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(平成27年6月11日)平成25年10月から平成27年3月までにおける北海道地区の消費税転嫁対策の取組について

(平成27年6月11日)平成25年10月から平成27年3月までにおける北海道地区の消費税転嫁対策の取組について

平成27年6月11日
公正取引委員会事務総局
北海道事務所

はじめに

 公正取引委員会は,平成26年4月1日の消費税率の引上げを踏まえ,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から,消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)の未然防止のための取組と,転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組を進めてきたところである。
 北海道事務所においても,転嫁拒否行為等に対して迅速かつ厳正に対処することを目的として,平成25年10月1日に「消費税転嫁対策調査室」を設置し,北海道事務所管内において消費税転嫁対策に係る取組を実施してきたところ,平成25年10月から平成27年3月までの管内における取組状況は以下のとおりである。

第1 転嫁拒否行為に対する迅速かつ厳正な対処のための取組

1 調査及び処理の概況

 管内において調査に着手した転嫁拒否行為に係る事案は74件であり,25件について立入検査を実施した。調査の結果,転嫁拒否行為が認められた34件について指導を行っている。主な指導の概要は別紙のとおりである。

表1:転嫁拒否行為に対する対応状況(注1)
  調査着手(注2) 立入検査 処 理
勧告 指導
全国 2,567 747 19 1,040
≪4≫ ≪80≫
北海道地区 74 25 0 34
≪0≫ ≪2≫

(注1) 平成27年3月までの累計(平成25年10月~平成27年3月)。以下表2,表3及び表4において同じ。≪ ≫内の件数は,大規模小売事業者に対する勧告又は指導の件数で内数である。
(注2) 調査着手件数には,中小企業庁長官からの措置請求に基づくものを含み,全国には3件が含まれている。

2 業種別の処理状況

 指導の件数について業種別で分類すると,管内においては小売業が8件(23.5%)と最も多く,以下,技術サービス業(広告・建築設計業等)が5件(14.7%)と続いている。

表2:勧告及び指導件数の内訳(業種別)(注1)
業種 全国 北海道地区
勧告 指導 合計(割合) 勧告 指導 合計(割合)
建設業 0 73 73
(6.9%)
0 2 2
(5.9%)
製造業 0 337 337
(31.8%)
0 1 1
(2.9%)
情報通信業 1 72 73
(6.9%)
0 1 1
(2.9%)
運輸業(道路貨物運送業等) 0 89 89
(8.4%)
0 2 2
(5.9%)
卸売業 1 88 89
(8.4%)
0 2 2
(5.9%)
小売業 4 134 138
(13.0%)
0 8 8
(23.5%)
不動産業 2 24 26
(2.5%)
0 1 1
(2.9%)
技術サービス業(広告・建築設計業等) 0 64 64
(6.0%)
0 5 5
(14.7%)
医療福祉 1 7 8
(0.8%)
0 0 0
(0.0%)
事業サービス業(ビルメンテナンス業・警備業等) 0 19 19
(1.8%)
0 0 0
(0.0%)
その他(注2) 10 133 143
(13.5%)
0 12 12
(35.3%)
合 計 19 1,040 1,059 0 34 34

(注1) 複数の業種にわたる事業者が勧告又は指導の対象となった場合は,当該事業者の主な業種を1件として計上している。
(注2) 「その他」は,旅行業,自動車整備業・機械等修理業,労働者派遣業等である。

3 行為類型別の処理状況

 指導について行為類型別で分類すると,管内においては買いたたき(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)が23件(65.7%)となっており,延べ合計35件のうち大半を占めている。

表3:勧告及び指導件数の内訳(行為類型別)
行為類型 全国 北海道地区
勧告 指導 合計(割合) 勧告 指導 合計(割合)
減額 3 33 36
(3.3%)
0 0 0
(0.0%)
買いたたき 19 748 767
(70.5%)
0 23 23
(65.7%)
役務利用・利益提供の要請 0 46 46
(4.2%)
0 2 2
(5.7%)
本体価格での交渉の拒否 0 239 239
(22.0%)
0 10 10
(28.6%)
合 計(注) 22 1,066 1,088 0 35 35

(注)事業者の中には,複数の行為を行っている場合があり,表1及び表2に記載の件数とは一致しない。

4 特定供給事業者が被った不利益の原状回復の状況

 管内においては,平成27年3月までに,転嫁拒否行為によって特定供給事業者が被った不利益について,特定事業者6名から,特定供給事業者760名に対し,総額272万円の原状回復が行われた。

