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(令和8年3月30日)矢崎部品株式会社に対する勧告について

(令和8年3月30日)矢崎部品株式会社に対する勧告について

令和8年3月30日
公正取引委員会


 公正取引委員会は、矢崎部品株式会社(以下「矢崎部品」という。)に対して調査を行ってきたところ、下請法(注1)第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)(注2)に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反する事実が認められたので、本日、下請法第7条第3項(注3)の規定に基づき、矢崎部品に対して勧告を行った(※)。

(注1) 「下請法」とは、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律(令和7年法律第41号。以下「改正法」という。)による改正前の下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号)をいう。

(注2) 改正法附則第2条第2項の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。

(注3) 「下請法第7条第3項」とは、改正法附則第2条第2項の規定によりなお従前の例によることとされる下請法第7条第3項をいう。

※ 下請法は、改正法により改正され、令和8年1月1日から、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(以下「取適法」という。)となった。

  本件の製造委託は、改正法施行前になされたものであり、下請法の適用を受けることから、本公表文は下請法上の用語により記載することが適当である場合は下請法上の用語により記載している。改正法施行後になされた製造委託等には取適法が適用され、次のように用語が変更される。

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1 違反行為者の概要

法 人 番 号  9010401029760
名   称  矢崎部品株式会社
本店所在地  東京都港区港南一丁目8番15号
代 表 者  代表取締役 矢﨑 陸
事業の概要  自動車用部品の製造販売
資 本 金  5000万円

2 みなし親事業者・下請事業者規定(下請法第2条第9項。以下「みなし適用規定」という。)の適用

⑴ 矢崎部品の資本金の額は、令和5年8月頃から令和6年12月までの間、1000万円を超え3億円以下であり、また、この間、資本金の額が3億円を超える法人たる事業者である矢崎総業株式会社(以下「矢崎総業」という。)が矢崎部品の総株主の議決権の全部を有していた。

⑵ 矢崎部品は、令和5年8月頃から令和6年12月までの間に、矢崎総業から自動車用部品(以下「本件製品」という。)の製造の委託を受け、当該本件製品又はこれに用いる部品(以下「本件部品」という。)の製造を法人たる事業者に再委託しており、当該再委託の額は矢崎総業の矢崎部品に対する委託の額の大部分を占めた。

⑶ 矢崎部品が令和5年8月頃から令和6年12月までの間に資本金の額が1000万円以下の法人たる事業者に対し製造委託をする場合、前記⑴のとおり矢崎部品の資本金の額は1000万円を超え3億円以下であるため、下請法第2条第7項第2号及び同条第8項第2号の規定により、矢崎部品は親事業者に、当該製造委託を受ける事業者は下請事業者に該当する。

   加えて、本件については、前記⑴及び⑵の事実により、前記⑵の再委託先である法人たる事業者が矢崎総業から直接製造委託を受けるものとすれば同条第8項各号に規定する下請事業者に該当することとなるときは、みなし適用規定(下請法第2条第9項)が適用されるため、矢崎部品が資本金の額又は出資の総額が1000万円を超え3億円以下の法人たる事業者に対して行った前記⑵の再委託について、矢崎部品は親事業者と、当該再委託を受ける事業者は下請事業者とみなされる。

3 違反事実の概要

⑴ア 矢崎部品は、令和5年8月頃から令和6年12月までの間に、他の事業者に対し、自社が親会社である矢崎総業から製造を請け負う本件製品及びこれに用いる本件部品の製造を委託した(以下この受託事業者を「本件下請事業者」という。)。

イ(ア) 矢崎部品が本件下請事業者のうち46名に対して前記アの委託をした当時、前記2⑴のとおり矢崎部品は資本金の額が1000万円を超え3億円以下の法人たる事業者であり、当該46名は資本金の額が1000万円以下の法人たる事業者であった。

 (イ) 矢崎部品が本件下請事業者のうち85名に対して前記アの委託をした当時、前記2⑴のとおり矢崎総業は資本金の額が3億円を超える法人たる事業者であり、当該85名は資本金の額又は出資の総額が1000万円を超え3億円以下の法人たる事業者であった。

⑵ア 矢崎部品は、本件下請事業者のうち84名との間で取引基本契約書、品質管理基準書等を取り交わし、当該84名に対し、委託に係る本件部品の各生産ロットの生産開始品、最終製品等を製造する際、本件部品と同一の物を製品サンプルとして所定の個数を併せて製造し、6か月間又は1年間保管するよう求めていたところ、遅くとも令和5年9月1日以降、当該84名に対し、自己のために無償で製品サンプルを製造させ、及び保管させることにより、当該84名の利益を不当に害していた。

