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令和2年2月12日付 事務総長定例会見記録

令和2年2月12日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

[発言事項]

事務総長会見記録(令和2年2月12日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

芸能分野に係る公正取引委員会の取組について

 本日,私からは,人材分野のうち,芸能分野における最近の取組内容について御紹介いたします。
 公正取引委員会では,人材分野における公正かつ自由な競争を促進するため,近年,独占禁止法・競争政策の観点から様々な取組を進めております。
 まず,有識者による「人材と競争政策に関する検討会」を開催しまして,平成30年2月に報告書を取りまとめて公表いたしました。その後,この報告書を踏まえまして,人材分野に係る独占禁止法上の考え方についての関係各方面に対する周知,そして,様々な分野における競争制限的な行為や慣行の実態把握などを行っておりますほか,必要に応じまして個別の分野に即した具体的な考え方を整理し,公表してきております。
 芸能分野に関する具体的な取組といたしましては,昨年9月,「芸能分野において独占禁止法上問題となり得る行為の想定例」を公表するとともに,これらを活用しつつ,芸能事務所・団体,芸能分野の弁護士等に対する説明会を実施したほか,業界における取引慣行改善に向けた自主的取組への支援といたしまして,日本音楽事業者協会によるモデル契約書等の改訂に関して助言をするなどを行ってきております。
 また,複数の主要な芸能事務所団体に対しましては,契約や取引慣行の適正化についての要請も行いました。
 さらに,今月の29日には,日本エンターテイナーライツ協会に御協力いただきまして,芸能人向けの説明会を開催いたします。このプログラムの詳細につきましては,配布資料を御覧いただければと存じます。この説明会では,公正取引委員会の職員が,芸能人と芸能事務所の所属契約や取引慣行に関する独占禁止法上の問題につきまして,参加される芸能人の方々等に直接解説をいたします。
 当事者であります芸能人の皆様にも,こうした問題に関する必要な知識と意識を高めていただくことが大切であると考えておりますので,是非積極的に足を運んでいただければと考えております。
 公正取引委員会といたしましては,引き続き,芸能分野を含めて人材分野における独占禁止法上の考え方の周知,そして,競争制限的な行為や慣行の実態把握等に積極的に取り組んでまいります。

質疑応答

(問) 楽天市場に関する質問です。先日,公正取引委員会の楽天に対する立入検査が実施されたということなんですけれども,引き続き,楽天は送料無料のプランについては3月18日に始めるとしております。そこで質問なんですけれども,今後,3月18日までに,公正取引委員会として採り得る措置というか,オプションにどのようなものがあるのか,お考えなのかを教えてください。
(事務総長) 毎度繰り返し同じようなことを申しておりますが,個別の案件については,これまでもコメントしておりませんので,コメントは差し控えたいということでございます。
 一般論としてということで申しますと,そういう様々な調査ですね,立入検査を含みます調査,そういう調査を始めた場合には,その調査を引き続き進めていきまして,事実関係を把握し,その上で,独占禁止法違反,そうした行為が認められるのであれば,厳正・適切に対処していくということになろうかと考えております。

(問) 同じ楽天の件なんですけれども,楽天は3月18日に実施するという方針の中で,あまり時間的に猶予があるわけではないと思うんですけれども,個別の案件はなかなか難しいとは思うんですが,時期的なめどなどはどうお考えでしょうか。
(事務総長) 正に個々の案件でございますので,具体的なコメントはちょっとなかなかできないということでございますが,これまでも公正取引委員会は,様々な事件を様々な状況の中で対処しております。そうしたいろいろな状況がございますが,その中で問題があるということであれば必要な調査を行って,適切に対応していく,措置を採っていくということになろうかと思っております。
 また,一般的に法的な仕組みで申しますと,排除措置命令というのは,違反する行為がある場合,又はそれが既になくなっている場合も行うことができるということでございまして,一般的には行為が行われているときに命令するのが普通でございますので,もし疑いがあるということであれば,まずはしっかりとした調査を行っていくことが大切と考えております。

(問) 芸能人の関係の話なんですけれども,検討会の報告書が出て1年経ちますけれども,現状,今の時期にこのシンポジウムに協力していくことの公正取引委員会としての狙いとですね,現状把握,どのように見ていらっしゃるのか,この1年間である程度改善が進んだと見ていらっしゃるのか,まだまだ周知が足りないと思っていらっしゃるのか,その当たり,お願いします。
(事務総長) このいわゆる人材を巡る独占禁止法上の考え方については,先ほど申しましたように,いろいろ考え方を公表いたしまして,それに基づいて関係団体への周知などを続けているところでございます。団体のほうでは,それに基づいて真摯にいろいろ対応していただき,改善等も行っているところもあるということでございます。
 今回の説明会につきましても,こういう様々な取組の一環ということでございまして,特にこの時期だからというよりは,いろいろなことをやる中で御協力いただけて,この時期に開催することになったということでございます。
 全体的に見れば,様々な団体で公正取引委員会の示した考え方に基づいていろいろと対応していただいていると考えておりますので,全体としては良い方向に行っているのかなと思いますが,実際に問題があるかどうかというのは,具体的に,実際にどういう契約が行われるか,どういう慣行が行われるかということでございますので,引き続き,公正取引委員会としては,周知・説明会等の取組を続けていきたいと考えております。

(問) それに関連してなんですけども,人材の分野で競争政策をというのは,新しい分野であったことも背景にあるのかもしれませんが,今回のこの件については,そうすると,要するに,審査局での個別の問題の事件ということではなくて,周知活動やいろいろな団体との取組や,そういったことで改善しているということなんですか。つまり,案件によってはいろいろな手法が使えるということですか。
(事務総長) 御指摘のとおり,この分野,もちろん独占禁止法はあらゆる分野に適用されるわけでございますが,特にフリーランスの増加というのを念頭に検討会を開いて考え方を示し,それと同じような状況にあります,正に芸能とかスポーツの分野についても,様々な取組が今,行われてきたということでございます。
 団体なり,それぞれ当事者のほうで自主的に改善していただくというのはとても良いことでございますので,それを見ながら,ただ一方で,具体的にいわゆる事件として取り上げるべき問題というのが仮にあるのであれば,それはこれまで公表した考え方に基づいて調査し,対応していくということになろうかと考えております。

以上

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