5 転嫁拒否行為等に関する相談件数

 転嫁拒否行為等に関する事業者からの相談や情報提供を一元的に受け付けるための相談窓口を平成25年10月1日に北海道事務所に設置し,当該相談窓口において53件の相談に対応した。

表4:転嫁拒否行為等に関する相談件数
  平成25年度 平成26年度 合計
全国 3,179 1,420 4,599
北海道地区 28 25 53

(注)転嫁カルテル及び表示カルテルの届出に関する相談を含む。

6 事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査

 様々な業界における転嫁拒否行為に関する情報や取引実態を把握するため,管内において344名の事業者及び45の事業者団体に対してヒアリング調査を実施した。

表5:事業者及び事業者団体に対するヒアリング調査の実施件数
  事業者 事業者団体
全国 北海道地区 全国 北海道地区
平成25年度 1,326 98 401 1
平成26年度 8,744 246 1,263 44
合計 10,070 344 1,664 45

7 移動相談会

 事業者にとって,より一層相談しやすい環境を整備するため,管内において移動相談会を4回実施した。

表6:移動相談会の実施回数
  平成25年度 平成26年度 合計
全国 75 47 122
北海道地区 2 2 4

第2 転嫁拒否行為の未然防止のための取組

1 公正取引委員会主催説明会

 消費税転嫁対策特別措置法の内容を広く周知するため,事業者及び事業者団体を対象として,公正取引委員会主催の説明会を管内の全県において実施した(3か所合計4回)。

表7:公正取引委員会主催説明会の実施回数
  平成25年度 平成26年度 合計
全国 40 30 70
北海道地区 3 1 4

2 講師派遣

 管内において,商工会議所,商工会及び事業者団体が開催する説明会等に,公正取引委員会事務総局の職員を講師として14回派遣した。

表8:講師の派遣回数
  平成25年度 平成26年度 合計
全国 384 59 443
北海道地区 12 2 14

第3 転嫁カルテル及び表示カルテルの届出

 平成25年10月1日から消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為(転嫁カルテル)及び消費税についての表示の方法の決定に係る共同行為(表示カルテル)の届出の受付を開始し,管内において,転嫁カルテル2件,表示カルテル2件の合計4件の届出を受け付けた。
 また,届出書の記載方法等に関して,管内において12件の相談に対応した。

表9:転嫁カルテル及び表示カルテルの届出件数
  転嫁カルテル 表示カルテル 合計
全国 北海道地区 全国 北海道地区 全国 北海道地区
平成25年度 152 1 136 2 288 3
平成26年度 13 1 3 0 16 1
合計 165 2 139 2 304 4
表10:届出に関する相談件数
  平成25年度 平成26年度 合計
全国 1,235 50 1,285
北海道地区 11 1 12

別紙

主な指導事例

1 買いたたき(第3条第1号後段)
業種
概 要

建設業

 A社は,外壁塗装等の工事を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置くこととしていた。

広告業

 B社は,ポスティング業務を委託している者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

機械等修理業

 C社は,工場の整備,補修等を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

金融業

 D社は,不動産管理業務を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

農業

 E社は,農作業を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの委託代金を据え置いていた。

学習支援業

 F社は,自社が経営する学習塾の教室施設等の賃貸人(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後も消費税率の引上げ分を上乗せすることなく,消費税込みの賃料を据え置いていた。

2 利益提供の要請(第3条第2号)
業種
概 要

小売業

 大規模小売事業者であるG社は,自社で販売する衣料品等の納入業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日からの消費税率の引上げに伴い,自社の費用負担を明確にすることなく,値札の様式を消費税率の引上げに対応したものに変更し,当該値札を貼付して納入することを要請した。

3 本体価格での交渉の拒否(第3条第3号)
業種
概 要

建設業

 H社は,自動車の板金塗装作業を委託している事業者(特定供給事業者)に対し,平成26年4月1日以後の価格交渉において,当該事業者から本体価格(税抜価格)による価格交渉を求められても,交渉に応じないこととしていた。

関連ファイル

問い合わせ先

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局北海道事務所
 消費税転嫁対策調査室 電話011-231-6300(代表)
 ホ-ムペ-ジ http://www.jftc.go.jp/regional_office/hokkaido/

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