イ 矢崎部品は、本件下請事業者のうち119名との間で取引基本契約書、品質管理基準書等を取り交わし、当該119名に対し、委託に係る本件製品又は本件部品の製造における作業に関する記録、検査に関する記録、品質不具合に関する記録その他の品質記録に関する帳票類(以下「品質記録帳票類」という。)を書面又は電磁的記録に係る記録媒体(以下「電磁的記録媒体」という。)に記録された電磁的記録の形式で20年間等の所定の期間保管するよう求めていたところ、遅くとも令和5年9月1日以降、当該119名に対し、自己のために無償で品質記録帳票類を保管させ、及び品質記録帳票類に係る書面を電磁的記録に変換して電磁的記録媒体に記録させることにより、当該119名の利益を不当に害していた。

ウ 矢崎部品は、本件下請事業者のうち69名に対して自社が所有する金型及び治工具(以下「金型等」という。)を貸与していたところ、遅くとも令和5年9月1日以降、当該金型等を用いて製造する本件製品及び本件部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、当該69名に対し、合計5,235個の金型等を自己のために無償で保管させることにより、当該69名の利益を不当に害していた。

※ 矢崎部品は、前記ウの金型等について、保管費用の支払に関する手続を進めている。

4 勧告の概要

⑴ 矢崎部品は、本件下請事業者に対し、それぞれ次の額を公正取引委員会の確認を得た上で速やかに支払うこと。

ア 前記3⑵アの84名に対しては、本件製品と同一の物を製品サンプルとして製造させ、及び保管させたことによる費用に相当する額

イ 前記3⑵イの119名に対しては、品質記録帳票類を保管させ、及び電磁的記録として電磁的記録媒体に記録させたことによる費用に相当する額

ウ 前記3⑵ウの69名に対しては、金型等を保管させたことによる費用に相当する額

エ この勧告の日までに製品サンプル又は品質記録帳票類を廃棄した前記3⑵アの84名及び同イの119名に対しては、その廃棄に際して当該84名及び当該119名が負担した費用に相当する額

⑵ 矢崎部品は、それぞれ次の措置を公正取引委員会の確認を得た上で速やかに採ること。

ア(ア) 前記3⑵アの84名による製品サンプルの全部又は一部の保管が終了する場合にあっては、当該84名に対し、当該製品サンプルの廃棄に際して当該84名が負担した費用を支払うこと

 (イ) 今後、中小受託事業者に製品サンプルを製造させ、保管させ、又は廃棄させる場合にあっては、中小受託事業者の利益を不当に害することがないよう、これに要する費用の負担に関して中小受託事業者と十分に協議の上書面により合意すること

イ(ア) 前記3⑵イの119名による品質記録帳票類の全部又は一部の保管が終了する場合にあっては、当該119名に対し、当該品質記録帳票類の廃棄に際して当該119名が負担した費用を支払うこと

 (イ) 今後、中小受託事業者に品質記録帳票類を保管させ、電磁的記録として電磁的記録媒体に記録させ、又は廃棄させる場合にあっては、中小受託事業者の利益を不当に害することがないよう、これに要する費用の負担に関して中小受託事業者と十分に協議の上書面により合意すること

ウ(ア) 前記3⑵ウの69名による金型等の全部又は一部の保管が終了する場合にあっては、当該69名に対し、当該金型等の廃棄に際して当該69名が負担した費用を支払うこと

 (イ) 今後、中小受託事業者にその給付に係る製品の製造に用いる金型等を保管させ、又は廃棄させる場合にあっては、中小受託事業者の利益を不当に害することがないよう、これに要する費用の負担に関して中小受託事業者と十分に協議の上書面により合意すること

⑶ 矢崎部品は、次の事項を取締役会の決議により確認すること。

ア 前記3⑵の行為は、下請法第4条第2項第3号(注4)に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反するものであること

イ 今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、中小受託事業者の利益を不当に害さないこと

⑷ 矢崎部品は、今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、中小受託事業者の利益を不当に害することがないよう、自社の発注担当者に対して取適法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。

⑸ 矢崎部品は、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。

⑹ 矢崎部品は、前記⑴から⑸までに基づいて採った措置を取引先中小受託事業者に通知すること。

⑺ 矢崎部品は、前記⑴から⑹までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。

(注4) 改正法附則第2条第2項の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。

関連ファイル

(令和8年3月30日)矢崎部品株式会社に対する勧告についてpdfダウンロード(336 KB)

問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引適正化調査室
電話 03ー3581-3374(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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