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(平成30年7月11日)携帯電話事業者との契約に係るアップル・インクに対する 独占禁止法違反被疑事件の処理について

平成30年7月11日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,Apple Japan合同会社(以下「Apple Japan」という。)が,同社と株式会社NTTドコモ(以下「NTTドコモ」という。),KDDI株式会社(以下「KDDI」という。)又はソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」という。)(以下,NTTドコモ,KDDI及びソフトバンクを併せて「MNO(注1)3社」という。)との契約に基づき,
① MNO3社がApple Japanに注文するiPhoneの数量
② MNO3社がiPhoneの利用者に提供する電気通信役務の料金プラン
③ MNO3社がiPhoneの利用者から下取りしたiPhone
④ MNO3社等がiPhoneを購入する利用者に提供する端末購入補助
について,MNO3社の事業活動を制限している疑い(注2)があったことから,Apple Japanの最終親会社であるアップル・インク(以下「アップル」という。)に対し,平成28年10月以降,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきた。
 本件審査の過程において,アップルから契約の一部を改定するとの申出がなされたため,公正取引委員会において,これらの内容を検討したところ,上記の疑いが解消されるものと認められたこと等から,本件審査を終了した。
 
(注1)Mobile Network Operator(電気通信役務としての移動体通信サービスを提供する電気通信事業者であって,当該移動体通信サービスに係る無線局を自ら開設又は運用しているもの)の略
(注2)独占禁止法第19条(不公正な取引方法第12項〔拘束条件付取引〕)の規定に違反する疑い
 

第1 本件の概要 

1 Apple Japan及びアップルの概要

名称 Apple Japan合同会社
法人番号 3011103003992
所在地 東京都港区六本木六丁目10番1号
代表社員 アップル・サウス・アジア・ピーティーイー・リミテッド
職務執行者 ダニエル・ディチーコ,ダモン・リー・ナカムラ
 
名称 アップル・インク
所在地 アメリカ合衆国カリフォルニア州クパチーノ市
アップル・パーク・ウェイ1番地
最高経営責任者 ティム・クック
 

2 スマートフォン市場

 我が国において,消費者のスマートフォンの保有状況は増加傾向にあり,消費者の6割以上がスマートフォンを保有しているとみられる(注3)。スマートフォンの出荷台数は年間3000万台を超えており,このうちApple Japanが出荷するiPhoneの最近のシェアは約5割を占めている(注4)
 ソフトバンクは平成20年7月に,KDDIは平成23年10月に,NTTドコモは平成25年9月に,それぞれiPhoneの販売を開始した。
 
(注3)出所:総務省「平成29年通信利用動向調査 ポイント」(平成30年5月)3頁の3
(注4)出所:公正取引委員会「携帯電話市場における競争政策上の課題について(平成30年度調査)」(平成30年6月)2頁の3
 

3 審査事実 

 Apple Japanは,MNO3社との間で「iPhone Agreement」と称する契約を締結し,MNO3社に対し,iPhoneを販売している。
 iPhone Agreementには,MNO3社による,iPhoneの購入及び販売,iPhoneを購入する利用者に対するiPhoneに係るサービス及びサポート,iPhoneを購入する利用者に対する電気通信役務等に係る規定が設けられている。
 公正取引委員会は,iPhone Agreementの規定のうち,下記(1)から(4)の規定について審査を行った(注5)
 
(注5)iPhone Agreementの詳細は,MNO3社ごとに異なり,事業者の秘密に該当し得るため,下記(1)から(3)において,いずれのMNOとのiPhone Agreementかについては,記載していない。
 

(1) iPhoneの注文数量に係る規定

ア 事実

 MNO3社とのiPhone Agreementには,MNOが1年ごとにApple Japanに注文するiPhoneの数量(以下「注文数量」という。)が,一部の年についてあらかじめ具体的に定められていた。
 
