平成21年4月17日
公正取引委員会
1 公正取引委員会は,成田国際空港,関西国際空港及び中部国際空港の完全民営化が検討されていることや平成22年10月の東京国際空港(羽田空港)の国際化など,国際航空貨物輸送を巡る環境が大きく変わろうとする中,国際拠点空港等(成田国際空港,関西国際空港,中部国際空港及び東京国際空港)における国際航空貨物の輸出入に焦点を当て,空港内の保税上屋及び通関業を中心に,これらに係る規制及び民間商慣行について,関係事業者に対するヒアリング及びアンケート調査を実施し,競争政策上の観点から検討を行った。この過程においては,平成20年12月以降,政府規制等と競争政策に関する研究会(座長 岩田規久男 学習院大学経済学部教授)を開催して,調査結果を報告し,国際拠点空港等における国際航空貨物の輸出入に係る競争政策上の論点について,会員の意見を伺ってきたところである。今般,同研究会の議論も踏まえ,調査結果を取りまとめたので,報告書「国際航空貨物の輸出入に係る競争実態について―保税上屋及び通関業を中心として―」を公表することとした(別添1報告書本体(PDF:374KB),別添2報告書参考資料(PDF:188KB)及び別添3報告書概要(PDF:132KB))。
2 報告書では,国際航空貨物輸送における公正かつ自由な競争を促進するため,次の事項について提言を行っている。
(1) 航空上屋の利用におけるイコールフッティングの確保
(2) 上屋の割当てにおけるイコールフッティングの確保
ア 透明性及び公平性の確保
イ 上屋の割当ての見直し及び上屋の再配置
(3) 空港管理者が上屋事業に関係がある場合のイコールフッティングの確保
ア 空港管理者が上屋事業を行う場合
イ 上屋事業者等が空港管理者の株式を保有する場合
(4) 通関業に係る規制の在り方
ア 通関業の許可及び営業所の新設許可に係る需給調整条項
イ 通関業に係る営業区域の制限
ウ 料金規制
3 公正取引委員会は,今後も,競争制限的規制・慣行のみられる物流分野等の競争実態の把握に努めるとともに,制度の動向を把握し,必要に応じ,競争政策の観点から調査・提言を行っていくこととする。
【附属資料】
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