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(平成29年4月12日)独占禁止政策協力委員から寄せられた主な意見(平成28年度下半期)について

(平成29年4月12日)独占禁止政策協力委員から寄せられた主な意見(平成28年度下半期)について

平成29年4月12日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実情に即した競争政策の運営に資するため,各地域の有識者150名に独占禁止政策協力委員を委嘱しており,公正取引委員会が行う広報活動等に協力いただくとともに,独占禁止法等の運用や競争政策の運営等について意見聴取を行っている。
 平成28年10月から平成29年3月にかけて,独占禁止政策協力委員から寄せられた主な意見は,次のとおりである(地域ブロックごとの詳細は別紙参照)。

1 中小企業に不当に不利益を与える行為の取締り等の強化について

・ 東京オリンピックを控え,今後オリンピック関連の各業界の動きが加熱していくことが予想され,独占禁止法違反や下請法違反等の問題が生じてくる可能性が高いと思われる。公正取引委員会にはオリンピック関連の業界の動きを注視し,違反行為があれば厳正に対処することを期待する。
・ ある個人事業者は,公正取引委員会から送付された調査票を見て初めて自分が下請事業者に該当し,下請法で保護される対象であることを知ったとのことである。このような書面調査は,事件端緒につながるばかりではなく,下請法の普及啓発にもつながることから,書面調査の更なる拡充を期待したい。

2 課徴金制度の在り方について

・ 課徴金減免資格のある事業者が調査着手後に非協力的になった場合は,減免資格を剥奪してもよいのではないか。また,調査妨害行為に対するペナルティを科していく必要もあるのではないか。制裁金の額や算定率についても,諸外国との違いが大きいので,引上げを検討してもよいのではないか。
・ 課徴金の算定において,事業者の協力度合いをどのように評価するのかについての一定の基準を設けることが必要であると思う。また,当該基準については外部に対しても明らかにするなど透明性を確保することも重要ではないか。

3 都市ガス分野における小売事業の全面自由化について

・ 電力分野における自由化の時と同様,他のサービスとの抱き合わせ販売に注意が必要である。また,新規参入の阻害要因については,実際に自由化が始まってみないと分からないと思うが,実態を踏まえながら継続的に監視してもらいたい。
・ 自由化により競争が生じることは,競争政策上望ましいことであるが,最終的に,大手企業だけが生き残り,ガス料金が高い価格で固定されてしまえば,消費者の利益を損なうことになる。サービスの受け手が自由化による恩恵を享受することができるよう,今後の推移を注視してもらいたい。

4 独占禁止政策協力委員制度について

・ 独占禁止法の意義は,公正かつ自由な競争を促進することにより最終的に一般消費者に利益をもたらすことであるが,そのような認識を持つ一般消費者は非常に少ない。独占禁止法の意義や公正取引委員会の役割を一般消費者に浸透させる必要があり,独占禁止政策協力委員制度もその一端を担えるような仕組みとすべきである。
・ 独占禁止法や下請法の普及啓発のためには,独占禁止政策協力委員における企業経営者の割合を増やすとともに任期もなるべく短くして多くの企業経営者に協力委員を経験してもらった方が効果的であると思う。

5 その他

・ 介護分野に関する調査報告書については,今後の議論に一石を投じたという意味で評価できる。営利企業が介護分野に参入することについて抵抗感を持つ人もいるが,社会福祉団体の側にも改善すべき点があり,情報公開が適切になされるような仕組みにしなければならない。
・ 我が国農業の高コスト構造は,農業関連事業者や事業者団体の非競争的な体質・行動によるものが大きく,それらが我が国農業の生産性を高めていく上で大きな阻害要因となっているものと思われる。公正取引委員会は,非競争的な体質・行動に対し,競争政策の観点から積極的に切り込み,悪質な行為に対しては厳しく対応していくべきである。農業問題について公正取引委員会の果たすべき役割は大きいと思う。
・ 独占禁止法教室の開催状況を見ると,大学での開催が多く,中高での開催は少ない。高校はカリキュラムが詰まっていて授業の一コマを独占禁止法教室に使うことは大変だと思うが,高校の教科書には公正取引委員会のことが載っていることもあり,高校生への教育に力を入れてもらいたい。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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