(ア) MNO3社のうち1社とのiPhone Agreementでは,限られた年を除き,具体的な注文数量は定められていなかった。また,注文数量が当該1社の目標にとどまり,それが達成されなくても契約違反にならない旨が定められていた。
 
(イ) MNO3社のうち1社とのiPhone Agreementでは,限られた年を除き,具体的な注文数量は定められていなかった。
 
(ウ) MNO3社のうち1社とのiPhone Agreementでは,数年間について具体的な注文数量が定められていたが,定められていた注文数量は大部分の年について達成されておらず,未達成に対する不利益も課されていなかった。
 また,公正取引委員会の審査開始後,Apple Japanは,注文数量が当該1社の目標にとどまり,それが達成されなくても契約違反にならない旨を定めた。
 

イ 独占禁止法上の考え方

 Apple JapanがMNOに対してiPhoneの具体的な注文数量を義務付けることは,他のスマートフォンメーカーの販売機会を減少させるなどの場合には,独占禁止法上問題となり得る。
 しかしながら,iPhone Agreementでは,限られた年を除いて具体的な注文数量が定められていなかったこと,定められていた注文数量がその数量の注文を義務付けるものであったとはみられなかったこと等から,Apple JapanがMNOの事業活動を拘束していたとは認められなかった。
 

ウ アップルの申出

 アップルは,公正取引委員会に対し,上記ア(イ)の1社との間で新たなiPhone Agreementを締結する際には,注文数量が当該1社の目標にとどまり,それが達成されなくても契約違反にならない旨を定めることを申し出た。
 

(2) iPhoneプランに係る規定

ア 事実

 MNO3社とのiPhone Agreementには,MNOがiPhoneの利用者に提供する電気通信役務の特定の料金プラン(以下「iPhoneプラン」という。)として,基本料金,通話料金,データ通信料金等の額が定められていた。
 
(ア) MNO3社のうち1社とのiPhone Agreementでは,iPhoneプラン以外の料金プランの提供も可能であるとされていた。また,定められていたiPhoneプランは,遅くとも平成26年9月以降,提供されていなかった。
 また,公正取引委員会の審査開始後,Apple Japanは,iPhoneプランに係る規定を廃止した。
 

(イ) MNO3社のうち2社とのiPhone Agreementでは,iPhoneプラン以外の料金プランの提供も可能であるとされていた。また,定められていたiPhoneプランは,遅くとも平成27年9月以降,提供されていなかった。

 

イ 独占禁止法上の考え方

 Apple JapanがMNOに対してiPhoneプランのみの提供を義務付けることは,MNO間の料金プランに係る競争を減殺するなどの場合には,独占禁止法上問題となり得る。
 しかしながら,iPhone Agreementでは,iPhoneプラン以外の料金プランの提供も可能であるとされていたこと,定められていたiPhoneプランが提供されていなかったこと等から,Apple JapanがMNOの事業活動を拘束していたとは認められなかった。
 

ウ アップルの申出

 アップルは,公正取引委員会に対し,上記ア(イ)の2社とのiPhone Agreementを改定し,iPhoneプランに係る規定を廃止することを申し出た。
 

(3) 下取りiPhoneに係る規定

ア 事実 

 MNO3社のうち1社とのiPhone Agreementには,MNOがiPhoneの利用者から下取りしたiPhone(以下「下取りiPhone」という。)の用途が定められていた。
 
(ア) MNO3社のうち1社とのiPhone Agreementでは,国内において,下取りiPhoneは,当該1社が利用者に提供する端末補償サービスにのみ用いられる旨が定められていた。
 また,公正取引委員会の審査開始後,Apple Japanは,下取りiPhoneに係る規定を廃止した。
 なお,公正取引委員会「携帯電話市場における競争政策上の課題について」(平成28年8月)の公表後,Apple Japanは,MNO3社に対し,iPhone Agreementが下取りiPhoneの国内での販売を制限するものではない旨を通知していた。
 
