム事業者が同市場を寡占することで消費者の選択の幅が狭まってしまっていると感じている消費者は少ないと思う。消費者の多くがデジタル・プラットフォーム事業者の行為をきちんと理解することは難しいと考えられることから、公正取引委員会がデジタル・プラットフォーム事業者による競争制限行為を公表することにより、当該行為が消費者に対し不利益を与えているという実態を初めて知った者も多いと思う。消費者が理解することが難しい案件については、公表した際に消費者にも分かりやすい解説記事等を出し、広報活動を強めることにより消費者の理解が深まるようにしていただきたい。【東北・消費者】

・ 生成AIアプリケーションサービスの提供分野において、競争上の独占的な地位が継承されないかを注視してほしい。例えば、デジタル・プラットフォーム事業者が提供するソフトウェアユーザーにとっては、ソフトウェアにプリインストールされている生成AIを無意識に利用していることが考えられる。そのような結果、当該デジタル・プラットフォーム事業者は既存の独占的な地位を利用して、生成AIアプリケーションサービスの提供分野においても、デジタルエコシステム全てを独占する契機を与えてしまうおそれがあるのではないか。【関東・学識経験者】

・ ニュースコンテンツ配信分野において、ニュースプラットフォーム事業者とニュースメディア事業者の取引について、公正取引委員会には引き続き許諾料等の取引条件の透明性を高めるための取組をしっかりと行っていただきたい。【四国・報道機関】

4 中小企業の取引適正化/優越的地位の濫用規制/取適法、フリーランス・事業者間取引適正化等法の規制について

・ 賃上げの原資を確保するには、取引における適正な価格転嫁が不可欠である。公正取引委員会には、様々な調査を行っていただくなど、取引適正化に向けた動きに大変感謝している。ただ、中小企業の価格転嫁はまだまだ途上であることから、引き続き御尽力いただきたい。【北海道・経済界】

・ 公正取引委員会による価格転嫁の取組について、商工会議所でも会員企業に対し周知を行っており、商工会議所に属する会員企業の上層部は認識しているはずである。しかし、社内に浸透させることができず、現場まで十分に届いていない。上層部は、現場で契約や調達を担当する者に対して本気で周知するべきである。【東北・経済界】

・ 建設業界では、繁忙期になると、個人に対する単発の業務委託を行うことも多いため、取引条件の明示を適切に行うなど、建設業者は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下「フリーランス・事業者間取引適正化等法」という。)に対する意識を高める必要がある。【中部・経済界】

・ 当社は、委託元との関係では「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(以下「取適法」という。)上の「中小受託事業者」に該当しないが、委託元と価格交渉を行おうとすると、それなら取引をしないなどと言われることもあり、価格転嫁が進んでいない。【中部・経済界】

・ 商業施設等において出店者がテナント運営会社と出店契約を締結する際には、一般的に、家賃や諸経費に関する負担について細かく話し合った上で契約書を締結する。しかしながら、契約の締結後に当初の契約時には想定していなかった費用が発生した場合、テナント運営会社から求められる追加費用の負担について出店者の負担割合の算出根拠が曖昧となり、出店者にとっては追加費用の負担によってどの程度の売上げや集客の増加効果があるのかなどといった出店者側の経営判断材料が不透明になることが多い。テナント運営会社が出店者に対してポイントサービスの費用を負担させることについて、公正取引委員会はどのような場合に独占禁止法上問題となるのかを明確にしてほしい。【近畿・経済界】

・ デザイン制作の受託現場では、受注者となる印刷業者は制作後のやり直しが一定程度あるという前提の下で発注者と単価交渉等をしてはいるものの、発注者の感覚的な不満を理由として予測を上回る回数のやり直しを要求されることや契約書を交わさずに取引が行われる慣行も依然として残っている。【近畿・経済界】

