平成28年6月15日
公正取引委員会
公正取引委員会は,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)違反行為の未然防止と事業者及び事業者団体(以下「事業者等」という。)の適切な事業活動に役立てるため,事業者等が実施しようとする具体的な行為に関して個別の相談に対応しています。
また,公正取引委員会では,事業者等の独占禁止法に関する理解を一層深めることを目的として,相談者以外にも参考になると考えられる主要な相談の概要を取りまとめて相談事例集として毎年公表しています。
このたび,公正取引委員会は,平成27年度における事業者等の活動に関する主要な相談事例を取りまとめ,「独占禁止法に関する相談事例集(平成27年度)」として公表することとしました。
今回の相談事例集に掲載した事例の中で,特徴的なものとしては,次の事例があります。
1 メーカーによる差別取扱い(事例1)
市場における有力な日用品メーカーが,メーカーの推奨する販売方法を採用する小売業者に対してのみ顧客への商品発送をメーカー負担で代行することについて,当該販売方法自体に公正な競争を阻害するおそれはないこと,また,小売業者は,販売形態にかかわらず当該販売方法を採用することが可能であり,本件取組は小売業者の販売価格等についての制限の手段として行われるものではないことから,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例
2 競合するメーカー間の相互OEM供給(事例5)
住宅等に用いられる建材のメーカー2社が,輸送費削減のため,建材の相互OEM供給を行うことについて,我が国において当該建材を製造するメーカーは2社しかいないものの当該建材との競争が活発化してきている他の建材と合わせた市場においては,2社の合計シェアは約20パーセントであること,2社は,本件取組後もそれぞれ独自に建材を販売し,互いに販売価格,販売数量,販売先等には一切関与しないこと等から,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例
3 農業協同組合による共同購買事業の利用強制(事例13)
農業協同組合が,組合員に対し,農業用の機械購入のための補助金を支給するに当たり,機械及び資材を協同組合の共同購買事業を通じて購入することを条件とすることについて,当該協同組合の所在する地域において機械及び資材を購入する者のほとんどが組合員であること,多くの組合員は当該協同組合から支給される補助金を利用して機械を購入していることから,当該地域における機械及び資材の販売市場における競争者の取引の機会の減少につながるおそれがあり,独占禁止法上問題となり得ると回答した事例
内 容 | 相談件数 | ||
---|---|---|---|
平成26年度 | 平成27年度 | ||
「事前相談制度」による相談 | 0件 | 0件 | |
事業者の活動に関する相談 | 0件 | 0件 | |
事業者団体の活動に関する相談 | 0件 | 0件 | |
一般相談 | 1463件 | 1381件 | |
事業者の活動に関する相談 | 1226件 | 1182件 | |
流通・取引慣行に関する相談 | 969件 | 969件 | |
(うち優越的地位の濫用に関する相談) | (394件) | (432件) | |
共同行為に関する相談 | 116件 | 80件 | |
技術取引に関する相談 | 38件 | 35件 | |
共同研究開発に関する相談 | 14件 | 12件 | |
その他 | 89件 | 86件 | |
事業者団体の活動に関する相談 | 237件 | 199件 | |
合計 | 1463件 | 1381件 |
関連ファイル
(印刷用)(平成28年6月15日)独占禁止法に関する相談事例集(平成27年度)について(PDF:121KB)
独占禁止法に関する相談事例集(平成27年度)(PDF:1,188KB)
問い合わせ先
問い合わせ先 公正取引委員会事務総局経済取引局取引部相談指導室
電話 03-3581-5481(直通)
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