(イ) MNO3社のうち2社とのiPhone Agreementでは,下取りiPhoneに係る規定は設けられていなかった。
 

イ 独占禁止法上の考え方

 Apple JapanがMNOに対して下取りiPhoneの国内での販売を制限することは,Apple JapanによるiPhoneの販売を促進することにより,スマートフォン市場におけるApple Japanの地位を維持・強化し,iPhoneの販売価格を維持するなどの場合には,独占禁止法上問題となり得る。また,中古端末の利用者に電気通信役務を提供し,又は中古端末を販売するMVNO(注6)とMNOの競争を阻害することも懸念される(注7)
 しかしながら,下取りiPhoneに係る規定はMNO3社のうち1社による下取りiPhoneの国内での用途を定めるにとどまるものであったこと等から,Apple Japanが下取りiPhoneの国内での流通を制限していたとは認められなかった。
 
(注6)Mobile Virtual Network Operator(MNOの提供する移動体通信サービスを利用して,又はMNOと接続して,移動体通信サービスを提供する電気通信事業者であって,当該移動体通信サービスに係る無線局を自ら開設又は運用していないもの)の略
(注7)公正取引委員会「携帯電話市場における競争政策上の課題について」(平成28年8月)16頁の4(2)イにおいて,端末メーカーが中古端末の流通を制限する行為に係る考え方が示されている。
 

(4) 補助金に係る規定

ア 事実

 MNO3社とのiPhone Agreementでは,MNO又はMNOがiPhoneを販売する販売代理店等(以下「販売先事業者」という。)がiPhoneを購入する利用者に対して「補助金」を提供する旨が定められていた。
 
(ア) MNO3社とのiPhone Agreementでは,iPhoneを購入する利用者が,一定の契約期間が定められた電気通信役務契約(以下「定期契約」という。)に加入する場合には,MNO3社又は販売先事業者が,当該利用者に補助金を提供する必要があるとされていた。また,補助金の額は,Apple JapanからMNO3社に対するiPhoneの卸売価格と,利用者がiPhoneを購入するための負担額の差額とされており,MNO3社ごとに具体的な最低額が合意されていた。
 
(イ) MNO3社は,従来から,携帯電話端末を購入する利用者に対し,電気通信役務料金を一定期間割り引く(注8)などの端末購入補助を提供していた。アップル及びMNO3社は,iPhoneを購入する利用者に提供する端末購入補助がiPhone Agreementの補助金に該当すると認識していた。
 
(注8)NTTドコモは「月々サポート」,KDDIは「毎月割」,ソフトバンクは「月月割」と称する割引を提供している。
 
(ウ) MNO3社のうちKDDIは,平成29年7月,iPhone以外のスマートフォンを購入する利用者に対し,電気通信役務料金を一定期間割り引く端末購入補助を伴わないものの従来よりも電気通信役務料金を引き下げた料金プランの提供を開始した。当該料金プランは,定期契約であるため,iPhone Agreementの補助金に係る規定を充足していなかった。KDDIは,平成29年9月までの間,Apple Japanの同意を得られなかったため,iPhoneを購入する利用者に対しては,当該料金プランを提供していなかった。
 

イ 独占禁止法上の考え方

 スマートフォンを購入する利用者に提供される端末購入補助は,スマートフォンの購入に伴う利用者の実質的な負担額を軽減し,スマートフォンの普及を促してきたとも考えられる。
 しかしながら,Apple JapanがMNOに対して一定額の端末購入補助の提供を義務付けることは,MNOによって多くの利用者に対してスマートフォンと電気通信役務が一体的に販売されているという現状において,電気通信役務料金の引下げやスマートフォン価格と電気通信役務料金の組合せを制限することにより,移動体通信サービスを提供する電気通信事業者間の低廉で多様な料金プランの円滑な提供を通じた競争を減殺するなどの場合には,独占禁止法上問題となり得る。
 