・ 価格転嫁の必要性については、多くの事業者に浸透しており、取引先事業者との間で協議の場を設けることは当然の商慣行になりつつあると感じている。また、公正取引委員会が令和5年11月に公表した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」(以下「労務費転嫁指針」という。)において示された「公表資料を値上げ率等の根拠資料として使う」という方法は、価格交渉の際、自社の具体的な賃上げ率等の全ての情報を取引先に提供することは企業秘密保持の観点から難しいため、価格転嫁に臨む事業者にとって有り難い。ただ、値上げを要求される側の事業者にとっては、外国企業とのグローバルな価格競争も意識する必要があるため、国内取引での価格転嫁に応じることが容易ではない状況もある。【近畿・経済界】

・ 取適法において、協議に応じない一方的な価格決定の禁止が法定化されたことについては非常にインパクトがあったと感じている。法定化されたことにより協議に応じてくれるようになったという声が現在でも多いが、一度テーブルにつくと協議を受ける側としてもゼロ回答はしづらいことから、今後も一層改善に向かっていくと感じる。【中国・経済界】

・ 労務費、原材料費、エネルギーコストのいずれも、価格交渉を行えばある程度は転嫁を認めてくれるが、委託加工費、つまり、当社が自己の取引先業者などに外注をするような取引のコストアップについては、「そこは自助努力してほしい」と言われてしまう。これは、発注者にとって直接の取引先である当社の労務費等であれば、当社の従業員がどの程度の規模であって、どのような仕事をしているのかが見えるので価格交渉に応じやすいのだが、当社の外注先となると発注者には見えない部分であるので、実際にどれだけコストアップがあったのか分かりにくいということだと思う。このように多重下請取引においては価格転嫁が難しいという問題は、多重下請構造自体を無くしていくことが解決につながるのではないか。【中国・経済界】

・ フリーランス・事業者間取引適正化等法においては取引条件の明示が義務として法定されているが、建築業界では、作業日の現場の進捗状況を見てみなければ作業の内容等が分からないことが多いため、発注時に一人親方等の業務委託先に対し取引条件を全て明示することはそもそも難しい。発注者は業務委託先に発注書面を提示しないことが多いのではないか。【四国・経済界】

・ 運送会社と荷主との取引において課題がある。荷主が荷下ろし作業を強要することや、無対価で荷下ろしをさせることが業界の慣例として根付いている。発荷主の当該行為について法令違反であることの周知が必要ではないか。また、着荷主の当該行為について、何かしらの基準の作成が必要ではないか。【九州・経済界】

・ 地方経済は中小企業が中心であることを踏まえ、公正取引委員会等の行政機関には、地方の実情に即した施策の展開と丁寧なフォローを求める。また、東京都を含む大都市圏と地方では経済構造が大きく異なることを理解していただき、地域別の正しい価格転嫁率を算出していただきたい。都市部と地方における価格転嫁状況の違いを十分に踏まえた政策の実施を求める。一律の制度運用ではなく、地域の実態に即した支援・施策の展開が必要である。【九州・経済界】

・ 近年、スタートアップ企業のイベント活動が盛況である。スタートアップ企業が開発したノウハウを取引関係上優越的地位にある大企業等が盗用するおそれがあるため、スタートアップ企業の知的財産や成果を適切に保護するための制度整備が必要であると考える。【沖縄・経済界】

5 地域経済の実情と競争政策上の課題について

・ 高齢者の介護分野におけるサービス事業者の合併が増えてきているが、ある事業者が大手事業者に吸収された後で、従前の充実したきめ細やかなサービスがなくなったがどうすればよいかという消費者相談を複数受けている。例えば、夜間就寝までのトイレ介助等を毎日担当してくれていた事業者が大手事業者に吸収合併された途端、当該サービスが廃止されてしまったという。介護事業には他分野で大手である保険会社等が参入しており、事業者としてのコスト削減の観点から、サービスを取捨選択する必要があることは理解しているが、地域密着型の事業者が競争環境の中で淘汰される岐路にあると感じる。【関東・消費者】

・ 中部地域は「ものづくり」が盛んであり、金型はその生命線といってよいほど重要なものである。しかし、金型を巡っては、無償保管という部品製造業者にとって不利な商習慣があるため、その見直しに向けて取組を進めていく必要がある。【中部・報道機関】

6 広報・広聴活動について

・ 公正取引委員会がSNSのフォロワー数を増加させるには、引き続き事件について報道発表するのが最も効果的だと思う。【沖縄・報道機関】

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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