ウ アップルの申出

 公正取引委員会がアップルに対して上記イの問題を指摘したところ,同社は,iPhoneを購入する利用者が加入する電気通信役務契約が定期契約であっても,MNO3社が,端末購入補助を伴う料金プラン(以下「従来プラン」という。)と端末購入補助を伴わない料金プラン(以下「新プラン」という。)の双方を十分な情報とともに明確かつ公平に当該利用者に提示すること等を条件として,当該利用者に対して新プランも提供することができるよう,MNO3社とのiPhone Agreementを改定することとし,当該改定について,MNO3社との間で合意した上で,当委員会に対して申し出た。
 

エ 申出に対する評価

 上記ウの契約改定がなされた後も,iPhoneを購入する利用者に対するMNO3社の補助金の提供義務は一部残ることとなる。しかしながら,当該利用者に対する補助金の提供義務のない新プランの提供もiPhone Agreement上の疑義なく可能となる(注9)
 また,上記ウの契約改定がなされた後は,MNO3社がiPhoneを購入する利用者に新プランを提供するに際しては,iPhone Agreement上,従来プランと新プランの双方を公平に提示すること等が求められることとなる。しかしながら,MNO3社による新プランの販売促進活動を阻害しない範囲でそのような提示を行うことは,多様な料金プランの中からそれぞれの利用者にとって最適な料金プランを選択できることにつながり,利用者による合理的な選択を通じた移動体通信サービスを提供する電気通信事業者間の競争を促すことにつながると考えられる(注10)
 これらの点を踏まえると,上記ウの契約改定は,独占禁止法違反の疑いを解消するものと認められる。
 
(注9)一部のMNOは,端末を4年の割賦払いとし,一定期間経過後に旧端末を下取りに出すこと,新端末も同じプログラムに加入すること等を条件に,最大2年の残債を免除する端末購入プログラム(いわゆる「4年縛り」)を導入している。当該端末購入プログラムは,iPhone Agreement上,MNOにその提供が求められているものではない。
 また,当該端末購入プログラムへの加入条件には,電気通信役務の新プランへの加入が含まれることがある。本件において,アップルの申出に対しては,現行の補助金に係る規定の下では提供することができない電気通信役務の料金プランを提供することが可能となる点を評価したものであり,MNOによる「4年縛り」を是認したものではない。「4年縛り」に係る競争政策上の考え方は,公正取引委員会「携帯電話市場における競争政策上の課題について(平成30年度調査)」(平成30年6月)16頁の6(3)において示されている。
(注10)公正取引委員会「携帯電話市場における競争政策上の課題について(平成30年度調査)」(平成30年6月)18頁の6(7)において,「MNOは消費者の利用状況を把握していることから,各消費者の利用状況を踏まえ,定期的に消費者に最も適した契約プランを提示することなどを積極的に推進することも望ましいと考えられる」との考え方が示されている。
 

4 本件の処理

 公正取引委員会は,iPhone Agreementにおける①iPhoneの注文数量,②iPhoneプラン及び③下取りiPhoneに係る規定については,MNOの事業活動を拘束するもの等ではないと判断し,また,④補助金に係る規定については,上記3(4)ウの契約改定が独占禁止法違反の疑いを解消するものと判断し,本件審査を終了した。
 

第2 IT・デジタル関連分野における独占禁止法違反被疑行為に係る取組

 公正取引委員会は,IT・デジタル関連分野における独占禁止法違反被疑行為に係る情報に接した場合には,「ITタスクフォース」において効率的に調査を行うこととしている。
 また,IT・デジタル関連分野における独占禁止法違反被疑行為に係る情報を広く受け付けるため,専用の情報提供窓口を設置している(詳細については,次のウェブページ参照)。
 https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/oct/161021_3.html
 公正取引委員会としては,今後とも,公正かつ自由な競争の促進の観点から,スマートフォン市場を含むIT・デジタル関連分野における競争の状況を注視していく。
 

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問い合わせ先 ITタスクフォース
公正取引委員会事務総局審査局第四審査上席
電話 03-3581-4009(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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